史上最大の情報流出「パナマ文書」とFX・外国為替への影響

史上最大の情報流出「パナマ文書」とFX・外国為替への影響

存在が明らかになってから、テレビや新聞、インターネットなどのメディアを騒がせているのが、史上最大の情報流出事件と言われる「パナマ文書」です。

その名前を耳にしない日はないものの、その全体像に関する報道はそれほど多くなく、断片的な内容の報道にとどまります。パナマ文書の概要とその影響、FX・外国為替への影響を見てみましょう。

史上最大の情報流出「パナマ文書」とはなにか

話題になっている「パナマ文書」とは、パナマの法律事務所「モサック・フォンセカ (Mossack Fonseca)」が作成した、1970年代から2016年春までのオフショア取引に関わるさまざまな機密文書の通称です。

パナマ文書は電子メールからPDFファイル、写真までその内容は多岐にわたり、総件数は1150万件、ファイルサイズにして2.6テラバイト(TB)にもなり、過去の著名な情報流出事件であるウィキリークス(2010年:1.7ギガバイト(GB))やオフショア・リークス(2013年:260GB)を上回り、史上最大の情報流出事件と言われています。

パナマ文書はなぜ問題となっているのか

その全容が明らかになっていない現時点でも世界中の注目を集めるパナマ文書ですが、これほどまでに注目される理由はどこにあるのでしょうか。その理由を見てみましょう。

オフショアセンターとタックスヘイブン(租税回避地)の微妙な関係

パナマ文書が公表されたことによりにわかに注目を集めているのが、国際金融の盲点とも言える「オフショアセンター」の存在と「タックスヘイブン(租税回避地)」の問題です。

租税・規制緩和により国際金融センターとしての役割を果たし、個人や企業の国際取引を円滑にすることを目的とするオフショアセンターですが、パナマ文書により一部の企業や個人の「タックスヘイブン(租税回避地)」となっている現状が明らかになりました。

オフショアセンターによる企業の課税回避や脱税・蓄財

パナマ文書により、首脳クラスの政治家や著名人、有力企業がパナマをオフショアセンターとして利用していることが明らかになりましたが、本来の目的であれば、道義的な疑問は残りますが法的に問題とは言えません。しかし、一部の個人や企業はパナマをオフショアセンターではなくタックスヘイブン(租税回避地)として利用することで、課税回避や脱税・蓄財をしていたことが明らかになりました。

オフショアセンターをタックスヘイブン(租税回避地)とすることは、政治家の汚職や企業の不正取引だけにとどまらず、国際テロ組織の取引の隠れみのとして使われることも考えられるため、国際社会の安全の重大な脅威にもつながるため、注目を集めているのです。

個人・企業の脱税や不正蓄財、国際社会の脅威の可能性

史上最大の情報流出事件であるパナマ文書は、その莫大(ばくだい)な文書量から世界中の報道機関・ジャーナリストによる調査がおこなわれています。その全容はいまだに明らかになっていませんが、その影響は既に多岐にわたって広がっています。

今後のさらなる調査の進展によっては、オフショアセンターの仕組みを利用した国際テロ組織の取引などが出てくる可能性もあり、個人・企業による課税・規制逃れだけではなく、国際社会の安全に対する重大な脅威という面でも注目されつつあります。

パナマ文書は為替にどのような影響を与えているのか

金融面だけではなく国際社会の安全に対する脅威という面でも注目を集めつつあるパナマ文書ですが、為替に対してはどのような影響を与えるのでしょうか。

直近1カ月の米ドル/日本円(USD/JPY)と、ユーロ/日本円(EUR/JPY)の値動きを見てみましょう。

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引用元:FOOREX RATE&CHART / 米ドル・円(日足)

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引用元:FOOREX RATE&CHART / ユーロ・円(日足)

パナマ文書が明るみに出たことで、ヨーロッパでは大規模な脱税疑惑が浮上し、パナマ文書は政治リスクとして急浮上しています。アメリカや日本での関心はあまり高くありません。

そのため、現時点ではパナマ文書リスクに対してユーロに比べると米ドルや日本円は相対的に安全通貨と見なされて、ゴールデンウィーク前後から続いているトレンドのまま推移しています。

今後の調査の進展によっては、アメリカや日本にも影響が及ぶ可能性は否定できませんが、現時点ではパナマ文書単独では日本での為替取引に大きなリスクとは言いにくいと考えられます。

おわりに

このようにパナマ文書の存在は、その全容解明がはじまったばかりの現時点でも国際社会に対して大きな影響を与えて、各国政府や企業はその対応に追われています。

為替への影響も考えられるパナマ文書に関するトピックは、今後も注目したい内容と言えそうです。

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