ブレグジットに影響大?イギリス首相、総選挙前倒し実施を表明

ブレグジットに影響大?イギリス首相、総選挙前倒し実施を表明

政治・経済の両面でサプライズが続いた2016年のイベントの中でも、最大級の衝撃となったイギリスの欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)成立に、新たな問題が生じました。

2017年4月18日、イギリスのテリーザ・メイ首相は緊急の記者会見で「国民に信を問う」として総選挙を事前の予測より前倒しして、2017年6月8日に実施することを発表しました。

既にブレグジットの事前協議に入っていたヨーロッパ連合(EU)をはじめとする関係各国に再びのサプライズとなったこの声明は、ブレグジット実現に向けた交渉や、外国為替市場にどう影響したのでしょうか。

2016年のサプライズとなったイギリスのEU離脱(ブレグジット)

今回の総選挙の前倒し実施の影響を見る前に、遠因であるイギリスのEU離脱(ブレグジット)がどのようなものかを振りかえってみましょう。

1990年代はじめに冷戦体制が崩壊したことで旧ソ連諸国(旧東側)は次々と独立、イギリスやフランス、ドイツなどかつての敵対国(旧西側)と政治的・経済的な結び付きを強め、出稼ぎ労働者を送り出して貴重な外貨を稼ぐ手段としていました。

この状況が長く続いたことで、低所得者層が出稼ぎ労働者に仕事を奪われたことによる不満や2011年に起きた中東諸国で民主化を求める「アラブの春」による難民の大量流入による治安悪化を招き、融和的な政策を取るヨーロッパ連合(EU)への反発に繋がったことでEU離脱の是非を問う国民投票へとつながりました。

2016年6月23日におこなわれた投票では、投票率72%と高い投票率を記録、残留支持が約48%の約1614万 票、離脱支持が約52%の約1741万票という僅差で離脱支持側の勝利となりました。

この投票結果により残留を主張していたデーヴィッド・キャメロン首相は引責辞任、後任のテリーザ・メイ内務大臣がブレグジットの実交渉を担うこととなりました。

基盤固めを狙う?メイ首相の解散総選挙の決断

2017年に入るとイギリスとEUは、各種事前通知や具体的な内容を決める事前交渉など、ブレグジットの実現に向けて動きはじめました。

ブレグジットの実現に向けた動きが本格化する中で、メイ首相は4月18日の閣議終了後に緊急の記者会見を開き、「It was with reluctance that I decided the country needs this election, but it is with strong conviction that I say it is necessary to secure the strong and stable leadership the country needs to see us through Brexit and beyond(不本意ながら総選挙が必要と決断したが、EU離脱後も見据えた強固で安定したイギリスの統率力を確立に必要と確信している)」として、6月8日に総選挙を前倒しして実施する意向を明らかにしました。

この決定の背景には、与党・保守党の党首選挙だけで首相に就任したメイ首相本人の信任が度々問われ、具体的な協議を優位に進めるためにも与党・保守党および首相自身への支持を国民に問うことが必要と判断したことがあると報じられています。

従来メイ首相自身は総選挙の実施に否定的と言われていましたが、世論調査で保守党が支持を集めていることや景気が底堅いなど追い風が吹いていることを背景に、国民の信をあらためて問うことで首相としての立場を固める狙いもあるようです。

総選挙実施の法案は野党・労働党も選挙実施に賛成していることから、承認に必要な議会の3分の2以上の賛成は確実な情勢と見られています。

全ての通貨に対して大きく動いた英ポンド

緊急記者会見と総選挙の前倒し実施の発表により、ロンドン外国為替市場での英ポンドの為替レートは米ドルやユーロ、日本円といった全ての主要通貨に対して大きく動きました。それぞれの通貨の値動きを見てみましょう。

対米ドル・対日本円に対しては大きく上昇

記者会見直後から英ポンドは米ドルに対して大きく上昇し、一時1ポンド = 1.27ドル台と2016年12月以来のポンド高・ドル安を記録。総選挙になれば与党・保守党勝利により政権運営が安定するとの見方が強く、ポンド買いを招いたようです。

米ドルよりも激しい値動きとなった日本円では、数時間のうちに2円円安と大きく動き、1ポンド = 138円60~70銭を記録、その流れを受けてニューヨーク・東京の両外国為替市場でも荒い値動きが続いています。

比較的マイルドだった対ユーロ

荒い値動きとなった対米ドル・対日本円に対して、対ユーロでは同0.0010ポンドユーロ安・ポンド高の1ユーロ = 0.8380~90ポンド程度での取引と、比較的マイルドな値動きとなりました。

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おわりに

今回のメイ首相の総選挙前倒し決定は、結果次第ではブレグジット実現に向けた交渉の内容に大きく影響することが懸念されます。

くしくもブレグジットを問う国民投票の1年後に実施されるイギリスの総選挙の結果は、要注目と言えそうです。

参考サイト

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