中国経済の変調と為替への影響

中国経済_アイキャッチ

 

2008年の世界金融危機以降、世界経済のエンジンとして力強い成長を続けてきた中華人民共和国(中国)の経済状況が、2015年に入ってにわかに変調をきたしています。

一体、何が原因なのでしょうか。今回のコラムでは、中国経済の変調と、FXへの影響を見てみましょう。

 

中国経済の概要とこれまで

1949年の中華人民共和国(中国)の成立後、1970年代半ばまでの経済は毛沢東(マオツォートン・もうたくとう)の指導による大躍進政策の失敗や、文化大革命による混乱など、様々な失策により、諸他国に比べ経済成長が大きく立ち遅れていました。

このため、毛沢東が亡くなった1976年以降、権力者の地位についた鄧小平(トンシャオピン・とうしょうへい)の主導によって1978年に「改革開放」政策が採用されて、計画経済から大きく舵を切ります。

 

この改革開放政策は、それまでの共産主義に基づいた計画経済ではなく、

  • 市場経済の導入
  • 国営企業の民営化や不採算企業の閉鎖
  • 人民公社の廃止と生産責任制の実施
  • 積極的な外資導入

など、資本主義に基づいた市場競争の原理を取り入れた、柔軟な計画経済を目指すものでした。

 

このような様々な改革開放政策の導入・実施の結果、1980年代以降上海を始めとする沿海部の経済開放地区を中心として長い経済成長を続け、現在では中国と並んで経済成長の著しいBrazil(ブラジル)、Rosia(ロシア)、India(インド)そしてSouth africa(南アフリカ)とともに、BRICs(ブリクス)と呼ばれ、今後の更なる成長が期待できる国家群の1つとされています。

順調な経済成長の結果、2005年にはイタリア、2006年にはイギリス・フランス、2010年には日本を抜いて、現在では「世界第2位の経済大国」として知られています。

 

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2015年7月の上海ショック

さて、このように順調に見える中国経済でしたが、2015年7月に上海株式市場の暴落とも言える急激な下落に襲われます。

上海市場_株価推移

出典:上海総合:海外指数 - Yahoo!ファイナンス

 

前月まで順調に推移していた上海総合指数ですが、政府による株取引規制の噂が発端となってパニック売りがはじまった7月に入り、4割近く下げる急落を記録したことにより、ギリシャのユーロ離脱問題で表面化していた世界経済の不安定化に、一層の拍車をかけることとなりました。

また、株価急落をきっかけとして、経済活動の停滞も表面化しはじめ、2015年9月の最新の統計発表では、前年割れの数字が連続するなど、先行きに不安感が強まっています。

 

中国経済の変調はどのような影響があるのか

中国経済が減速することで、世界経済にどのような影響があるのでしょうか。

現在の中国は、アメリカに次ぐ世界第2位の経済規模を持つ国であるため、中国経済が停滞すると、そのまま世界経済の停滞へと繋がりかねません。

2008年の世界金融危機では、金融緩和と好調を維持する中国経済を頼りにする2本柱で景気停滞から抜け出しましたが、仮に中国経済が停滞すると、今度こそ世界経済を支えてくれる国がいないのです。

 

株式市場の乱高下は、既に為替相場にも悪影響をもたらしています。

人民元/日本円(CNH/JPY)の直近半年の日足での為替レートを見てみると、株価急落と歩調を合わせるようにして元安が進んでいるのが分かります。

人民元_為替レート

出典:人民元/円 - FXレート・チャート - Yahoo!ファイナンス

 

アベノミクス政策の一環として大規模な金融緩和を行い、為替を円安方向に誘導して輸出拡大を目指している日本にとっては、「有事の円買い」はあまり好ましくない動きです。現在の米ドル/日本円(USD/JPY)の為替レートは、1ドル=120円前後で安定しているものの、有事の円買いが起こる予想されると、先行きに予断を許さなくなっています。

 

今回の変調は中国投資のチャンスなのか

気になるのは、今回の中国経済の変調がこれからの中国投資へのチャンスなのかどうかということです。

様々な統計指標では前年割れが続くものの、中国は世界の中でも確実な成長を続けている数少ない国の1つであり、今後の先行きに予断は許さないものの、既に世界第2位の経済大国である以上、資産の一部を振り分けないのは不自然と言えます。

人民元は変動相場制を導入しているものの、管理フロート制・通貨バスケット制度により変動の割合を極めて小さく収めている事実上の固定相場制を維持している独特の為替相場を構築している通貨のため、実際の投資には慎重な判断が必要となるでしょう。

 
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おわりに

これからの日本経済・世界経済を考えると、中国は是非とも投資しておきたい国の1つですが、他の主要国に比べると、投資にはより大きなリスクの伴う国であることも確かです。

人民元との通貨ペアを保有するときには、他の通貨を購入するとき以上に資金管理・リスク管理に注意して取引をするようにしましょう。

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