反グローバリズムの目立った2016年と2017年の予想

反グローバリズムの目立った2016年と2017年の予想

2016年も国内外を問わず政治・経済で様々な出来事がありましたが、それら外国為替市場での取引にどのように影響したのでしょうか。

2016年の様々な事件・イベントの振りかえりと、2017年の予想を見てみましょう。

回復傾向にある?日本経済と為替トレンド

年内最後の連休に入る前の22日に2017年度予算案が閣議決定され、過去最大の約97兆5千億円の予算案になることが発表されました。

「経済再生と財政健全化の両立を実現する予算」と位置づけられたこの予算案の実現に欠かせない景気回復と社会保障制度改革は足踏み気味であり、景気回復を目指すアベノミクスの柱となった金融緩和は拡大・複雑化の一途をたどっています。

拡大する日本銀行(日銀)の金融緩和と続かないアベノミクス

安倍首相が掲げる経済政策「アベノミクス」の第一の矢となったのが、日本銀行(日銀)による量的・質的金融緩和(異次元緩和)です。

当初は大きな効果をあげた異次元緩和ですが、2年目、3年目となると効果も薄れ、2月には「マイナス金利付き量的・質的金融緩和(マイナス金利政策)」、10月には「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」の導入に踏み切るなど、その拡大はとどまるところを知りません。

2度目となった消費税引き上げ延期

足踏みをしはじめた景気動向を踏まえて、安倍首相は2015年10月に続いて2度目の消費税引き上げ延期を発表しました。背景には、直前に開催された国際金融経済分析会合での検討や、世界の政治・経済の不安定化が大きく影響していると言われています。

消費税引き上げ再延期の発表と同時に衆議院解散・総選挙では、議席を大きく減らした野党民進党に対して、与党自民党以下の「改憲勢力」と呼ばれる政党は議席を伸ばし、改憲発議を可能とする3分の2議席を獲得するなど、政治面では安倍首相は盤石と言える体制を維持しています。

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混乱が続く世界の政治・経済

アベノミクスの第一の矢である金融緩和により回復傾向にあるものの、依然として力強さに欠ける日本経済に作用しているのが、「ブレグジット」や「トランプ次期大統領の誕生」など事前の予想をくつがえした政治劇です。

まさかの逆転劇となったイギリスの欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)

2016年中に起こった、様々な出来事の中でも最大のサプライズが、イギリスのEU離脱(ブレグジット)をめぐる国民投票で離脱派が多数になったことです。

2011年のいわゆる「アラブの春」以降、政治的混乱が続く中東からの難民急増をきっかけに不満が蓄積・爆発、難民の入国ルートであるEUからの離脱を国民投票の実施にまでに至りました。

結果は僅差とはいえ離脱派が多数を獲得したことで残留派のキャメロン首相は辞任、後任には消極的残留派のテリーザ・メイ首相が就任するなど、イギリスとEUの関係は大きく変化を強いられることとなりました。

「強いアメリカ」の復活?トランプ次期大統領誕生

ブレグジットと並ぶサプライズが、アメリカ大統領選挙で共和党のドナルド・トランプ候補が民主党のヒラリー・クリントン候補を破り、第45代アメリカ大統領に就任したことです。

共和党候補を決める予備選挙に立候補した段階から、熾烈(しれつ)なバッシングやネガティブキャンペーンを受けつづけたトランプ候補ですが、豊富な自己資金と明快な主張による熱狂的支持により予想外のアメリカ大統領の地位を手にすることとなりました。

既に従来のメディアを通さず、ツイッターやフェイスブックなどの会員制交流サイト(SNS)の発信を中心とする独自のメディア戦略により、トランプ次期大統領は既にアメリカの行く末に影響を与えはじめています。

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2017年の世界と日本はどうなる?

国内外を問わず様々な出来事が相次いで起きた2016年ですが、2017年はどうなるのでしょうか。

直近では2017年1月にアメリカ大統領の就任式があり、この就任式によってトランプ次期大統領から「次期」が外れてトランプ大統領による4年間のアメリカ統治がはじまります。

日本国内でも1月に衆議院の解散・総選挙のうわさは根強く、解散権を持つ安倍首相の動向が注目を集めています。

おわりに

2016年はグローバル化による世界の政治・経済の一体化の進展に対する揺り戻しとなる動きが世界の各地で吹き出し、国同士や国内での経済格差が注目される1年となりました。

2017年はこの動きがさらに強まるかどうかが注目され、特に世界最大・最強の国家であるアメリカは、トランプ大統領の誕生によりこれまで以上に注目を集めることが予想されています。

参考サイト

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