ファンダメンタルズの基礎知識:為替に影響大な「経済指標」

経済指標_アイキャッチ

FXで安定した利益を得るためには為替レートの方向性(トレンド)を予測する相場分析が欠かせませんが、中長期的な予測を得意とするのが「ファンダメンタルズ分析」です。

ファンダメンタルズ分析に欠かせない各種経済指標の見方について見てみましょう。

経済の基礎的要件をあらわす「ファンダメンタルズ」

経済の基礎的要件である「ファンダメンタルズ」

そもそも、ファンダメンタルズ分析の「ファンダメンタルズ」とは経済成長率、物価上昇率、国際貿易収支などのまとめたマクロ経済指標であり、1978年のドイツ・ボンサミットでのカーター米大統領が指摘したことで一般化しました。

ニクソン・ショックにより為替レートがそれまでの固定相場制度から変動為替相場制に移行する時期に当たったため、ファンダメンタルズは各国間の経済格差を反映した相対的な通貨価格(為替レート)の変動要因となります。

各国間の基礎的条件の均衡が崩れると為替レートの変動が極端になり、国際経済の不安定さが増すことから、FXトレーダーの間では「為替レートの決定要因」としても重視されています。

ファンダメンタルズが材料の「ファンダメンタルズ分析」

ファンダメンタルズを参考にする「ファンダメンタルズ分析」

ファンダメンタルズ分析ではこれらの経済指標を参考に為替レートの方向性(トレンド)を予測する分析手法であり、主にチャートを参考にする「テクニカル分析」とは異なり、精度は高くないものの中長期的なトレンドを予測するのが得意と言われています。

ファンダメンタルズ分析の判断材料としては、定期的に発表される各種の「経済指標」やその国の中長期的な経済活動を左右する「金融政策」、意外なところでは各国の財務・金融担当者などの「要人発言」などが知られています。

 
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経済指標をファンダメンタルズ分析に活かすコツ

経済指標_小売売上高

定量的なデータを主な材料とするファンダメンタルズ分析では、定期的に発表される経済指標の数字によってその国の政治・経済の方向性や、通貨が強くなるか(買われるか)、弱くなるか(売られるか)を予測することが期待できます。

当然、経済が良好な国の通貨は買われ、逆に悪化している国の通貨は売られますが、的確な判断のためには経済指標ごとにその時々の経済状況を確認することとあわせて、種々の指標を積み重ねて総合的な景気判断をすることが欠かせません。

特に注目を集めるのが基軸通貨である米ドルの発行するアメリカの経済指標であり、アメリカの景気動向をもっとも端的にあらわす雇用統計の発表前後は世界の為替取引の参加者がその内容に注目します。

アメリカの経済指標はわずかな例外を除いて発表時間が定められているため、その前後の時間帯は外国為替市場の取引が活発になる傾向があります。

知っておきたい重要な経済指標の特徴と種類

経済指標_景況感指数

定期的に様々な業種・職種のデータをとりまとめたものが発表される経済指標ですが、ファンダメンタルズ分析の材料となる経済指標はほぼ固定されています。

ファンダメンタルズ分析の判断材料として注目される代表的な経済指標の内容を見てみましょう。

対象国の経済成長率をあらわす「GDP成長率」

四半期ごとに年4回作成される国内総生産(Gross Domestic Product = GDP)の統計は、速報値、改定値、確定値の3種類があり、為替レートのトレンドに影響するのが速報値です。

GDPとは「一定期間(通常は1予算年度)の間に対象国内で産み出された付加価値の総額」のことであり、GDPの伸び率が経済成長率として扱われます。

物価・サービス価格の上昇をあらわす「インフレ率」

GDPと並んで経済規模をあらわすことから重視されるのが、物価やサービス価格の上昇率をあらわす「インフレーション(インフレ)率」です。

典型的なインフレは、好況で経済やサービスに対する需要が増加することで経済全体で見た需要と供給のバランス(均衡)が崩れ、総需要が総供給を上回ったときに物価の上昇によって需給が調整されることで発生します。

インフレは経済に悪影響を与えると言われていますが、健全なインフレであれば経済が健全な成長をしている証とも言われ、経済成長を判断する有力な材料とされています。

インフレ率をあらわす経済指標として代表的なものは、「消費者物価指数」や「生産者物価指数」がありますが、これらの指数には変動の激しい食料品や資源エネルギーなども含まれるため、これらを除いた「コア指数」が特に重視されます。

アメリカの金融政策に大きく影響する「雇用統計」

単独の経済指標としてもっとも注目されるのが、毎月第1金曜日の午前8時半(日本時間では午後10時半)に発表される「雇用統計」です。

アメリカの中央銀行である連邦準備制度理事会(Federal Reserve Board of Governors = FRB)は、金融政策を決定する判断材料として「物価」と「雇用」の2つを重視していて、このうち「雇用統計」はアメリカ経済の現状を反映する数字として特に注目しています。

そのため、雇用統計の内容の良し悪しはアメリカ経済の行く末を左右することにもなり、その内容が外国為替市場を大きく左右することになるのです。

その国の経済の先行きを示唆する「財政収支」

ここまで見てきた経済指標は経済の現状をあらわすものでしたが、経済の将来をあらわす経済指標として国の収入と支出をあらわす「財政収支」が知られています。

財政収支の中でも特に重要視されるのが、貿易で発生する利益(黒字)と損失(赤字)のバランスをまとめた「貿易収支」です。

一般的に貿易黒字国の通貨は買われやすく貿易赤字国の通貨は売られやすいため、貿易収支の内容は為替レートのトレンドに影響することが知られています。

おわりに

様々な経済指標を参考に為替レートのトレンドを予測するファンダメンタルズ分析ですが、その材料となる経済指標は主要国のごく一部の経済指標に限られています。

経済指標の内容によっては外国為替市場が大きく動くことも珍しくはないため、指標発表の前後は外国為替市場の動向には要注意と言えるでしょう。

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