トランプ政権に追い風?逆風?2018年中間選挙の結果と影響は

トランプ政権への追い風?逆風?2018年中間選挙の結果とその影響は

2018年11月6日(日本時間7日未明)に投開票がおこなわれたアメリカの2018年中間選挙は、上院は共和党、下院は民主党が過半数を占めるねじれ体制となり、トランプ政権にとっては逆風が吹く結果となりました。

今回の中間選挙では、どのような点が争点とされたのでしょうか。一般的に中間選挙で注目されるポイントと合わせて振りかえってみましょう。

それまでの政策を判断する場である中間選挙

大統領職の任期の折り返しの中間選挙

中間選挙は、西暦偶数年の「選挙の日 (Election Day) 」に一般の投開票されるアメリカの上院・下院議員選挙などの公職選挙のうち、大統領選挙と重複しない年に実施される選挙を指します。大統領職の任期(4年)の半分(2年)が経過した年に投開票されるのが通例であることから、一般に「中間選挙」と呼ばれています。

投開票は11月第1月曜日の属する週の火曜日(選挙の日)に実施され、2018年中間選挙は、11月6日(日本時間11月7日未明)が投開票日となりました。

政策判断の場となる中間選挙

中間選挙は政権運営を判断する選挙の側面が強く、一般的に政権与党が議席を減らすケースがほとんどです。2000年代に入ってからの中間選挙で政権与党が上院・下院で議席を増やしたのは、9・11テロの翌年の2002年中間選挙までさかのぼる必要があります。

改選対象は下院議員全員と上院議員の3分の1

下院議員全員と上院議員の3分の1が改選対象となる中間選挙では、任期が満了した州知事や各自治体の公職に関する選挙、引退や死亡などで欠員が生じた非改選上院議員の補欠選挙も合わせて実施されます。

2018年中間選挙では、下院全議席と引退した上院議員2議席を含む35議席が改選対象となっています。また、アメリカ50州の7割ちかい36州では、州知事選挙も同時に投開票がおこなわれました。

2018年中間選挙の争点は?

「強いアメリカの復活」をかかげた経済政策

大規模減税と規制緩和により、株価指数(NYダウとS&P500)は2018年にかけて過去最高値を連日更新、失業率は18年ぶりの水準にまで改善するなど、アメリカ経済は空前の好景気が続いています。ロイター通信などが9月に実施した世論調査では、トランプ政権の経済政策を「支持する」と応えた人は50%と「支持しない」の42%を上回り、経済政策は好意的な評価を得ていることはトランプ政権にとって追い風です。

しかし、代表的な株価指数であるNYダウは10月に入って大きく落ち込んで2018年の上げ幅を全て失い、一方的な関税導入に対する報復関税や輸入品の値上がりといった“副作用”が表面化するなど、経済にもあやしい雲行きが立ち込めはじめています。

アメとムチで「アメリカ第一」を実現する外交政策

トランプ政権は史上初となる朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)との二国間首脳会談や在イスラエル大使館のエルサレム移転をはじめ、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)やパリ協定からの離脱など、歴代アメリカ政権が主導してきた国際協調とは異なる外交政策を打ち出しています。

グローバル社会のリーダーとして国際協調の旗振り役だった従来のアメリカの外交政策からの転換をいとわず、アメリカ第一を掲げて外交政策を進めてきたトランプ政権の外交方針が評価されるかも、中間選挙の争点として注目されました。

トランプ政権にとっては予想通りだった?2018年中間選挙

事前予想通りとなった2018年中間選挙の結果

本人にもサプライズだったとうわさされるほど劇的だったトランプ政権の誕生から早くも2年。トランプ政権が導入してきた政策は、良くも悪くも国際協調を前提としていた現代社会に大きく影響を与えてきました。

その結果を踏まえた最初のアメリカ国政選挙である2018年中間選挙は、事前の予想通りに共和党が上院100議席のうち51議席を占め、民主党が下院435議席のうち222議席の多数派となるねじれ体制となりました。これにより、これまで強い反発を受けながらも望むまま政策を進めてきたトランプ政権に一定の歯止めがかかり、これまでのアメリカ一国主義的な政策からの方針転換を余儀なくされると見られています。

トランプ大統領本人は肯定的に受け止めている?

今回の選挙結果は今後の政権運営にネガティブな影響を与えると予想されていますが、トランプ大統領本人は比較的肯定的に受け止めているようです。

投票結果の大勢が明らかになった直後に

“Tremendous success tonight. Thank you to all!(今夜の大勝利に。ありがとう諸君!)”

とツイートし、投票結果がほぼ確定したあとには

“Received so many Congratulations from so many on our Big Victory last night, including from foreign nations (friends) that were waiting me out, and hoping, on Trade Deals. Now we can all get back to work and get things done!(昨夜の勝利に祝電がたくさん来た。貿易交渉で私の復帰を待っていた(友好)国からも来ている。ようやく皆、仕事を片付けに戻れる!)”

と、投票結果を肯定的に受け止めるツイートをしています。また、記者会見では民主党に対して協力を求めるなど、一定の歩み寄りを見せています。

ただ、記者会見中でもいわゆる「ロシアゲート」や自身の財務状況に関する調査にくぎを刺すなど、自身に敵対的な出来事や行為に対しては敏感になっていることから、表面的な協調関係がいつまで続くかは気になるポイントと言えます。

おわりに

2018年中間選挙の結果により、今後のトランプ政権の運営はより難しくなると言われています。トランプ政権が、どのような政策を導入するのかは、これまでと同様に世界の政治・経済に大きく影響することから、その内容にはやはり要注目と言えそうです。

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