G20成都(チェンドゥ)会議と共同声明の内容

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2016年7月23日と24日の2日間に渡って中国・成都(チェンドゥ)で開催されていたG20(ジートウェンティ)財務相・中央銀行総裁会議が閉幕し、共同声明が採択されました。

2016年9月に開催されるG20杭州サミット前の最後の会議であるG20成都会議では、どのような合意に達したのでしょうか。今回はG20の概要の振りかえりと、採択された共同声明のポイントとなる部分を見てみましょう。

 

主要国と新興国の財政・金融の責任者が一堂に会するG20

"Group of Twenty"の略称であるG20は、主要国首脳会議(サミット)参加国と欧州連合(EU)、新興経済国を合わせた20の国と地域によって構成されるワーキンググループです。

今回の共同声明の内容を詳しく見る前に、G20の成り立ちと加盟国、その影響の大きさを見てみましょう。

 

G20の成り立ち

G20が成立する直接のきっかけとして、1999年6月にドイツ・ケルンで開催された主要国首脳会議(サミット)と合わせて開催された財務大臣会議での合意があげられます。

 

それまでアメリカをはじめとする主要国は、定期的に開催される主要国首脳会議(サミット)に合わせて財務大臣・中央銀行総裁会議を開き、採択された共同声明は世界経済に大きく作用していました。

しかしケルンサミットに前後して発生したアジア通貨危機により、主要国間の取り決めだけでは世界経済への危機に対応しきれないことが明らかになります。

このような新興国発の経済・金融危機にも柔軟に対処するため、サミット参加国に加えて国際金融市場にアクセスできる新興国も参加する包括的な会議として、G20の創設が決定されました。

 

20カ国が参加国となったG20は1999年に発足し、定期的に20か国・地域財務大臣・中央銀行総裁会議を開催し、世界経済に関する様々なリスクについて議論しています。

G20の特徴として、財務大臣・中央銀行総裁会議と合わせて国際通貨基金(IMF)や世界銀行(WB)、欧州中央銀行(ECB)など、関係機関も参加・会合を開いていることがあげられます。

 

G20の参加国

G20に参加している国と地域を見てみると、

  • 北米…アメリカ、カナダ、メキシコ
  • 南米…アルゼンチン、ブラジル
  • ヨーロッパ…EU、イギリス、イタリア、ドイツ、フランス、ロシア
  • アフリカ…南アフリカ
  • 中東…サウジアラビア、トルコ

となります。

 

G20に参加する国と地域を単純に合算すると、GDPの9割、貿易額の8割にもなり、世界の人口の6割を占めるため、世界経済に与える影響が特に大きいことで知られています。

 

今回のG20会議で採択された共同声明のポイント

今回のG20会議は、2016年9月に中国・杭州(ハンジョウ)で予定されているG20首脳会議前の最後の財務相・中央銀行総裁会議です。

今回の共同声明では、「世界経済の成長を支えるために金融、財政、構造改革の政策を各国が個別に総動員する」ことが採択されました。

共同声明の中から、注目したいポイントについて見てみましょう。

 

世界経済に下方リスク、円滑な英離脱交渉を期待

今回のG20は、英国のEU離脱(ブレグジット)の決定後にはじめて開かれた国際会議であり、ブレグジットが世界経済や金融市場に及ぼす影響に関心が集まりました。

共同声明では世界経済の現状を「回復は続いているが、望ましい水準よりも弱く、下方リスクは根強く」、ブレグジットによって「不確実性を増している」と警戒感を強めました。

イギリスのハモンド財務相はEUとの交渉の進め方が明確になれば不透明感は「年内にも緩和される」との見通しを示しました。

合わせて声明では、G20各国がブレグジットによる影響に対処する態勢を整えていることを強調。

「イギリスがEUの緊密なパートナーである」ことと、今後のイギリスとEUの交渉が円滑に進むことに期待感が表明されました。

 

しかしブレグジットをめぐる問題は、しばらくの間世界経済のリスクとして意識されることは否定できません。

そのため各国が持続的な成長に向けて金融、財政、構造改革という政策手段を「個別または総合的に用いる」ことも合わせて再確認されました。

 

日本が主張した為替安定の重要性

為替に関しては、4月にワシントンで開催された前回のG20会議で採択された「為替レートの過度の変動や無秩序な動きは、経済および金融の安定に悪影響を与える」とする従来方針を踏襲しました。

同時に会議では、通貨の競争的な切り下げ回避や、競争力強化のために為替レートを目標としないことも再確認されました。

 

鉄鋼の過剰生産、世界的な課題

ブレグジットと為替の問題と並んで注目されたのが、中国を念頭に置いた過剰設備を抱える産業などの過剰生産の問題です。

この問題に対しては、G20の鉄鋼生産国が経済協力開発機構(OECD)鉄鋼委員会に参加することをはじめ、「国際社会の行動に参加する」ことを明記しました。

 
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おわりに

今回のG20成都会議では、ブレグジットや通貨安競争などを念頭に、各国が金融、財政、構造改革の政策を個別に総動員する従来方針が維持されました。

各国の今後の金融・財政政策は、要注目と言えそうです。

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