一部FXサービスにも及ぶトルコリラのリスク。その背景は?

一部FXサービスにも及ぶトルコリラのリスク。その背景は?

外国為替市場で不安定な値動きが続くトルコリラ(TRY)ですが、ついに一部FXサービスで建て玉上限の一時引き下げが実施されるなど、その影響は広い範囲に及んでいます。

長引くトルコリラの不安定な値動きの背景には、どのような原因があるのでしょうか。また、取引にはどのような影響があるのでしょうか。

今回は、トルコリラ低迷の原因とその影響について見てみましょう。

FXネオでは一時的に建て玉上限の引き下げを予告

[前略]

2018年6月24日(日)にトルコで大統領選挙と国会総選挙が予定されております。同選挙に向けては、トルコリラの相場変動がこれまで以上に大きくなることも予想されており、急激な相場変動によるお客様の取引リスクを抑制する観点から、当社のFXネオ・くりっく365取引のトルコリラ/円(TRY/JPY)の取引について、下記のとおり、一時的に建玉上限の引下げを実施いたします。

建玉上限の引下げ実施時に新たな建玉上限を超えて建玉を保有していた場合、引下げ実施後もそのまま建玉を保有し続けることは可能ですが、新たな建玉上限を超えて新規取引を行うことはできませんので、ご留意くださいますようお願いいたします。

建玉上限引下げ開始・終了時期

2018年6月2日(土)メンテナンス終了後から2018年6月30日(土)メンテナンス終了後まで

※終了日時は相場状況等により変更する場合があります。その場合には、事前にお知らせいたします。

建玉上限の引き下げ内容

[FXネオ取引]

  • 変更前:500万
  • 変更後:300万

[くりっく365取引]

  • 変更前:500枚
  • 変更後:300枚

今後とも、GMOクリック証券をご愛顧賜りますようお願い申し上げます。

トルコリラ/日本円(TRY/JPY)の建て玉上限を引き下げた「FXネオ」

FXネオ(GMOクリック証券) FXネオ(GMOクリック証券)

なぜ終わらない?トルコリラ低迷の背景とは?

下落のきっかけはエルドアン大統領の投資家に向けた発言

トルコリラのリスクがここまで大きくなったのは、エルドアン大統領の発言が投資家向け説明会でのきっかけとささやかれています。

エルドアン大統領はこの説明会で、「金利引き下げによるインフレの鎮静化」を主張、あわせて「トルコ中央銀行は独立した機関だが、大統領からも独立しているわけではない」と発言したことで、説明会に参加した投資家からの信頼を大きく損ないました。

一般的に強いインフレに対するには、利上げにより資金調達コストを引き上げることで市中資金の循環をコントロールしようとします。また、中央銀行は政府から独立することで、金融政策のフリーハンドを与えられています。これらの常識に反する発言をしたことでトルコリラに対する信頼感は一気に薄れ、外国為替市場での低迷の引き金となったのです。

世界金融危機と並ぶ値下がり幅を記録

過去にトルコリラが最も大きく落ち込んだのは、2008年から2009年にかけて世界金融危機がもっとも深刻化した時期の約6週間で、その下落率は36%に達しました。今回の下げ局面は、事実上のはじまりとなった2017年9月からの下落率は31%に及び、世界金融危機と並ぶ下げ幅を記録しています。

デリバティブ市場で根強い先安観

為替レートの値下がり幅だけではなく、先物やオプション、デリバティブ市場も、トルコリラの先行きについて、より大きなリスクの可能性を示しています。

ボラティリティのオプションを利用してリラの変動をヘッジするコストは、5月25日に緊急利上げ前につけた9年ぶりの高水準に戻りました。また、オプション取引の一種であるリスクリバーサルの1年物は2017年1月から最高の水準に接近、3カ月物も同様の値動きを示しています。

さらに、金利を予測するフォワードレートでは、現在の米ドル/トルコリラのスポット相場に対して、15%のプレミアムが上乗せされるなど、リスク管理に振りきった取引が中心となっています。

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6月24日の大統領選挙が1つのポイント

トルコは6月24日に大統領選挙の投開票を控えています。この大統領選挙でエルドアン大統領が再選すれば、さらにトルコリラが売られる展開は十分に考えられます。

インフレ対策が明らかになってからでも遅くはない

トルコリラ/日本円の長期チャートを見ると、ひと目で強い右肩下がりのチャートとわかります。こうしたファンダメンタルを把握した上で、中央銀行が必要な措置をとってインフレに適切に対応できるという状況が確認できた時点でトルコリラへの投資を再開しても遅くはないでしょう。

おわりに

トルコリラの建て玉上限の一時引き下げは、トルコリラの取引リスクが高止まりしていることが原因であり、その背景にはエルドアン大統領の政治姿勢が影響しています。

エルドアン大統領の去就は6月24日に投開票される大統領選挙まではトルコリラの投資に積極的になるのは、今まで以上にリスクが高いことを念頭に置いておく必要がありそうです。

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