テクニカル分析の基礎知識【チャートの種類と特徴】 

テクニカル_アイキャッチ

FXにおいて、テクニカル分析はファンダメンタル分析と並んで欠かせない分析です。

テクニカル分析は、値動きそのものを対象に、チャートの推移を見ながら過去の値動きを分析したり、将来の動きを予測したりします。

為替相場を動かしているのは人間であるため、チャートにはトレーダーの群集心理が反映されています。トレーダーは基本的にみな同じチャートを見て予測を立てているため、相場が下がりそうなときには、「そろそろ売っておこう」といった心理が働き、大量の「売り」注文がでるため、実際に相場が下がったりします。

チャートにはいくつか種類があります。それぞれに特徴があり、メリットやデメリットがあるため、まずは各チャートの種類と特徴についてつかみましょう。

トレンド系チャートとは

チャート_トレンド系

 

チャートの種類は数多くありますが、大きく分けるとトレンド系とオシレーター系の2種類に分かれます。

トレンド系チャートは、 基本的に「順張り」(相場が上昇傾向の時に買い、下落傾向の時に売るといったトレンドに乗った売買方法)のときに活用できます。

トレンドライン

チャートの上限と下限を見極めるため必要なのが、トレンドラインです。トレンドラインには、下値支持線と上値抵抗線をがあります。下値支持線は為替レートが上昇しているときにこれ以上は価格が下回らないといった線で、チャート内のローソク足の安値を結んだ線です。

上値抵抗線は、下値支持線とは逆で、下落時にこれ以上は価格が上がらないといった線で、ローソク足の高値を結んだ線です。

上昇トレンドで安値が下値支持線を割り込んだ場合は下降トレンドへ、下降トレンドで高値が上値抵抗線を上に突き抜けた場合は上昇トレンドへの転換とみることができます。

移動平均線

移動平均線は、過去一定期間の終値の平均値をつないだ線のことです。終値の推移を一つの大きな流れとして把握するものであり、上向きなら上昇トレンド、下向きなら下降トレンドと判断することができます。

また、短期間と長期間の移動平均線では、計算に用いる数値が異なるため、異なった角度や向きとなるため、短期間の相場の流れを見るなら短期の移動平均線、長期間なら長期間の移動平均線を見るといった使い分けが必要です。

移動平均線には、いくつか種類があります。もっともよく使われるが単純移動平均線(SMA)です。これは例えば直近5日間の終値を合計して5で割る、直近25日間の終値を合計して25で割るといった、単純な計算で求めた一定期間の平均値です。

エンベロープ(Envelope)

エンベロープは移動平均を応用したテクニカル分析の手法です。 為替相場の動きが穏やかな局面でより有効です。

エンベロープは、一つの移動平均を描き、それに平行となる線を上下に追加したものです。上下の平行線は、ベースとなる移動平均から一定の値幅、または率でプロットします。

エンベロープには「包むもの、被うもの」という意味があります。上下の平行線が値動きを包むようになるのでエンベロープと呼ばれています。

また、上下の線に囲まれたエリアをバンドと言います。

エンベロープの使い方としては、バンドの外側にはみ出すと行き過ぎとみなして逆張りをするといった手法があります。ただし、乖離幅を小さく設定すると、だまされる可能性も高くなるので注意が必要です。

一目均衡表

一目均衡表は、昭和11年に細田悟一と2,000人もの人手をかけて考案された、代表的なテクニカル分析手法の1つです。

細田悟一は新聞記者で、戦後になってペンネームを一目山人としました。一目均衡表は、そのペンネームに由来しています。

一目均衡表は5つの線から成り立っています。遅行線を除く4線はサポートライン(チャートの安値で止まっている価格帯)、あるいはレジスタンスライン(これ以上相場が上昇しないという認識を持ちやすい価格帯)になります。

一目均衡表は、その由来となっている通り、分析することによって一目で売買のポイントがわかりやすくなるのが特徴です。トレンドの先行きや方向性、転換点等、総合的な分析を目指しているチャートです。

オシレーター系チャートとは

チャート_オシレーター

トレンド系と並ぶチャートが、オシレーター系です。オシレーターとは「振り子」「振り幅」という意味です。オシレーター系は、相場の買われ過ぎ、売られ過ぎを分析するチャートです。

