年内利上げはあるのか?FXに影響大なFOMCの2015年10月会合の内容を検証

FOMC10月_アイキャッチ

 

28日に2日間に渡って開催されたFOMC(Federal Open Market Committee =連邦公開市場委員会)会合が閉会し、アメリカ経済は力強さを増しているものの、既定の金融政策を継続して今回は利上げを見送り、次回会合で改めて利上げの是非を検討するという声明が発表されました。これを受けてNY株式市場は200ドル近い上昇を記録するなど、会合の内容をひとまず高材料とする動きが見られました。

今回はFOMC会合の内容と、為替・株式市場への影響を見てみましょう。

 

今回会合の決定内容とFRB議長の発言要旨

ロイター電が今回のFOMC会合の決定内容と声明文をまとめているので、ここから引用して今回のFOMC会合の内容を確認してみましょう。

 

決定内容

今回の声明内容の主なトピックは、FFレート(フェデラルファンドレート)を現行のままゼロから0.25%の間に据え置くゼロ金利政策を継続するとしたことです。

家計支出と企業設備投資はここ数ヶ月で確実な速度で増え、懸案だった住宅部門も一段と改善しました。しかし純輸出は軟調であったことや、就業者数の増加ペースは鈍化したことなどから、引き続きゼロ金利政策の継続が決定されました。

 

イエレンFRB議長の会見要旨

最大雇用と物価安定に向けて続く進展を支えるため、委員会は本日、現行のゼロから0.25%というフェデラルファンド(FF)金利の目標誘導レンジが適切であるとの見解を再確認した。

この目標誘導レンジを次回の会合で(at its next meeting)引き上げることが適切かどうかを決めるに当たって、委員会は最大雇用とインフレ率2%の目標に向けた進展について実績と予測の両方を評価する。

この評価は、労働市場の状況に関する指標、インフレ圧力やインフレ期待の指標、金融動向や国際情勢の解釈を含む幅広い情報を考慮する。

委員会は、労働市場のさらにいくらかの改善を確認し(has seen some further improvement)、中期的にインフレ率が2%目標に向かって戻るとの合理的な確信が持てた(is reasonably confident)時に、FF金利の目標誘導レンジを引き上げることが適切になると予測する。

出典:米FOMC声明全文|Reuters

 

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市場の反応

今回のFOMC声明を受けての市場の反応はどのようなものだったのでしょうか。声明発表後のアメリカ・ニューヨーク市場の為替・株式の値動きを見てみましょう。

ちなみに、FOMC声明発表はアメリカ東部時間の午後2時だったため、その前後から値動きが急になっています。

 

為替

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出典:Yahoo!ファイナンス - ユーロ/アメリカドル(EUR/USD)

 

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出典:Yahoo!ファイナンス - イギリスポンド/アメリカドル(GBP/USD)

 

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出典:Yahoo!ファイナンス - アメリカドル/日本円(USD/JPY)

 

声明発表直後からドルはユーロやイギリスポンドを始めとする各主要通貨に対して高くなりましたが、唯一日本円に対してはドル安としてあらわれています。

 

株式

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出典:Yahoo!ファイナンス - NYダウ

 

株式市場は前日終値から198ドル高い17,779ドル52セントを記録して終わりましたが、声明発表直後は200ドル近く下げるなど、荒れ模様の相場となりました。

28日の値動きを見てみると、為替・株式とも年内利上げの実施を警戒しつつも、ひとまず今回の声明をよい材料としてドル高・株高につながったようです。

 

年内利上げは本当に実施されるのか?

声明発表による短期的な影響も気になりますが、より気になるのは長期的な影響がある利上げの実施時期です。

声明文にもあるように、次回会合で労働市場の状況に関する指標、インフレ圧力やインフレ期待の指標、金融動向や国際情勢の解釈を含む幅広い情報を検討して、中期的にインフレ率が2%目標に向かって戻るとの合理的な確信が持てたときに利上げ実施を行うとしています。

アメリカ経済は順調に推移していますが、ECBドラギ総裁が次回会合での追加緩和を示唆や中国人民銀行が今年6回目の利下げ、日銀の3度目の金融緩和の可能性など、各国の金融政策は再び緩和の方向に進んでいます。次回会合で利上げが決定・実施する意図は強いものの、情勢的には厳しいものがあるかもしれません。

 

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おわりに

アメリカ経済だけを見ると比較的順調に成長しているため、FRB内部では利上げをしようとする意図は強いようですが、世界経済が冷え込みつつあるため、利上げの余地があるかは予断を許しません。

次回会合の内容は要注目と言えそうです。

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