意外と当てになる?「季節性要因」と「アノマリー」を徹底解説

季節性要因とアノマリー_アイキャッチ
 

FXの相場分析の方法として一般的なのは、「テクニカル分析」と「ファンダメンタル分析」ですが、この2つの分析手法ほど精度は高くないものの、為替相場の動向を把握する方法として注目を集めている経験則があります。

それが、外国為替市場の方向性を季節の移り変わりから分析した「季節性要因」と、それを補強する為替取引に関する「アノマリー」です。

一部のFXトレーダーからの注目を集める季節性要因とアノマリーとは、一体どのようなものでしょうか。今回は季節性要因とアノマリーについて見てみましょう。

 

「季節性要因」と「アノマリー」とはなにか

季節性要因とは、1年を四季に分けたときの大まかな株式・外国為替市場の取引の方向性を言います。

短期的に見ると、株式・外国為替市場は様々な要因で日々変動していますが、年単位で見ると季節ごとに値動きに大まかな方向性がある場合があり、この値動きを指して「季節性要因」と言います。

 

季節性要因に対してアノマリー(Anomaly)とは、ある法則や理論から見て異常(例外)、または説明できない事象のことを言います。転じて金融市場では、理論的にはっきりとした根拠こそ持たないものの、株式や為替など取引でよく当たるとされている経験則を指して、「アノマリー」と言います。

 

季節性要因もアノマリーも値動きの大まかな方向性をあらわしますが、「分析」と呼べるほど高い精度で外国為替市場の値動きを予測するものではありません。

これらはあくまでも「この時期には大体このように動く場合が多い」という経験則にとどまります。

判断材料の1つとして扱われているものの、テクニカル分析やファンダメンタル分析のように分析の主流とはなっていません。

しかし季節性要因とアノマリーは、ときとして8割の精度で外国為替市場の動向に当てはまることもあり、一部のトレーダーからは注目を集めています。

 

FXの季節性要因とアノマリーの関係

このように経験則として一定の信頼を得ている季節性要因とアノマリーは、外国為替市場だけではなく、株式市場とも密接な関係があると考えられています。

そこでここでは春夏秋冬に分けた上で、季節性要因と対応するアノマリーについて見てみましょう。

 

冬(1月~3月)

  • アノマリー…1月効果、節分(2月3日)天井・彼岸(3月20日)底
  • 1月…欧米企業の期首であり、変動幅は大きくなる傾向。
  • 2月…1月の流れを受けた流れとなりやすい傾向があります。
  • 3月…日本企業の決算期となり、日本企業などによる「レパトリエーション(企業などが海外に投資していた資金を本国に戻す動き)」による円安ドル高圧力。同時に、欧米企業の4半期。決算対策で公的な買いが入りやすい
 

春(4月~6月)

  • アノマリー…Sell in May, and go away; don't come back until St Leger day(5月に売り、市場から立ち去れ。セント・レジャー・デー(9月の第2土曜日)まで戻ってくるな = セルインメイ)
  • 4月…日本企業の期首。海外投資やGWで出国する観光客の日本円からの両替の活発化による円安圧力が生じます。
  • 5月…年金基金の投資先が決まりはじめる。
  • 6月…欧米企業の4半期。6月から8月は株式・外国為替市場の取引が閑散とするので、大きく動く傾向があります。
 

夏(7月~9月)

  • アノマリー…夏枯れ相場
  • 7月…取引の閑散期。
  • 8月…7月に引き続き取引の閑散期。国内外ともに機関投資家や大口投資家が夏季休暇に入る。
  • 9月…日本企業の中間決算。3月と同様に日本企業のレパトリエーションにより円高ドル安圧力。同時に欧米企業の4半期。海外投資家の節税売り。
 

秋(10月~12月)

  • アノマリー…10月効果
  • 10月…8月までの閑散とした取引から動き、年金基金の決算対策売り。株式市場に大幅下落の傾向。
  • 11月…アメリカ感謝祭の休暇前に調整。新しい方向性に動き傾向にある時期。
  • 12月…クリスマスと欧米企業の決算期。3月、9月とは反対に、欧米企業のレパトリエーションにより円安ドル高圧力。年末年始は再び大きく動くこともあるので注意。
 

このように、各国の長期休暇の前後や決算期を目安として外国為替相場の方向性はガラリと入れ替わるのを季節性要因としてまとめ、この季節性要因を補強するものとしてアノマリーがあります。

アノマリーは四季ごとの大まかな方向性をあらわす季節性要因よりも細かく月単位、日付単位の株式・外国為替市場の方向性をあらわすため、アノマリーに注目しているトレーダーも一定数います。

 

おわりに

このように並べてみると、季節性要因やアノマリーにも何となく説得力があるような気がします。

しかし過去の値動きに当てはめてみると、8割程度の確率で当てはまる年もあれば全く当てはまらない年もあり、実はそれほど精度が高いとは言えません。

季節性要因やアノマリーは、あくまでも取引のエッセンス程度に留めておくのが賢明と言えそうです。

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