世界経済の中心。基軸通貨としての「米ドル(USD)」の特徴

世界経済の中心。基軸通貨としての「米ドル(USD)」の特徴

グローバル化・多極化が進む現代でも、圧倒的な経済と軍事力を背景に、アメリカの通貨米ドルは基軸通貨として君臨しています。その動向はアメリカ経済だけではなく世界経済も左右するため、市場関係者の大きな注目を集めます。

今回は、世界経済を左右するアメリカ経済と米ドルの現状を見てみましょう。

浮き沈みしながら拡大を続けるアメリカ経済

「レーガノミクス」による「強いアメリカ」を掲げた1980年代

1981年に「強いアメリカ」を掲げて就任したレーガン大統領は、インフレの抑制と減税による投資促進、規制緩和の促進を柱に経済の供給サイドの強化を狙った経済政策「レーガノミクス」を掲げ、ベトナム戦争から低迷していたアメリカ経済を復活へと導きます。

一定の成果をあげたレーガノミクスですが、現在まで続く「双子の赤字」を生みだし、金融が緩和する過程で株価が上昇したことで企業の合併・買収(M&A)の一大ブームを招きます。順調に見えたアメリカ経済ですが、1987年10月に発生した「ブラックマンデー」により株価は暴落、経済は調整の時期を迎えることとなります。

ニューエコノミーに浮かれた1990年代

ブラックマンデーで景気後退におちいったアメリカ経済ですが、1990年代にはその回復から回復して、「ニューエコノミー」と呼ばれる堅調な経済成長に回帰しました。ニューエコノミー期には低インフレと高成長を両立して労働生産性も上昇、ほぼ10年に渡って景気拡大を続け、アメリカは名実ともに世界経済のけん引役となります。

ニューエコノミーの終わりと危機が続いた2000年代

2000年代に入ってITバブルの崩壊や同時多発テロによりニューエコノミーも崩壊、好調だったアメリカ経済にも陰りが見えます。それでも資産膨張を背景とする消費拡大は2007年夏ごろまで続き、過剰な消費意欲はサブプライム危機とリーマン・ショック、世界金融危機の引き金を引くこととなります。

世界金融危機では震源地となったアメリカ経済にも極めて大きな影響を残しましたが、3度に渡る「量的金融緩和(QE)」により主要国ではいち早く景気回復を成し遂げ、正常化に向けたステップを踏んでいます。

世界の基軸通貨「米ドル(USD)」の特徴

基軸通貨として安定した地位を占める米ドル

アメリカの通貨である米ドルは供給量が12兆ドル以上にも及び、アメリカ国内だけではなく世界中で流通しているため、さまざまな取引で決済通貨として使われています。

外国為替市場での米ドルの為替レートはアメリカ経済だけではなく世界経済にも大きな影響を及ぼします。このように影響の大きい米ドルは、現代の基軸通貨としての安定した地位を築いているのです。

米ドルに影響を与える経済指標とは

基軸通貨である米ドルの為替レートは、アメリカ経済の好不調に大きく影響されます。アメリカ経済を読み解くためには、各種経済指標の分析が欠かせません。数ある経済指標の中でも、特に注目を集めるのが「雇用統計」と連邦準備制度理事会(FRB)の動向です。

もっとも注目を集める「雇用統計」

米ドルの動向を予測するときに特に注目される経済指標が、毎月第一金曜日に発表される「雇用統計」であり、特に注目を集めるのが「失業率」と「非農業部門雇用者数」です。雇用統計発表の前後には、この2つが前回発表からどれくらい動いたのか、事前の予測と実測値がどれだけ離れていたかがアメリカ経済を把握するバロメーターとして注目されます。

アメリカの金融政策を左右する「FRB」と「FOMC」

雇用統計と並んで注目されるのが、アメリカの中央銀行である「連邦準備理事会(FRB)」と、FRBの政策を決定する「連邦公開市場員会(FOMC)」です。FOMCは「公開市場操作」の方針が決定されるため、会合の内容や声明発表には毎回大きな注目が集まります。

おわりに

経済成長著しい中国や規模拡大が続く欧州連合(EU)に追われ、アメリカ経済にかつての勢いはありません。しかしその経済規模と軍事力は、現在でも世界最大であり、その動向は世界経済を大きく左右します。

米ドルの動向は外国為替市場だけではなく世界経済の動向も左右するため、不確実性が高まっている現在、その値動きにはこれまで以上の注意が必要になりそうです。

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