「逆張り」(相場が急落したときに買ったり、急騰したときに売ったりするなど、相場のトレンドと逆方向と逆で売買する方法)の指標として利用されることが多く、トレンド相場よりも、レンジ相場(相場の上限と下限が決まった範囲で上げ下げを繰り返す相場のこと)に向いています。オシレーター系チャートには、以下のような種類があります。

RSI

RSIは、Relative Strength Indexの略です。「相対力指数」とも言われます。相場の「売られ過ぎ(Over Sold)」や「買われ過ぎ(Over Bought)」を測定する、代表的でオーソドックスな指標として利用されています。

RSIは0~100までの数値で表されます。このとき、ローソク足チャート等と照らし合わせながら見ていきます。一般に、RSIの指標が70~80以上だと買われ過ぎ、20~30以下だと売られ過ぎと言われます。

RSIは、 長期間の相場を見た場合には精度が高い指標です。しかし、短期間の場合や大相場を形成する過程には、だましも多くなってきます。そのため、トレンド系のチャートと併用し相場の分析をするほうが良いでしょう。

ストキャスティクス

ストキャスティクスは、 %K、%Dの2つの指標を使って、相場の「売られ過ぎ(Over Sold)」「買われ過ぎ(Over Bought)」を判断するオシレーター系の指標です。

RSIとの違いは、%K線、%D線とラインを2つ使うことです。

株価と日数の振幅を元に計算されており、先行するライン「%K」と、遅行するライン「%D」という動きが異なる二本のラインの水準やクロスの仕方から、割高、割安の売買タイミングを探すことができる指標です。一般的に9日間の高値・安値と、当日の終値を元に計算がされています。

ボリンジャーバンド(Bollinger bands)

ボリンジャーバンドは、移動平均系に統計の手法として、価格の変動率と標準偏差を加えて考案されたテクニカル分析です。移動平均線を中心にバンドを形成すると言う点では、エンベロープに似ていますが、エンベロープのバンドは幅が一定なのに対し、ボリンジャーバンドは幅が拡大、縮小します。

ボリンジャーバンドは、移動平均系に統計の手法として、価格の変動率と標準偏差を加えて考案されたテクニカル分析です。為替レートがボリンジャーバンド内で推移すると仮定して、バンドが狭いときにはバンド内に留まると考えて反転を狙ったり、バンドが広がっている場合には、トレンドに乗るというのが一般的です。

MACD(マックディー)

MACDは、Moving Average Convergence and Divergenceの略で、指数平滑移動平均というものが用いられているオシレーター系指標です。

MACDを見ると、相場の方向性や乖離具合、絡み方等から比較的精度の高い売買ポイントを見ることが出来きます。しかし、MACDでトレンドの方向性を見極めたつもりでも、エントリーのタイミングを誤れば、相場判断に狂いが生じる可能性があります。

そのため、RSIやストキャスティクスなど、他のオシリーター系のチャートと使用することで、だましにひっかからないようにしましょう。

相場の動きを的確に捉えるためのチャート

チャート_概要

 

FXには、情報収集が非常に大事です。ファンダメンタル要因は、相場の動きを予測するための大事な要因ですが、必ずしも予想通りに動くとは限りません。

好材料な発表だったとしても、相場が逆方向に動いたり、景気動向が良いからと言って、必ずしもその国の通貨が買われたりするわけではありません。

チャートの分析を行うことで、情報に振り回されずに、冷静に判断をすることができるようになります。

思い付きや勘だけで取引をするのではなく、チャートをしっかり利用しましょう。

過去のチャートの形に似ているときは重要

チャート_重要性

過去のチャートを見ていると、価格の動きにあるパターンを見いだせることがあります。これは、チャートが人間の群集心理を反映しているものだからです。

現在のFXトレーダーも、過去のチャートを分析しながら「暴落時の市場参加者の反応」や「大相場の高値ときの動き」はどうだったのかを考えています。そうすると、現在の相場を取り巻く状況と、過去の高値・安値が自然と意識されて、同じようなチャートパターンを描くようになるのです。

おわりに

以上がテクニカル分析で使用するチャートの種類です。ここで紹介したチャートは多くあるチャートの代表的なものですが、それぞれのチャートに得て不得手があります。

自分がどのようなデータを見たいのかによって、使用するチャートは変わってくるかと思います。

基本的にはトレンド系、オシリーター系それぞれのチャートを複数組み合わせて、多角的な分析を行うようにしましょう。

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