「トラリピ」追加訴訟に地方裁判所の判決下る。その内容とは?

マネースクウェアと外為オンラインの裁判に判決。その内容は?

2017年2月10日、マネースクウェアHDが外為オンラインを特許侵害で訴えた裁判の判決が下され、外為オンラインの勝訴の判決となりました。

この判決はFXサービスの中でも人気を集めるリピート注文にどう影響するのでしょうか。裁判の流れと今後の影響を見てみましょう。

注目を集めた裁判と判決の概要

マネースクウェアHDが外為オンラインを特許侵害で訴えた

今回判決が下された裁判は、2014年10月に外為オンラインがリリースした「サイクル注文®」と「iサイクル注文®」が、マネースクウェアHDが提供する「トラップリピートイフダン®(トラリピ®)」の特許を侵害しているとして、2015年2月にマネースクウェアHDが外為オンラインを訴えたものです。

訴えたマネースクウェアHDが敗れる

今回下された判決は、原告であるマネースクウェアHDの請求をいずれも棄却、訴訟費用は原告の負担とする、マネースクウェアHDの全面敗訴の内容となりました。

東京地方裁判所の判決を受けた双方の見解

マネースクウェアHDのプレスリリース

(略)

1.訴訟の提起から判決に至るまでの経緯

当社は、知的財産権を重要な経営資源の一つであると考え、平素よりその権利の取得及びその適正な活用を図っており、これまでも、当社知的財産権を侵害するサービスを提供していると思われる者に対しては、当該サービスを中止するように求める等、対策を講じてまいりました。

平成26年10月より外為オンラインがサービス提供を開始した「サイクル注文」及び「iサイクル注文」についても、特許権に対して深い知見を有する外部の弁護士、弁理士と協議のうえ、当社が保有する特許権(特許第5525082号及び特許第5650776号。訴訟係属中に、特許第5826909号を追加)を侵害すると考えたことから、平成27年2月19日に、その差し止めを求めて訴訟を提起いたしましたところ、当社の請求を認めない旨の判決が平成29年2月10日に言い渡されました。

2.控訴について

当社といたしまして、本判決は到底容認できるものではありませんので、控訴を行うこととし、既に手続に着手しております。

控訴審において当社の主張が認められるよう、引き続き断固として戦って参る所存です。

3.関連事件について

(略)

4.今後の見通し

(略)

引用:M2HDの訴訟の判決及び控訴の提起に関するお知らせ(PDF)

外為オンラインのプレスリリース

1.特許侵害差止請求訴訟について

(1)原告(株式会社マネースクウェアHD)の請求を棄却する。

判決の内容

(2)訴訟費用は原告(株式会社マネースクウェアHD)の負担とする。

2.

株式会社マネースクエアHDは、2015年2月19日、東京地方裁判所に対し、当社のサービス提供に係る「サイクル注文® 」及び「iサイクル注文® 」(以下、「当社サービス」といいます)が株式会社マネースクウェアHD保有の特許第5525082号及び特許第5650776号を侵害することを理由として、当社サービスの提供差止めを求める訴えを提起し(事件番号:平成27年(ワ)第4461号)、2015年11月6日、同社保有の特許第5826909号も侵害するとして訴えを追加的に変更しました。

訴訟の内容

今回の判決は、当社サービスが特許第5525082号及び特許第5650776号に抵触せず、特許第5826909号が無効であるというもので、当社サービス提供の差止めを認めませんでした。当社の主張が全面的に受け入れられた形になります。

引用:特許侵害訴訟の勝訴判決に関するお知らせ|新着情報|外為オンライン

争点となった「特許権の侵害」とは

特許権とは、特許出願から20年の存続期間内において、個人的または家庭内での利用を除く「業」として、特許発明を独占的に実施できる権利です。第三者が特許権者から実施を許諾されていないにもかかわらず、業として特許発明を実施などすると、特許権の侵害となります。

今回の裁判は、「第三者が特許権者から実施を許諾されていないにもかかわらず、業として特許発明を実施などする」に当たるかが争われ、東京地裁は当たらないとする判決を下しました。

「iサイクル注文®」と「トラリピ®」の仕組みと違い

値動きを追ってIFO注文を発注。「iサイクル注文®」

外為オンラインの提供する「iサイクル注文®」では、あらかじめ設定した変動幅の中で、一定間隔の値幅で複数のIFO注文を同時発注します。決済注文が成立したら、為替レートの変動に合わせて変動幅を追従させ、新たな注文条件のIFO注文をシステムが自動的に繰り返すリピート注文機能です。

イフダン注文をくり返し発注。「トラップリピートイフダン®」

マネースクウェア・ジャパンの提供する「トラップリピートイフダン®(トラリピ®)」は、新規と決済を同時に発注するIFD注文に、リピート(注文をくり返す機能)とトラップ(一度にまとめて発注できる仕組み)を搭載したリピート注文機能です。

罠(トラップ)を仕掛けるようにIFD注文をリピートすることから、トラリピの愛称がつけられました。

細部が異なるリピート注文機能

このように「iサイクル注文®」と「トラリピ®」を比べると、一定のレンジを指定して、その中で注文を繰りかえし発注するという大枠では変わりありません。しかし、注文方法や指定する取引条件、取引の参考とする情報などで細かい違いがあります。

今回の裁判ではこの点が重視され、特許権の侵害には当たらないとの判決が下される根拠となりました。

おわりに

今回の裁判ではマネースクウェアHDの訴えを棄却する判決が下されましたが、負けた側のマネースクウェアHDが控訴の手続きに入るなど、最終的な決着にはまだまだ時間がかかりそうです。

今後は、控訴審での逆転判決をはじめとして、思わぬ状況の急変に備えた取引・リスク管理が必要と言えそうです。

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