経済的自立を狙う「ニュージーランドドル(NZD)」

NZドル_アイキャッチ

ニュージーランドは1日の為替取引のはじまりを告げる重要な外国為替市場です。

市場としての重要さとは裏腹に、通貨ニュージーランドドルはあまり活発に取引されているとは言えません。

通貨としてのニュージーランドドルには、どのような特徴があるのかを見てみましょう。

ニュージーランド経済の構造と歴史

オーストラリアと一緒に扱われることが多いニュージーランドですが、詳しく見てみるとユニークな特徴を持っている国でもあります。ニュージーランドの経済を見てみましょう。

第一次産業に大きく偏る経済構造

ニュージーランドは生産性と国際競争力を有する第一次産業の輸出品目が輸出の6割から7割程度を占め、酪農製品、肉類、林産品、機械類が貿易の主軸です。

第一次産業偏重の経済構造を改めるために、近年ではバイオテクノロジーを含む科学技術分野や映画製作など、第3次産業にも力を入れていることでも知られています。

金融危機の影響は限定的だったニュージーランド経済

ニュージーランド経済は、2008年には世界金融危機によりGDPが5期連続で対前期比マイナス成長を記録するなど、一時大きく落ちこみました。

しかし金融業や製造業の規模が小さかったことや政府の緊急経済対策などにより、ニュージーランド経済はそれほど深刻な打撃を受けず、2009年第2四半期(4-6月)にはプラス成長に転じています。

2度の地震に大きく影響されたニュージーランド経済

比較的被害が限られた金融危機とは異なり、度々起こる自然災害によりニュージーランド経済は大きな影響を受けています。

特にカンタベリー地区・クライストチャーチで起きた地震の影響は大きく、中東情勢緊迫と重なったことでニュージーランドドルは米ドルと日本円に対して年初来安値を記録しました。

地震による経済への影響は小さくないものの、その後はカンタベリー地区の復興事業やオークランドの住宅建設による好調な建設業、アジア向けを中心とした輸出増加により2010年代に入ってからは2%前後の堅調な成長を維持しています。

ニュージーランドドル(NZD)の特徴

ニュージーランドは外国為替市場の区切りとなるウェリントン市場を抱える重要な為替市場であり、週末から週明けにかけての「窓開け」などでは注目を集めます。

そのニュージーランドの通貨ニュージーランドドル(NZD)は、市場の重要性とは裏腹に資産として魅力のある通貨とは言えません。ニュージーランドドルの資産としての特徴を見てみましょう。

資源国通貨?ニュージーランドドルの特徴

ニュージーランド最大貿易相手国は隣国オーストラリアであり、為替レートはオーストラリアドル(AUD)の値動きに影響を受けやすいことで知られ、資源国通貨であるオーストラリアドルに連動する傾向が強いニュージーランドドルも資源国通貨として扱われています。

しかしニュージーランドはオーストラリアのように各種鉱物資源が産出するわけではなく、気候を活かした農産物が貿易の主要品目であり、鉱物資源よりも農産物の商品市況に為替レートが左右される特徴があります。

ニュージーランドドルはオーストラリアドルに連動する性質から、金やプラチナなどの貴金属の商品市況に連動する傾向が見られるものの、鉱物資源が産出しないためその連動は比較的ゆるやかです。

マイナーカレンシーであることは大前提

ニュージーランドドルは米ドルやユーロ、日本円などのメジャーカレンシーと比べると取引規模の小さい「マイナーカレンシー」であり、ヘッジファンドに代表される大口の取引があると為替レートが一方に動きやすいという特徴があります。

その動きは極めて急であり、低いレバレッジでも思わぬ値動きをする可能性は小さいものではありません。オーストラリアドルと同様、ニュージーランドドルを取引するときにはロスカット注文が必要不可欠です。

おわりに

資産としてのニュージーランドドルを見てきましたが、地理的条件や経済規模などから、どうしても隣国オーストラリアの動向に大きく影響される通貨です。

しかし近年では農産業やバイオ産業で独自の道を探っており、今後の動向に注目したい通貨の1つと言えます。

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