経済的自立を狙う「ニュージーランドドル(NZD)」

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ニュージーランドは1日の為替取引のはじまりを告げるウェリントン市場を抱える重要な市場の1つですが、市場の重要さとは裏腹に資産としてのニュージーランドドルは外国為替市場でも取引量が少なく、あまり知られていない通貨です。

今回はそんなニュージーランドドルの概要と特徴について見てみましょう。

ニュージーランドドルの歴史と概要

1907年に事実上の独立を果たしてイギリスの植民地から自治領となったニュージーランドは、しかしイギリス連邦に留まり、隣国のオーストラリアとANZAC(Australian and New Zealand Army Corps = オーストラリア・ニュージーランド軍団)を結成して、2度の世界大戦をイギリス連邦の中の有力な一国として戦います。

大戦後の1947年に、それまでの自治領から独立国となることを決断し、現在のニュージーランドへと歩みを進めていきます。

 

ニュージーランドの主な産業は植民地時代の名残で現在でも農産業が中心です。

しかし1970年代に最大の輸出相手国だったイギリスがヨーロッパ圏との貿易を重要視したためにニュージーランドの農産業は窮地に陥り、農業国から工業国への転換を目指して様々な財政政策を行うもののそのほとんどが失敗し、財政状況が悪化します。

 

1980年代から1990年代にかけて規制緩和による「小さい政府」を志向して財政再建と経済改革をはかり、一定程度の成功を収めるとともに、声高に叫ばれるようになった環境問題や自然保護に力を入れ、エコツーリズムを開催するなどの政策を積極的に行うことで、観光産業の振興と自然保護の両立を図っています。

 

ニュージーランドの法定通貨は、独立してしばらくの間はニュージーランドポンドが流通していましたが、1967年になると新通貨としてニュージーランドドル(NZドル)が制定され、2004年には価値を変えずに材質などの改良を加えた新硬貨を発行します。

 

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ニュージーランドドルの特徴

ニュージーランドは世界の為替取引の区切りとなるウェリントン市場を抱える重要な為替市場ですが、資産としてのニュージーランドドルはそれほど魅力のある通貨とは言えません。

 

リーマン・ショック以前は金利を高く設定することで通貨としての魅力を高め、海外からの資本流入を図っていましたが、リーマン・ショック以降は流動性を確保するために金融緩和を余儀なくされて金利の引き下げを余儀なくされます。

同時に外需だけではなく内需によって経済を回すことを狙いますが、ニュージーランド単体での経済規模はそれほど大きくないため、結果として経済的にこれまで以上にオーストラリアへの依存度が高くなり、現在ではオーストラリア経済の動向がニュージーランド経済の動向を大きく左右すると言われています。

ニュージーランドドルに影響を与える要因

オーストラリア経済の動向に左右されるとは言え、RBNZ(Reserve Bank of New Zealand=ニュージーランド準備銀行)の政策や声明発表、大手シンクタンクであるNZIER(New Zealand Institute of Economic Research=ニュージーランド経済研究所)企業景況感などは重要な経済指標として注目しておきたいポイントと言えます。

 

為替相場に影響をもたらす意外な要素としては、主要産業である農業やエコツーリズムに大きな影響を与える気候変動があげられます。

農業国から脱却しつつあるとはいえ、農産業は現在でも輸出品目の3割を占める主要な産業であり、 新たな柱として育成を進めているエコツーリズムをはじめとする観光産業も、天候の影響を大きく受ける産業です。

そのため気候変動やその年の天候次第では、為替相場に大きな影響があることも十分に考えられます。

 

またニュージーランドドルはメジャーカレンシーの中でも取引量の少ない通貨であるため、為替レートが動くと取引量の少なさから極端な値動きをする可能性が高い通貨であることも注意したいポイントとしてあげられます。

 

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おわりに

ここまで資産としてのニュージーランドドルの価値を見てきましたが、地理的条件や経済規模などから、どうしても隣国であるオーストラリアに影響される部分が大きい通貨です。

しかし近年では観光政策などで独自の道を探っており、今後の動向に注目したい通貨の1つと言えるでしょう。

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