馬鹿にできない経験則「相場格言」と「アノマリー」とは何か

相場格言とアノマリー_アイキャッチ

 

現代の相場分析の主流とされているテクニカル分析もファンダメンタル分析も、公表されているデータを分析することで予測を導き出して取引に反映する手法であることには違いはありません。

しかし最終的に取引の判断を下すのは投資家本人であり、データ以外の様々な要素が取引に影響を与えるため、データだけに頼った取引では満足な取引結果を残すのは極めて難しいと言えます。

そこで注目したいのが、過去の膨大な相場を分析して導きだされた経験則の「相場格言」や「アノマリー」です。

今回はいくつかの相場格言を見ることで、昔の投資家たちはどのようなことを考えていたのかを見てみましょう。

 

「相場格言」とはなにか

そもそも、相場格言とはどのようなものなのでしょうか。

一言で言うと、「過去の膨大な取引の注文から決済までと、その時の相場の状況を照らしあわせてパターンを見つけだし、その状況にどのような取引をするのが賢明かをまとめた言葉」が相場格言です。

相場格言の発祥と言われているのは、江戸時代の大阪・堂島の米の先物相場であり、堂島の米相場で荒稼ぎをしてその名を知られた豪商たちによって編まれ、現在まで伝えられています。

ここで取り上げたもの以外にも相場格言は数多くあり、そのほとんどは日本証券業協会の相場格言集|日本証券業協会にまとめられています。

 

知られている著名な格言

相場格言と言われているものは数多くありますが、ここではそれらの中でも特に使われる頻度の高い相場格言をいくつかピックアップしてみました。

 

「人の行く裏に道あり花の山」

投資家とはどうしても群集心理で動きがちであり、協調性が強い人々です。

しかしそのままではいつまでたっても大きな成功は得られません。

むしろ他人とは反対の事をやるほうが上手くいく場合が多い、というアノマリーです。

 

「相場は相場に聞け」

先にあげた「人の行く裏に道あり花の山」と矛盾するようですが、こちらは相場の大きな流れに逆らうなと言った意味合いの言葉です。

他人と同じような取引をしていてはいつまでも機会を掴めませんが、かといって闇雲に取引をしているとあっという間に手持ちの資産を失いかねません。

相場が一方に動いている時には無理に逆らわずに、方向にのった取引を心がけるべきでしょう。

 

「行き過ぎもまた相場」

勢いがつきすぎた車が急には止まれないように、相場にもこのあたりが上限(下限)だろうという値段を超えても、そのまま勢いが止まらないことは十分に起こりえます。

そのような時には一度最後まで登り(降り)きらなければ動きは止まらないだけではなく、揺り戻しが強烈なことは覚悟しなければなりません。

 

「もうはまだなり、まだはもうなり」

相場格言というとこの言葉と「人の行く裏に道あり、花の山」が双璧と言われるほどよく口にされる確言と言われています。

言葉としては、もう相場の底だと思えるようなタイミングはまだ底ではないし、まだ相場の天井は先だと思うようなタイミングは実は既に天井である、という格言です。

 

このように相場確言には様々なものがありますが、基本的には「リスク管理」と「資金管理」に関する言葉がほとんどであり、昔からこの2つはそれだけ重視されてきたと言えるでしょう。

 

「相場格言」と似て非なる「アノマリー」

相場格言と並んで注目されている経験則に「アノマリー」があります。

アノマリーとは、ある法則や理論から見て異常(例外)、または説明できない事象のことを言い、市場でははっきりとした理論的な根拠を持たないものの、よく当たるかもしれないとされる経験則のことを言います。

相場格言とアノマリーは経験則を活かした知識であるという点でとても良く似ていますが、相場格言とアノマリーが異なる点として、「アノマリーは特定場面の経験則に偏っている」ことがあげられます。

 

代表的なアノマリーをいくつか見てみると、

  • 12月の株価は安く、逆に1月の株価は高い
  • 月曜日の株価は高い
  • 2日から取引が始まる月は相場が荒れる
  • 時価総額の小さい銘柄は、高い収益率をもたらすことが多い(小型株効果)
  • PER(Price Earnings Ratio =株価収益率)の低い銘柄は、高い収益率をもたらすことが多い(低PER効果)
  • 配当利回りの高い銘柄は、市場平均よりも高い収益率をもたらすことが多い(配当利回り効果)

などが知られています。

 

このようにどのようなアノマリーは基本的に株式に関しての経験則に限られ、銘柄や時期に関する内容が多いことがその特徴と言えます。

おわりに

古くから伝えられている相場格言やアノマリーをつぶさに見てみるとを、繰り返し「リスク管理」と「資金管理」の重要性について触れられていることに気づきます。

現在でも取引を続けるために欠かせないこの2つの要素は、市場での取引がはじまったときから言われつづけていた言葉でもあるのです。

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