背景にはなにがある?トルコリラの長期低迷傾向とその原因

背景にはなにがある?トルコリラの長期低迷傾向とその原因

高いスワップポイントで一部のFXトレーダーに人気の通貨「トルコリラ(TRY)」ですが、トルコ経済の先行き不透明感から下落が続いています。物価高騰や後手に回る金融政策、格付けの引き下げなど、国内外にさまざまなリスク要因を抱えるトルコの政治・経済の先行きはどうなるのでしょうか。

今回は、トルコの政治・経済の現在の状況の大まかなまとめと格付け引き下げ、政治・経済の不透明感がトルコリラに与える影響を見てみましょう。

不透明感の強いトルコの政治・経済とS&Pの格付け引き下げ

政治・経済の不透明さ

トルコ経済は強いインフレにより物価高騰が続く一方、財政赤字が膨らみ経済環境が不安定さを増していることから、通貨リラが対ドルで最安値を付けるなど変動率(ボラティリティ)が高まり、経済面での不安定さが金融に対して影響を与えています。

また、政治面でも2016年夏のクーデター未遂により不透明感が高まり、2017年4月の国民投票で憲法改正案が可決されたことでいったん後退したものの、その後の隣国シリアの内戦激化による地政学リスクの高まりやトランプ大統領の就任によるアメリカとの関係悪化の懸念を背景に、再び不透明感が強まっていると伝えられています。

後手にまわる金融政策もマイナスの影響

利下げを求める政治的圧力がかかる中、2018年4月にトルコ中央銀行は政策金利にあたる後期流動性貸出金利を13.50%へ引き上げましたが、その後に発表された消費者物価上昇率が市場予想を上回ったことで、金融政策が後手に回っているとの見方が広まり、トルコリラの下落傾向に拍車をかけています。

外貨建て・自国通貨建てともに1段階の引き下げ

トルコの政治・経済の不透明感が長引いているから、格付け会社のS&Pグローバル・レーティングは2018年5月にトルコ国債の格付け引き下げを発表しました。

外貨建て長期債務格付けは投機的とされる「ダブルB」から「ダブルBマイナス」、自国通貨建て長期債務格付けは「ダブルBプラス」から「ダブルB」に、それぞれ1段階ずつ引き下げられています。

中長期の見通しは据え置きもさらなる引き下げの可能性も

外貨建て・自国通貨建ての両方で1段階の格付け引き下げがおこなわれましたが、経済的な不安定さが増す一方、政府債務の水準は依然として低水準であることから、中長期的な格付け見通しは「安定的」に据え置かれました。

しかし、多くの対外債務を抱える民間部門の脆弱性が増していることから、対外的な資金調達環境の一段の悪化やトルコリラの下落が続けば、さらなる格付け引き下げの可能性について言及しています。

トルコリラとの通貨ペアを提供するFXサービス

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スワップポイントが魅力のトルコリラ

高い政策金利を背景とする高スワップポイントが魅力

トルコリラは高い政策金利を背景とする高いスワップポイントが魅力であり、南アフリカランドやメキシコペソ、オーストラリアドルと並んで人気の高金利通貨の1つです。

少額の資金でも投資できる

トルコリラは2010年ごろの1トルコリラ=60円台を頂点に、2018年5月時点で1トルコリラ=約25円台と長期低下傾向にあり、いわゆるメジャーカレンシーと比べて割安な為替レートで推移しています。

このため、必要な証拠金は他通貨ペアに比べて圧倒的に少なく済み、資金面で余裕を持って取引できるのもトルコリラの魅力といえるでしょう。

流動性の低さはネック

高いスワップポイントと少額の資金で投資できるトルコリラは、外国為替市場での取引高が小さいため、流動性に劣るというデメリットがあります。そのため、海外の外国為替市場が休場のときには、スプレッドが大きく広がる、取引が成立しない可能性が大きくなります。

トルコリラを含む通貨ペアを取引するときには、メジャーカレンシーの通貨ペアを取引するとき以上にリスク管理に注意する必要があります。

おわりに

トルコの政治・経済の不透明感から先行きが危ぶまれているトルコ経済を反映するように、トルコリラは2010年ごろを頂点とする長期低迷傾向が続いています。

高いスワップポイントからトルコリラとの通貨ペアを提供するFXサービスは少しずつ増えていますが、今後取引に導入するのであれば、リスクを把握することが欠かせないと言えそうです。

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