システムトレードに欠かせない「ポートフォリオ」の考え方とは

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取引するプログラム(ストラテジー)を選ぶだけで取引ができることから、近年急速に人気を集めている取引ツールが自動売買(システムトレード)です。

取引の省力化・自動化に役立つシステムトレードですが、安定した取引を実現するためには、「ポートフォリオ」を考慮したストラテジーを選ぶことが欠かせません。

今回は、ポートフォリオの考えかたと、ポートフォリオを組むときのポイントや注意点について見てみましょう。

安定した取引に欠かせない「ポートフォリオ」とは?

様々な意味がある「ポートフォリオ(Portfolio)」ですが、資産運用でポートフォリオと言えば「安全資産と危険資産の最適保有率」のことであり、平たく言えば「複数の資産の組み合わせとその割合」を意味します。

本来は株式や債権、不動産など様々な資産の組み合わせからなるポートフォリオですが、システムトレードでは複数の通貨ペアとストラテジーの組み合わせを指すことがほとんどです。

ポートフォリオはなぜ必要?

ポートフォリオの考えかたを利用するメリットはいくつかありますが、もっとも大きなものとして異なる性格を持つストラテジーを組み合わせてポートフォリオを組むことで安定した取引はもちろん、より大きな利益を期待できる点があります。

一つの通貨ペアやストラテジーに頼りきりで取引をしていると、為替レートの急変に対応できず大きな損失が生じる可能性は小さいものではありませんが、複数の通貨ペアやストラテジーを組み合わせれば、急変に柔軟に対応することが期待できます。

大きく異なるポートフォリオの特徴

ポートフォリオは大きく分けて、大きな損失をおさえながら着実な利益を狙う「ローリスク・ローリターン」型と、ある程度の損失のリスクを取ってでも利益の最大化を目指す「ハイリスク・ハイリターン」に二分できます。

「ローリスク・ローリターン」型と「ハイリスク・ハイリターン」型では組みこむストラテジーの性格は全く正反対であり、どちらのタイプで取引をするのかはポートフォリオを組む前に考えておきたいポイントです。

ポートフォリオを組むときに考えたいポイントとは?

リスクとリターンのバランスを取るためのポートフォリオですが、ポートフォリオを組むときには通貨ペアやストラテジーの選び方、資金面などいくつかの点を考える必要があります。そのポイントを見てみましょう。

投資できる金額(投資可能金額)を求める

FXに限らず資産運用はリスクを取ってリターンを狙うものであり、「仮に全額を失っても、日々の生活に困らない程度の金額(投資可能金額)」に収めることが欠かせません。また、システムトレードは24時間を通して取引が自動でおこなわれるため、どのようなポートフォリオでも強制ロスカットにかからない程度の証拠金を考える必要があります。

リスクに耐えられる金額(リスク許容額)を求める

投資可能金額とあわせて考えたいのが、リスクにどこまで耐えられるか(リスク許容額)という点であり、一つの目安として、

  • 証拠金>(必要証拠金×最大建玉数量)+最大ドローダウンの総和

が知られています。

ただし、リスク許容額は実際に含み損が生じるまでは分からず、その時点での気分に左右される面もあるため、あくまで目安であることに注意が必要です。

通貨ペアの組みあわせに注意する

ポートフォリオを組むことでリスク軽減効果を得るためには、ポートフォリオに組みこむ通貨ペアを分散させることが欠かせません。

ただし、むやみに通貨ペアを増やしても分散したことにはならず、ユーロ/英ポンド(EUR/GBPと香港ドル/米ドル(HKD/USD)のように、対円で似たような値動きをする通貨ペアに分散しても、リスク軽減効果は期待できないため、できるだけ相関の小さい通貨ペアを組みあわせる必要があります。

「損益曲線」の似たストラテジーは選ばない

ポートフォリオを組む目的はリスクを局限してリターンを大きくすることにあり、「損益曲線」の形が似たストラテジーを組みこまないことが重要なポイントです。

損益曲線が似たストラテジーは、同じようなタイミングで取引をするため、損益が生じるタイミングが変わらず、組みあわせてもリスク軽減効果が期待できないことになります。

「最大ドローダウン」を想定する

三つ目のポイントとして、下落率(ドローダウン)の中でももっとも大きい「最大ドローダウン」を設定したポートフォリオを組むことがあげられます。

ストラテジーは決められたルールにしたがって売買を繰り返すため、取引成績は相場状況に左右される面があり、最大ドローダウンの大きさは相場環境がストラテジーに不利なときの損失の目安となり、最大ドローダウンの多いストラテジーは短中期的に不利なストラテジーと考えられます。

なお、最大ドローダウンを想定するときには一つのストラテジーだけではなく、ポートフォリオ全体で考えることが必要となります。

おわりに

取引の省力化・自動化に大きく役立つことが期待されるシステムトレードですが、ポートフォリオを取りいれることでより安定した取引の実現が期待できます。

1回で最適なポートフォリオを組みあげることは難しいものの、安定した取引に欠かせないため、システムトレードを利用するのであればぜひとも用意しておきたいものと言えます。

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