「アベノミクス」と外国為替証拠金取引(FX)の関係

アベノミクスとFXの関係

その内容や結果への評価は別にして、経済専門誌からゴシップ誌に至るまで、安倍晋三首相の打ちだした経済政策パッケージである「アベノミクス」の文字を見聞きしない日はないと言っても過言ではありません。

そんなアベノミクスは、外国為替市場に対してどのような影響を与えているのでしょうか。今回は、知っているようでしらないアベノミクスと外国為替証拠金取引(FX)の関係について見てみましょう。

経済政策パッケージ「アベノミクス」とはなにか?

政治・経済に関するキーワードは生活に大きな影響を与えるため、テレビ・新聞をはじめとするマスメディアで取りあげられることが多く、見聞きする機会の多いキーワードです。しかしその内容について詳しく説明できる人は、それほど多くないではないでしょうか。

ここでは最初に、安倍晋三首相の肝いりで進められている経済政策「アベノミクス」についてまとめてみましょう。

「3本の矢」で日本経済の復活をめざす「アベノミクス」

そもそもアベノミクスとは、

  • 大胆な金融政策
  • 機動的な財政政策
  • 民間投資を喚起する成長戦略

いわゆる「3本の矢」と呼ばれる3つ金融・経済政策を1つのパッケージとした金融・経済政策の総称です。

「強いアメリカ」政策によりベトナム戦争後の景気低迷から抜けだすことに成功したレーガン大統領の経済政策である「レーガノミクス」にあやかり、提唱者である安倍晋三首相(abe)の名前と経済政策(economics)を組みあわせた造語(abe + economics = abenomics)として名付けられました。

3本の矢として設定された金融・財政政策をそれぞれ詳しく見てみると、

大胆な金融政策

  • 2%のインフレ目標
  • 無制限の量的緩和
  • 円高の是正と、そのための円流動化
  • 日本銀行法改正
  • 政策金利のマイナス化(マイナス金利)

機動的な財政政策

  • 大規模な公共投資(国土強靱化)
  • 日本銀行を通じた建設国債の買い入れ・長期保有

民間投資を喚起する成長戦略

  • 「健康長寿社会」から創造される成長産業
  • 「日本版NIH(National Institutes of Health = 国立衛生研究所)」 
  • 全員参加の成長戦略
  • 世界に勝てる若者
  • 女性が輝く日本

などがあげられています。

アベノミクスでは様々な政策や規制緩和によってこれらの目標を実現することで、1990年代初頭のバブル経済崩壊から20年以上も続く景気低迷を抜けだすことを目指しています。

「3本の矢」のうち、漠然とした内容のまま終わった「民間投資を喚起する成長戦略」はともかく、「大胆な金融政策」と「機動的な財政政策」は、安倍首相の肝いりで就任した黒田東彦(くろだ・はるひこ)日本銀行総裁により、2回に分けておこなわれました。

その内容から「黒田バズーカ」とも呼ばれた日本銀行の大胆な金融緩和は、特に日経平均株価に好影響を与え、7千円台を低迷していた日経平均株価は2万円をうかがう水準まで回復しました。

 
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アベノミクスの成果と外国為替証拠金取引(FX)への影響

アベノミクスとFXの関係
「大胆な金融政策」と「機動的な財政政策」、「民間投資を喚起する成長戦略」の「3本の矢」からなるアベノミクスですが、その効果はどのようなものだったのでしょうか。

リーマン・ショック前である2006年から直近の日経平均株価と米ドル/日本円(USD/JPY)の為替レートの推移でその影響を見てみましょう。

為替

リーマンショック以降、徐々に円高が進行していますが、2009年の民主党・鳩山政権の成立と前後して円高傾向はより顕著になり、2011年9月に史上最高値となる1ドル = 79円台を記録します。

その後、2012年12月の自民党・第二次安倍内閣の成立と前後して、トレンドは円高から円安に転換し、2015年8月には1ドル = 125円台を記録しましたが、その後は世界経済の減速に影響されて再び円安傾向が強まり、現在は1ドル = 120円台で推移しています。

株価

アベノミクスの恩恵をもっとも受けたのが、日経平均株価と言えるでしょう。

 

2007年から徐々に表面化していた世界金融危機により、日経平均株価は2008年10月にバブル経済崩壊後の最安値となる7162円90銭を記録するなど、記録的な低迷が続いていました。

2009年からの民主党政権下でも1万円台の上回ることはありませんでしたが、2012年12月の第二次安倍内閣の成立と前後して上昇カーブを描き、2015年2月には2万円を突破しました。

その後の日経平均株価は世界経済の減速の影響を受けて右肩下がりであり、2015年8月の急落以降、最高値の更新は途絶えています。

これからアベノミクスにのるべきかどうか

ここまで株価と為替レートの推移を見ると考えるのは、これからでも日本経済の復活を目指すアベノミクスにのるべきかどうか? ということです。

日経平均株価や米ドル/日本円(USD/JPY)の為替レートや、様々な経済指標を見る限りでは、日本経済がデフレから抜け出しつつあり、アベノミクスに期待できると言えそうです。

しかし世界経済の一体化が進んでグローバル経済に組み込まれている現代では、日本だけが一人勝ちをするのはとても難しいことも事実です。

 

2015年6月から7月にかけてのヨーロッパのギリシャのユーロ離脱をめぐるすったもんだと、中国の上海株式市場の急落により、世界経済の減速が明らかになると、順調に推移していた株式・為替に大きな影響がありました。

これまでは世界経済に大きな不安要因がなかったため、国内の経済政策に集中することができました。これからは国内だけではなく世界経済の動向を踏まえつつ経済政策を導入するという、より難しい舵取りが迫られます。

おわりに

アベノミクスに乗るにせよ乗らないにせよ、最終的に判断を下すのはこのコラムを読んでいるあなた自身です。

何度も繰り返していることですが、「リスク管理」と「資金管理」を念頭においた上で、細心の注意を払って余裕を持って取引をはじめるようにするべきでしょう。

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