経済的自立を目指す「ニュージーランドドル(NZD)」の特徴

経済的自立を目指す「ニュージーランドドル(NZD)」の特徴

ニュージーランド外国為替市場は、オーストラリアのシドニー外国為替市場と合わせて為替取引の起点となるオセアニア外国為替市場を構成していますが、その重要さとは裏腹に、ニュージーランドドルは外国為替市場で人気の通貨とは言えません。

今回は、ニュージーランド経済と通貨ニュージーランドドルの特徴を見てみましょう。

ニュージーランド経済の構造と歴史

第一次産業に大きく偏った経済構造

ニュージーランドは国内産業のうち、生産性と国際競争力を有する第一次産業の輸出品目が輸出の7割程度を占め、酪農製品や肉類、林産品、機械類が貿易商品の主軸です。

このような第一次産業偏重の経済構造を改めるために、近年ではバイオテクノロジーを含む科学技術分野や映画製作など、第三次産業にも力を入れはじめています。

金融危機の影響は限定的だったニュージーランド経済

2008年には世界金融危機により国内総生産(GDP)が5期連続で対前期比マイナス成長を記録するなど、ニュージーランド経済も一時大きく落ちこみました。しかし金融業や製造業の規模が小さかったことや緊急経済対策などにより、他国ほど大きな打撃とはならず、翌年には早くもプラス成長に転じています。

自然災害の影響を受けるニュージーランド経済

金融危機とは異なり、自然災害はニュージーランド経済に大きな影響を残しています。特に2011年に起きたカンタベリー地区のクライストチャーチ地震の影響は大きく、ニュージーランドドルは米ドルと日本円に対して年初来安値を記録しました。

地震による影響は小さくなかったものの、その後はカンタベリー地区の復興事業やオークランドの住宅建設による好調な建設業、アジア向けを中心とした輸出増加により2010年代に入ってからは2%前後の堅調な成長を維持しています。

資源国通貨「ニュージーランドドル(NZD)」の特徴

オーストラリアドルとの相関が強い

ニュージーランド最大貿易相手国は隣国のオーストラリアであり、為替レートはオーストラリアドル(AUD)の値動きに影響を受けやすいことで知られています。そのためニュージーランドドルは、外国為替市場では資源国通貨として扱われています。

資源国通貨として見ると貴金属価格と連動する傾向があるものの、オーストラリアのように鉱物資源を産出せず、農産物が貿易の主要品目です。そのため、鉱物資源の市況価格よりも農産物の市況価格によって為替レートが左右される特徴があります。

取引のときにはマイナーカレンシーであることは大前提

ニュージーランドドルは外国為替市場で取引される通貨の中でも取引高が小さい「マイナーカレンシー」であり、大口の取引があると為替レートが一方に動きやすい通貨です。

オーストラリアドルと同様、ニュージーランドドルを取引するときには、決済注文とは別に損切り注文がリスク管理の視点から不可欠といえるでしょう。

おわりに

ここまでニュージーランドドルを見てきましたが、その地理的条件や経済規模などから、隣国オーストラリアの動向に大きく影響される通貨です。

しかし近年では農産業やバイオ産業で独自の道を探っており、今後の動向に注目したい通貨の一つと言えます。

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