ダマシが少ないオシレーター系指標の「MACD」

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テクニカル指標分析の中でも移動平均を利用するものの場合、トレンド分析からの結果としての指標となります。ここで説明するMACDについては、オシレータとしての分析も合わせて行うため、トレンドの転換点など、単純な移動平均だけでは分析しきれない仕切れないものまで合わせて判断することができます。

 

一歩進んだ移動平均「MACD」とはなにか

MACD(Moving Average Convergence-Divergence)とは日本語で「移動平均、収束及び発散」で、移動平均分析の応用となる考え方になります。このテクニカル指標では、MACDラインという値をグラフ化し、その変動で値動きのトレンドを予測します。

まず、MACDはEMA(平滑移動平均)を利用する形で、短期的なEMAと長期的なEMAとの差になります。

 

式にすると、

  • MACD=短期EMA-長期EMA

となります。

 

EMAに加えてMACDについてもチャートに表し、その変動やそのプラス、マイナスの幅を分析に活用し、取引することになります。

MACDの絶対値(お互いの離れている量)が大きい場合、本来のポテンシャルよりも買われ過ぎているか、売られ過ぎている状況であると判断できて、逆に小さい場合は長期サイクルに従った値動きであると判断できます。

 

一般に短期については12日の、長期については24日のEMAを利用することが多いようです。

この幅を大きく取ると、トレンドについての反応には敏感にはなりますが、その精度は疑わしくなり、逆に小さくとってしまうと、その差が小さいためにどこで取引をすれば良いのかについて判断が難しくなります。

従って、前述のような幅での分析が一般的ではありますが、慣れてきたら細かに変更しての分析も有効でしょう。長期EMAを大きく取ればより長期サイクルについて意識した分析になり、短期EMAを短く取ればそれだけ最近のトレンドを意識した形での分析になります。

 

その上で、このMACDの移動平均であるシグナルラインを求め、その値をMACDから差し引いたものをMACD2、もしくはヒストグラムと呼びます。一般にシグナルラインについては9日分を利用することが多いようです。

  • MACD2(ヒストグラム)=MACD-MACDの移動平均(シグナル)

この値を繋いだ線同士の交差関係で売買のポイントを見極めることになります。

 

主に、MACDとシグナルとのラインの交差を見て判断する場合が多いのでその説明をしていきますが、ここまでの説明で面倒だと思われる人もいるかと思います。計算などしなくても、チャートツールが作図をしてくれるので、気にしなくても良いと思われるかもしれません。

しかし、ツールではこのような計算は無感情に機械的に算出するものでしかないので、細かな計算は不必要でも、描かれた線の意味がなんなのかを理解して、チャートの見方をしっかりと覚えておくことが重要です。概念が分かっていれば計算が苦手でも問題はありません。

実際、その算出が複雑ではありますが、MACDの視覚的判断はわかりやすく、そのポイントでの信頼度も判断できるところが優れている点でしょう。

 

MACDの実際の使い方について

さて、このテクニカル指標の実際の使い方を見ていきましょう。

MACDとシグナルラインについて、MACDがシグナルラインを追い抜く形で下から上へ交差するタイミングをゴールデンクロスと呼び、売りのサインであるとみなされます。

逆に、シグナルラインがMACDラインを追い抜く場合をデッドラインと呼び、買いのサインとみなされ、この交差について、角度が大きければ大きいほどそのトレンドが大きくなると考えられるので、それだけサインの信頼度が大きいと考えることができるのです。

 

さらに、この2つの値がどの程度の離れているのかを示すヒストグラムも利用できます。

このヒストグラムは、0を基準に上(正)であれば買いが強い状況。下(負)であればその相場は現在売りが強い状況であると判断できます。

このように、MACDを中心としたチャート分析については、交差も含めて視覚的にとても判断しやすくなっているのが特徴です。

 

おわりに

MACDだけではなく、チャートとテクニカル指標を利用したテクニカル分析は客観的な側面での判断が大きく、どんな意味を持つのかを理解しておかないと間違った判断を下してしまいます。

しかし客観的だからこそ、投資家が自然に陥る主観的な取引を避けることができます。主観的な取引は経験則として否定はできませんが、再現性のあるものではなく、科学的に不確かなものです。

テクニカル指標のような客観的な指標があれば、無駄に熱くなったり、弱気で早期に売りすぎて本来得られるはずだった利益を損なうような場面を避けることができるのです。

 

このように、値動きを分析してトレンドとサイクルの両面から参考となる情報を抽出し、そこから将来の値動きを予測し、取引を行うのがトレンド分析と呼ばれる、移動平均線を用いたテクニカル分析となります。

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