GMO証券とDMM.com証券 本当のFX取引高世界1位はどちら?

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2015年の第一4半期に、DMM FXを提供するDMM.com証券が取引高世界一になったことを発表し、TVCMの内容もそれに沿ったものになりましたが、同時期にFXネオを提供するGMOクリック証券も取引高世界一をうたうTVCMを出稿していました。

何故このような奇妙な事態が起こったのでしょうか。今回は、同じ時期に別の会社が取引高世界一をうたい文句にする奇妙な事態のからくりを紐解いてみましょう。

 

FX業者の比較軸は何があるのか?

そもそも、FX業者の比較軸は各社が独自に集計・発表しているものから、調査・統計を専門としているシンクタンクによる統計発表まであり、確かな比較軸が定まっていないのが現状です。

しかしその中でも、国内の有力シンクタンクである「矢野経済研究所」と、海外のFX専門の調査会社である「ファイナンス・マグネイト(旧フォレックス・マグネイト)」の提供するデータを基礎とする場合が多く、この2社が発表する口座数や証拠金、取引高が比較軸として活用されていることが多くなっています。

 

口座数

個人・法人を問わず顧客がFX業者に開設しているFX口座の総数です。よく比較軸として扱われるものの、いわゆる休眠口座であってもカウントされるので正確性に欠ける嫌いがあります。

 

証拠金残高

証拠金とは、顧客がFXを始めるときにFX業者に預ける担保となるお金のことですが、全ての証拠金の残高を合算したものが証拠金残高となります。

口座数と同じく休眠口座に預けてある証拠金もカウントされるため、正確な数字とは言いがたいですが、比較軸として取り上げられることが多い数字です。

 

取引高

FX業者に口座開設をしていて入金をしている顧客のうち、実際に行われている取引の金額を合算したものであり、いくつかあるFX業者の比較軸の中では、最も信頼性の高い数字とされています。

 

このようにいくつかあるFX業者の比較軸のうち、最も信頼性が高いと言われているのが取引高ですが、この取引高をめぐって2015年のはじめに奇妙な事態が発生しました。

冒頭でも触れたようにGMOクリック証券とDMM.com証券の2社が、同時期に「取引高世界一」のCMを出稿したのです。これは一体どういうことでしょうか。

 

本当の世界一はどちら?

ほぼ同じ時期に別のFX業者がそれぞれ取引高世界一を宣伝文句にするという一見すると異常事態は、少し詳しく見てみると、実は異常事態ではないことに気づきます。

 

どちらも「ファイナンス・マグネイト(旧フォレックス・マグネイト)」の調査したデータを基として世界一を発表していますが、それぞれの統計期間が異なるのです。

FXネオの調査期間は2012年1月から2014年12月と比較的長い期間が取られています。これに対してDMM.com証券の調査期間は2015年の第1四半期と短い期間に限られます。つまりどちらも間違いではないものの、そのまま比較するには不適当なデータで取引高世界一を競っているのです。

 

それでは実際の取引高1位はどちらなのでしょうか。矢野経済研究所が毎月調査・発表している「有力FX企業16社の月間データランキング」の直近3ヶ月(2015年6月から8月の3ヶ月)から引用して見ましょう。

 

2015年6月期

出典:有力FX企業16社の月間データランキング-2015年6月-

  • 企業単体集計の2015年6月の預かり残高第1位はGMOクリック証券、第2位は外為どっとコム
  • 企業グループを加味した集計では、第1位はSBIグループ*2、第2位はGMOグループ*2
  • 企業単体集計の2015年6月の口座数の第1位はDMM.com証券、第2位はGMOクリック証券
  • 企業グループを加味した集計では、第1位はSBIグループ*2、第2位はGMOグループ*2
  • 2015年6月の取引高の第1位はGMOクリック証券、第2位はDMM.com証券

 

2015年7月期

出典:有力FX企業16社の月間データランキング-2015年7月-

  • 企業単体集計の2015年7月の預かり残高第1位はGMOクリック証券、第2位は外為どっとコム
  • 企業グループを加味した集計では、第1位はSBIグループ*2、第2位はGMOグループ*2
  • 企業単体集計の2015年7月の口座数の第1位はDMM.com証券、第2位はGMOクリック証券
  • 企業グループを加味した集計では、第1位はSBIグループ*2、第2位はGMOグループ*2
  • 2015年7月の取引高の第1位はGMOクリック証券、第2位はDMM.com証券

 

2015年8月期

出典:有力FX企業16社の月間データランキング-2015年8月-

  • 企業単体集計の2015年8月の預かり残高第1位はGMOクリック証券、第2位は外為どっとコム
  • 企業グループを加味した集計では、第1位はSBIグループ*2、第2位はGMOグループ*2
  • 企業単体集計の2015年8月の口座数の第1位はDMM.com証券、第2位はGMOクリック証券
  • 企業グループを加味した集計では、第1位はSBIグループ*2、第2位はGMOグループ*2
  • 2015年8月の取引高の第1位はGMOクリック証券、第2位はDMM.com証券

(*1集計対象は、預かり残高15社、口座数15社、取引高12社、いずれも無回答を除く。)

(*2. SBIグループはSBI証券、住信SBIネット銀行、SBI FXトレード3社の店頭取引の合算値。GMOグループはGMOクリック証券、FXプライム by GMOの店頭取引の合算値。)

 

こうして直近3ヶ月に限ってみると、口座数1位をDMM.com証券が独占し、取引高1位をGMOグループが独占しているのが分かります。

つまり現状の広告は、データ集計時点では間違いではないものの、現時点(2015年11月現在)では不正確なデータであり、と言えそうです。

 

ここで気をつけておきたいポイントは、DMM FXやFXネオのようなブランド単体の比較と、これらのブランドを提供している企業グループ全体での比較が混在していることです。そのため、この統計は精確な順位を求めるためのものではなく、あくまでも概略の比較程度に留めておくほうが賢明と言えるでしょう。

 

おわりに

ざっくりと評価軸の比較・検討と実際のデータとの照らし合わせてみましたが、データを見るかぎりでは現状ではGMOグループのほうが取引高世界1位と言えそうです。

今後の首位争いと、表記内容には注目したいものですね。

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