FRBの追加利上げ決定の影響と2017年の利上げ見通しは?

FRBの追加利上げ決定の影響と2017年の利上げ見通しは?

米連邦準備制度理事会(FRB)は14日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、1年ぶりとなる政策金利の引き上げを決定。同時に2017年の利上げ回数の見通しを2回から3回に引き上げました。今回の追加利上げと来年の経済見通しは、外国為替市場にどのように影響するのでしょうか。

決定された利上げの内容と12月会合時点での経済見通し

今回の決定は全会一致で決定され、政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標の水準を15日付けで0.25%引き上げ、0.5%から0.75%としています。会合終了後のイエレンFRB議長の会見では、量的緩和政策(Quantitative Easing policy = QE)で拡大したバランスシートの縮小やトランプ次期大統領の政策についても言及。

特にバランスシートの縮小について、「何年もかかるだろうが、うまくいけば、バランスシートはいずれ現行水準よりかなり小さくなる」と楽観的な見通しを示しています。

イエレンFRB議長の会見から探る2017年の利上げ方針

会合終了後のイエレンFRB議長の会見では、今後のアメリカ経済の見通しやFRBの金融政策の方向性、トランプ次期大統領とFRBとの関係など、今後を予測する材料となる会見でした。ロイター通信が報じた会見要旨から、FRBの金融政策に関するトピックを見てみましょう。

<バランスシートの縮小時期>

バランスシートの縮小を開始するにあたり、適切といえるフェデラルファンド(FF)金利水準はどこかといった機械的なルールは存在しない。またFF金利の水準だけでなく、経済のモメンタムや経済の下振れリスクなども考慮しながら縮小を決める。この問題に関してわれわれはまだ決定を下していないが、ずっと前から検討を重ねている。縮小には何年もかかるだろうが、うまくいけば、バランスシートはいずれ現行水準よりかなり小さくなる見通しだ。

<高圧経済が望ましいと言ったことない>

高圧経済の運営を選好すると言ったことはない。過去分も含め、FRB当局者の経済見通しに目を向ければ、失業率は数年にわたり、長期的に正常と判断される水準をやや下回ると見込まれているが分かる。これは純粋にインフレ率がわれわれの目標に到達していないという点に基づき適切な政策だ。2%のインフレ目標を上回ることも望まないが、一方で目標を下回る状況が続くことも望んでいない。だが過熱気味の経済運営を実験的に行うことを推奨しないと明言する。

<FRB、後手に回らず>

インフレ率を急速に押し上げる可能性があり、極端な労働力不足を示す、非常に著しい労働力ひっ迫の兆候はみられない。インフレは依然として、われわれの目標を下回っている。したがって、われわれが後手に回ったと判断していない。目標達成へ良好な軌道にあると判断している。ただ当然のことながら、見通しは不透明だ。

<緩和度合いは「緩やか」>

緩和の度合いとしては「緩やか(moderate)」であると認識している。フェデラルファンド(FF)金利の中立水準もかなり低いと現時点で判断している。したがって一定の緩和が存在する。われわれはインフレ率がFRB目標を依然下回っていることを忘れるべきでない。

<利上げは経済に対する信認>

われわれが利上げを決定したことは、これまでに見られた経済の進展に対するわれわれの信頼感、およびこうした進展が続くとのわれわれの判断を反映していると理解されるべきだ。利上げは経済に対する信認である。

<利上げの道筋の「控えめ」な調整について>

フェデラルファンド(FF)金利の道筋の調整は非常に控えめなもので、参加者数人の変更が関与しているのみだった。すべての参加者でなく、参加者数人が財政政策の何らかの変更を加味した。これが要因となった可能性がある。

出典:イエレン米FRB議長の会見要旨|ロイター

追加利上げ決定を受けて急落したドル/円相場

追加利上げの決定と2017年の利上げ回数の引き上げの見通しを受けて、ニューヨーク外国為替市場ではアメリカ大統領選挙から続くドル買い・円売りが加速。米ドル/日本円(USD/JPY)は約10カ月ぶりの円安水準となる1ドル = 117円台まで下落しました。

おわりに

1年ぶりとなった追加利上げの実施や2017年の利上げ回数見通しの引き上げなど、アメリカは着実な景気回復を背景としたテーパリング(緩和逓減)を探っているのに対して、日本はアベノミクスによる金融緩和政策を更に拡大、その終了の目処も立たない状況です。日本はこれからどのような金融政策を取るのか、その動向には要注目と言えるでしょう。

参考サイト

このコラムに関連する記事

チェックリスト: 0 件
開く
全クリア
TOP