金融センターとして生き残りを図る「英ポンド(GBP)」の特徴

金融センターとして生き残りを図る「英ポンド(GBP)」の特徴

かつては「日の沈まない帝国」とも呼ばれ、世界中に植民地を設けたイギリスですが、今日でもしたたかな戦略により金融市場で確かな存在感を発揮しています。

今回は、イギリス経済の現状と、スターリング・ポンド(英ポンド)の特徴を見てみましょう。

相次ぐ金融危機から立ち直ったイギリス経済

典型的な先進国の経済構造を持つイギリス

イギリス経済は第3次産業を中心とする典型的な先進国です。名目国内総生産(GDP)では約1兆7000億ポンド、1人当たりの名目GDPは2万8000ポンドと、ヨーロッパ圏内ではドイツ・フランスと並ぶ経済規模を持つ国として知られています。

相次いだ経済危機と堅調な個人消費

ロンドン・シティーに代表される世界最大の金融取引所を持つイギリスですが、リーマン・ショックや世界金融危機、欧州ソブリン危機と金融危機が相次いだことにより、経済成長が大きく落ち込みました。しかし危機対応が一巡してからは、安定した経済成長を続けています。

回復のけん引役は好調な個人消費ですが、雇用所得面の良好さや、高まる家計購買力が寄与していると見られます。この好調な経済を背景に、イギリス政府は財政健全化を掲げています。

財政再建と経済成長の両立を目指す各種指針と政策

イギリス政府は2010年6月に財政再建の具体的な目標として、

  • 「構造的経常財政収支の5年度以内の黒字化」を主目標
  • 「純債務残高対GDP比を2015年度までに減少」を補完目標

として掲げています。その後の金融危機によりこの目標はそれぞれ下方修正されましたが、現在でも進行中となっています。

2013年7月にイングランド銀行(BOE)総裁に就任したカーニー氏は、失業率が7.0%を上回る間は現在の政策金利(0.5%)および量的緩和の規模(3750億ポンド)を維持するという指針を明らかにしています(フォワードガイダンス)。

イギリス政府は財政健全化を達成するために緊縮財政を進める一方、経済成長には投資と輸出の促進が必要不可欠との認識に基づき、法人税の引き下げや経済インフラへの公共投資(クリーン・エネルギー、交通など)を進め、経済特区の新設・拡大や各種優遇策により、欧州一のビジネス環境整備を進めています。

「世界の金融センター」の実力を見せる英ポンド(GBP)

ビッグバンにより金融センターとしての地位を確立

かつての基軸通貨の地位から脱落した英ポンドですが、1980年代のビッグバンにより金融立国として飛躍を成し遂げ、外国為替市場では強い存在感を誇ります。

取引量は米ドル、ユーロ、日本円に次ぐ4番手である英ポンドは、取引量が少ないことから投機目的の取引の対象となりやすく、値動き(ボラティリティ)の大きい通貨として知られています。

アメリカの政治・経済の影響を強く受ける英ポンド

また、イギリスはその歴史的・地理的な経緯からアメリカや欧州連合(EU)との結びつきが強く、アメリカやEUの経済動向に影響を受けやすい通貨です。特にアメリカとの政治的・経済的な結びつきは強いことから、アメリカの政治や経済指標に影響を受けやすい通貨として知られています。

おわりに

英ポンドは投機対象となることが多い通貨ですが、世界の金融センターとして知られるロンドン・シティーを抱えるなど、金融立国としての生き残りを図っています。

適切なリスク管理と資金管理をした上で取引をおこなうのであれば、値動きの大きい英ポンドは大きな利益を期待できる通貨と言えるでしょう。

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