売買のタイミングを掴める「ボリンジャーバンド」とはなにか

ボリンジャーバンド_アイキャッチ
 

FXのテクニカル指標の1つに、ボリンジャーバンドというものがあります。

相場の流れに逆らう「逆張り」取引のときに有用と言われるボリンジャーバンドですが、示されるラインは一目見ただけでは、何を表しているのかわからないという人がほとんどです。

そこで今回は、ボリンジャーバンドが何を表しているのかを見てみたいと思います。

 

「ボリンジャーバンド」と標準偏差の求め方

ボリンジャーバンドとは、移動平均線に次いで利用されているテクニカル指標であり、相場の変動率を一定の期間における数値の動きがその期間の平均値からどの程度ばらつきがあるのかを求める統計学の標準偏差によって表します。

例えば5日間の終値について平均をとって各日の終値と平均値の差を求め、それぞれの差を2乗して全ての合計を求めて5日で割り、その平方根を求めたものが標準偏差となります。

 

例えば

  • 1日目が1.5、2日目が2.0、3日目が0.6、4日目が0.5、5日目が1.2の差

であれば、

  • 1.5の2乗+2.0の2乗+0.6の2乗+0.5の2乗+1.2の2乗 = 8.3

となり、それを5日で割った1.66が標準偏差となります。

 

この標準偏差をσ(シグマ)と呼び、この標準偏差を統計学における正規分布に当てはめることで、価格の変動について予測できます。

正規分布の理論では、価格の変動が平均値±σに収まる確率は68.26%、±2σに収まる確率は95.44%、±3σに収まる確率は99.73%になることが証明されているため、ボリンジャーバンドは数学的にも極めて信頼性の確かなテクニカル指標の1つとして知られています。

 

ボリンジャーバンドの考え方

統計学の正規分布に基づいて考えると、実際に±2σを超える確率はおよそ4.5%しかないため、いずれ平均値に戻ると予想されます。その平均値に戻る動きを予想して逆張りをおこなうことがボリンジャーバンドの基本と言えます。

ボリンジャーバンドは通常5本のラインで分析され、それぞれ中央の線を基準として+2σ、+1σ、0、-1σ、-2σを表しています。この±2σのラインを超えた時、逆張りでの取引をおこなうのです。

 

しかし製作者のボリンジャーはそうした単純な利用法ではなく、収縮して接近したバンドが横ばい状態になった後にバンド幅が拡大していき、価格が±2σのラインを超えて引けた時に、そのブレイクした方向にポジションを建てる「ボラティリティ・ブレイクアウト」という順張りを薦めています。

これは横ばい状態でエネルギーを溜めていた相場が、ボラティリティの高まりを見せることでバンドを突破した時に、トレンドが発生する可能性が高いことを利用した方法です。

ボラティリティ・ブレイクアウトの後は通常のバンドが拡大していくのに伴い、相場がバンド上を動く可能性が高くなります。これをバンド・ウォークと呼びます。こうしてバンドの拡大が収縮に転じたところが手仕舞いとするポイントになります。

 

ボリンジャーバンドにおいて、ブレイクしたバンドはまずブレイクした方向とは逆のバンドが先行して転換していきます。ここが最初に部分的な手仕舞いをするポイントとなり、通常トレンドが減衰して持ち合いの価格の動きが始まるとすぐに起こります。その後はブレイクした方向のバンドが反転に転じることになりますが、ここがすべてのポジションを手仕舞いとするポイントです。

上下のバンドが収縮に転じることは、相場が貯めたエネルギーを放出しきったことでトレンドが終わるという意味になるためです。

 

このようにボリンジャーバンドは順張りと逆張りのどちらで使うかがその局面によって180度変わってくることが難しいところです。ただし、ボリンジャーバンドが統計学における価格の分散度合いを示したものだと理解していれば、バンドの広がりや縮小、傾き具合によって現在の相場が荒れているのかどう静かな状態なのかを幹分ける見分けることができるため、現状を認識するには大変役に立つ指標といえます。

 

ボリンジャーバンドを利用した売買判断

現状を認識するのにはボリンジャーバンドは大変役に立ちますが、それを売買判断につなげるためには、もう一工夫が必要となります。

逆張りで使うときには拡大していたバンドの幅が収縮し始めた瞬間を狙うか、ボリンジャーバンド以外で為替レートの過度な売買を判断するオシレーター系指標も併用するなどの方法で売買シグナルの精度を高める必要があります。

あまり単純化すると失敗する可能性が高くなりますが、あえてシンプルな方法をとるならば、逆張りが成功しやすいのは相場が静かな時であり、失敗しやすいのは相場の急変時やもみ合い相場から大きなトレンドが発生した場合です。

反対に順張りで使う場合、成功しやすいのは相場が静かな状態から大きなトレンドが発生した時であり、失敗しやすいのは規則正しい相場や、乱高下の続いていた相場が小休止する時です。

こうした基準を用いて、ボリンジャーバンドによる売買判断をおこなうといいでしょう。

 

おわりに

ボリンジャーバンドは一般的に逆張りのためのものと思われていますが、使い方によっては順張りにも使え、相場の現状を認識するためにも使えますが、ダマシも多いため他のテクニカル指標と組み合わせて使って精度を高める必要があります。

よく利用されるツールということは、それだけ役に立つことが多いツールということです。しっかりと使い方を覚え、活用するようにしていきましょう。

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