11月の金融政策決定会合の内容と会見要旨

11月政策決定会合_アイキャッチ
 

11月19日に日本銀行(日銀)の政策決定会合が開催され、現状の金融緩和政策を維持することが決定されました。

10月以降、様々な経済指標は日本経済が停滞していることを示し、一部の海外メディアでは「日本経済は既にリセッション(景気後退期)に入った」との意見も出ていますが、日銀はどのような見解を表明したのでしょうか。今回は11月の政策決定会合の内容と、その影響について見てみましょう。

 

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11月会合の決定内容

11月の政策決定会合では、一部の追加緩和の期待には答えずにこれまでの金融緩和政策を据え置くことを決定しました。

具体的な政策内容をおさらいしておくと、

  • 日銀が市中に供給する通貨の総量(マネタリーベース)を年間80兆円に相当するペースで増加するよう調節を行う
  • 長期国債、ETF(Exchange Traded Funds = 指数連動型上場投資信託)、J-REIT(Japan-Real Estate Investment Trust =不動産投資信託)の買い入れ。国債は年間80兆円規模、ETFは年間3兆円、J-REITは年間900億円を目安とする
  • CP(Commercial Paper = コマーシャルペーパー)、社債などの買い入れも平行して実施。それぞれCPは2.2兆円、社債などは3.2兆円の残高を維持する

ことを目標としています。

 

11月会合の景気判断

11月会合での景気判断は、「輸出・生産面に新興国経済の減速の影響が見られるものの、緩やかな回復を続けている」として前回会合から据え置きとなりました。

海外経済は新興国が減速傾向にあるものの先進国を中心として緩やかな成長が続き、輸出や鉱工業生産の面では新興国の減速の影響から横ばいの動きとなり、国内経済は設備投資などがゆるやかな増加傾向にあり、雇用・所得環境の改善に伴い個人消費・住宅投資ともに底堅いか持ち直していると判断しています。

金融環境は緩和した状態にあるものの、物価面では生鮮食品を除く消費者物価の前年比は0%で推移し、予想物価上昇率は弱めの指標も見られるとしました。

 

今後の経済動向については引き続き緩やかな回復を続け、消費者物価指数はエネルギー価格の下落により当面0%程度で推移するとしました。

 

政策決定会合後の会見要旨

12月利上げに向けて着々と準備を進めているアメリカのFRB(Federal Reserve Board =連邦準備制度理事会)や日銀の強気の見方とは裏腹に、ECB(European Central Bank = 欧州中央銀行)のドラギ総裁が12月会合での追加緩和の可能性を示唆するなど、世界経済は急減速の兆候を示しています。

これらについて日銀の責任者である黒田総裁はどのように考えているのでしょうか。会見内容を見てみましょう。

黒田総裁はパリの同時テロの影響について事件後の欧州での市場の動向から「現時点で限定的」とした上で、「マインド面や金融市場に対する影響を通じて、世界経済や日本経済に下方リスクをもたらす恐れがないかどうか注視したい」と語った。

 

予想物価上昇率については、「アンケートや指標などの中で弱含んだ動きがあることを認めた」としたものの、家計の支出行動や企業の価格設定などを含めれば「やや長い目で見れば、全体として上昇しているという見方を変える必要はない」との考え方を示した。

日銀の黒田総裁、パリ同時テロの経済影響は「現時点で限定的」|Zuu online

会見内容を見る限りでは依然として強気の姿勢を崩していないものの、渋々ながら景気が減速傾向にあることを認める内容となっています。

 

おわりに

議事録や会見内容を見る限りでは、日銀黒田総裁はあくまで強気なトーンを崩していないものの、7~9月期のGDP速報値が2期連続のマイナスを記録するなど、経済状況は足踏みもしくは後退しつつある兆候が明確になりつつあります。

特効薬として期待される3回目の追加緩和も、市場では既に期待薄であり、主要国でも引き締めと緩和が入り交じる中、今まで以上に難しい舵取りを迫られることになりそうです。

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