制度面で大規模変更。平成28年分の確定申告のポイント

制度面で大規模変更。平成28年分の確定申告のポイント

平成28年分の確定申告が2月15日からはじまりましたが、今年も細かい部分で前年と異なる改正がおこなわれています。今年はどのような点が改正されたのか、その変更点を見てみましょう。

1年間の所得と所得税額を確定する「確定申告」

「確定申告」とは、1年間に生じた所得金額とそれに対する所得税および復興特別所得税の額を計算して確定申告書を提出することで所得税額を確定する手続きです。

サラリーマンやパート・アルバイトなどの給与所得者であれば支払い時点で「源泉徴収」がおこなわれているため確定申告は基本的に必要ありませんが、多額の副収入や控除対象となる出費が発生した場合には過不足を精算するために手続きが必要となります。

FXの取引で生じた損益は確定申告が必要?

資産運用の一種として急速に浸透しているFXですが、差金決済と呼ばれる独特の仕組みを活用した取引方法であり、確定申告では「先物取引」として扱われます。

FXの取引で発生した損益は確定申告ではどのように扱うのか、国税庁のQ&Aから引用して見てみましょう。

差金決済による差益が生じた場合

他の所得と区分し、「先物取引に係る雑所得等」として、所得税15%(他に地方税5%)の税率で課税されます(申告分離課税)。

なお、「先物取引に係る雑所得等」とは、一定の先物取引による事業所得の金額、譲渡所得の金額および雑所得の金額の合計額をいいます(「先物取引に係る雑所得等」の制度の概要等については、コード1522を参照してください。)。

(注)平成25年から平成49年までの各年分の確定申告においては、所得税と復興特別所得税(原則として、その年分の基準納税金額の2.1%)を併せて申告・納付することになります。

差金決済による差損が生じた場合

他の「先物取引に係る雑所得等」の金額との損益通算は可能ですが、「先物取引に係る雑所得等」以外の所得の金額との損益通算はできません。

しかし、他の「先物取引に係る雑所得等」と損益通算をしてもなお引ききれない損失の金額は、一定の要件の下、翌年以後3年内の各年分の「先物取引に係る雑所得等」の金額から控除することができます(詳細はコード1522、コード1523を参照してください。)。

(注)1平成23年12月31日以前に行われた店頭取引の場合の課税関係は次のとおりです。

イ・差金決済による差益が生じた場合:一般的には、雑所得として総合課税の対象となりますので、課税総所得金額に応じた税率(超過累進税率)で課税されます。

ロ・差金決済による差損が生じた場合:上記イのとおり、一般的には雑所得とされることから、雑所得の範囲内での損益の通算は可能ですが、他の各種所得の金額との損益通算はできません。

なお、取引所取引に係る「先物取引に係る雑所得等」の金額との損益の通算もできません。

(注)2平成24年1月1日以後に行う店頭取引であっても、金融商品取引法に規定する店頭デリバティブ取引に該当しない取引は、申告分離課税ではなく、注1の取り扱いとなります。

引用:No.1521 外国為替証拠金取引(FX)の課税関係|所得税|国税庁

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平成28年分の確定申告の注意点

平成28年分の確定申告では、税制面では「所得税および復興特別所得税」と「消費税および地方消費税」、「贈与税」の3点、制度面では「マイナンバー制度」の本格導入などの変更がおこなわれています。

社会保障・税番号(マイナンバー)制度の本格導入

社会保障・税番号(マイナンバー)制度の本格導入により、平成28年分以降の確定申告書などの提出には、「マイナンバーの記載」と「本人確認書類の提示または写しの添付」が必要です。

平成28年分の所得税から適用される主な改正事項

毎年の税制改正にあわせて細かい改正がおこなわれる確定申告ですが、今年は「所得税および復興特別所得税」と「消費税および地方消費税」、「贈与税」の3点が改正対象となりました。

所得税および特別所得税に関する改正では、債券などの一部金融商品の扱いなど、見逃せない改正がいくつか含まれています。

1.居住者等が、平成28年1月1日以後に支払いを受けるべき一定の特定公社債等の利子等や、一般公社債等や特定公社債等の譲渡による譲渡所得等については、15%の所得税の税率による申告分離課税の対象となりました。

また、一定の特定公社債等については、金融商品取引業者等に開設している特定口座に受け入れができることとなりました。

2.(略)

3.給与所得控除の上限額が、230万円(給与収入1,200万円を超える場合の給与所得控除額)に引き下げられました。

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引用:税制上の主な変更点:平成28年分確定申告特集|国税庁

おわりに

毎年頭を悩ませる確定申告ですが、最近ではIT化によりこれまでよりも簡単・確実に作成・提出できるようになっています。今回見たポイントを踏まえて、確定申告に挑戦してみましょう。

参考サイト

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