伊勢志摩サミット(主要国首脳会議)とFXへの影響

伊勢志摩サミット(主要国首脳会議)の開催と為替への影響
 

5月26日と27日に三重県の伊勢志摩で主要7カ国の首脳が一同に会する「主要国首脳会議(サミット)」が開催されます。

発表される声明が政治・経済に大きな影響を及ぼすこともあるサミットですが、今回のサミットは減速が鮮明な世界経済や乱高下が続く外国為替市場に対して、どのような影響を及ぼすのでしょうか。

今回はサミットの成り立ちと概要、今回開催される伊勢志摩サミットによる経済や為替に与える影響について見てみましょう。

 

G7サミットとはなにか

そもそも「サミット」は、どのような経緯で設立されたのでしょうか。

 

1970年代に入るとニクソン・ショック(ドルの切り下げ)や第1次石油危機などの諸問題に直面したことで、先進諸国の間に世界の政治・経済の諸問題について首脳レベルで総合的に議論する場が必要であるとの認識が生まれ、フランスのデスタン大統領が呼びかけにより1975年にパリ郊外のランブイエ城において開催されたのが、第1回の首脳会議(ランブイエサミット)です。

ランブイエサミットには日本、アメリカ、イギリス、フランス、西ドイツ(ドイツ)、イタリアの6か国の首脳が参加、次回開催の1976年のプエルトリコサミットからはカナダが参加したことでG7となり、1977年のロンドンサミットから欧州共同体(現:欧州連合)の欧州委員会委員長が参加するようになりました。

 

冷戦体制中は西側の主要国首脳会議であったサミットですが、ソ連の改革開放による緊張緩和をきっかけに、1991年のロンドンサミットからソ連(現・ロシア)との会合がサミットの枠外ではじまりました。

2003年のエビアンサミットでロシアがサミットの全日程に完全に参加したことで、それまでのG7(先進7カ国首脳会議)からG8(主要国首脳会議)に拡大されて定着します。

しかし2014年3月のロシアによるクリミア併合に端を発するウクライナの主権と領土の侵害を受けて緊急開催されたG7会合で、「ロシアがウクライナ侵攻を停止するまで、ロシアのG8への参加を停止」することが決定され、現在はG8から再びG7に縮小して開催されています。

 

今回の伊勢志摩サミットは、前回の2008年の洞爺湖サミットから9年ぶりに日本で開催されるサミットであり、2016年3月に開催されたG20杭州サミットに続く国際的な政治会合として注目されています。

 
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伊勢志摩サミットと経済・為替への影響

2016年4月から日本各地で各国閣僚による関連会合がおこなわれている伊勢志摩サミットは、世界経済と外国為替市場にどのような影響があると考えられているのでしょうか。

 

伊勢志摩サミットでの主要議題

世界の様々な問題について主要国首脳が議論と解決策を話しあうサミットでは、重点的に討論の対象となるテーマが設定されます。

 

今回の伊勢志摩サミットでは、

  • 世界経済・貿易
  • 政治・外交問題
  • 気候変動・エネルギー問題

をはじめとする7つのテーマが閣僚会合や首脳会議の場で集中的に議論されることが公表されています。

 

特に世界経済・貿易に関するセッションは、新興国経済の減速や原油価格の急激な下落と低迷、貿易の減退など減速が明らかになっている世界経済に前向きなメッセージを発信することを目指しています。

 

加熱する通貨安競争への懸念と国際協調の可能性

世界経済・貿易に関するメッセージの中でも特に注目したいのが、加熱する通貨安競争に対する声明や、何らかの対策の立案や実行です。

 

グローバル化した現代社会では、多くの国が自国企業の業績拡大による税収増加や雇用増加を狙い自国通貨安を誘導していますが、それにより通貨安競争が激化することで健全な貿易の妨げとなっています。

そのため、伊勢志摩サミットでは加熱する一方の通貨安競争に対して、主要国首脳による何らかの声明や対策の立案・実行が期待されています。

 

サミットに合わせた消費税引き上げ再延期の可能性

伊勢志摩サミットの開催に合わせて国内経済で注目されているのが、2017年4月に予定されている消費税引き上げの再延期の可能性です。

 

既に2015年10月の消費税10%への引き上げを2017年4月に先送りにして、「リーマン・ショックや東日本大震災クラスの出来事がなければ、予定通り実施する」としていますが、世界経済・日本経済の減速が鮮明になっていることや、4月に発生した熊本地震の影響などにより、消費税引き上げの再延期を決定したとも報じられています。

 

安倍晋三首相は13日、2017年4月に予定する消費税率10%への引き上げを再び延期する方針を固めた。国内外の経済に先行き不透明感が広がるなか、4月の熊本地震による景気への影響も出ている。増税すれば政権の最重要課題であるデフレ脱却がさらに遠のくと判断した。今月26~27日に開く主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)の議論などを踏まえて表明する見通しだ。

出典:首相、消費増税先送り 地震・景気に配慮:日本経済新聞
 

直後にこの報道の内容を否定する談話があったために真偽については不明ですが、その後も延期について検討もしくは決定したという報道が各紙から続いているため、再延期の可能性は否定しきれていません。

 

おわりに

政治・経済に大きな影響を与える主要国の首脳・閣僚が一同に会して重要な課題に関して集中的な議論をおこなうサミットは、低迷する株式・為替に大きな影響を与えることが予想されます。

今回の伊勢志摩サミットも、世界経済の減速に対する対策や、消費税引き上げの再延期など、株式・為替に何らかの影響を与える可能性が大きいトピックが控えているため、相場の急変に対応できるポジションを準備しておく必要がありそうです。

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