金融立国として生き残るを図るイギリスの「英ポンド(GBP)」

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かつては「日の沈まない帝国」とも呼ばれ、世界中に植民地を設けたこともあるイギリスですが、今日ではその栄光は見る影もありません。

しかし現在でも、したたかな戦略により金融市場では確かな存在感を発揮しています。イギリス経済の現状と、スターリング・ポンド(英ポンド)の特徴を見てみましょう。

2度の金融危機から立ち直りつつあるイギリス経済

イギリス経済は第3次産業を中心とする、典型的な先進国の経済構造を持ち、名目国内総生産(GDP)では約1兆7000億ポンド、1人当たりの名目GDPでは2万8000ポンド(2016年時点)と、ヨーロッパ圏内ではドイツ・フランスと並ぶ経済規模を持つ国として知られています。

2度の経済危機と堅調な個人消費

ロンドン・シティーに代表される世界最大の金融取引センターを持つイギリスですが、相次いだ金融危機により経済成長は大きく落ち込みました。しかし危機対応が一巡した2014年の成長率は2.6%と金融危機以降で最大の伸びを示し、堅調な回復を印象づけています。

回復のけん引役が好調な個人消費ですが、その背景には雇用所得面の良好さや、高まる家計購買力が個人消費の押し上げに寄与していると見られます。好調な経済を背景に、イギリス政府は財政健全化を掲げています。

財政再建と経済成長の両立を目指す各種指針と政策

イギリス政府は2010年6月は財政再建の具体的な目標として、

  • 「構造的経常財政収支の5年度以内の黒字化」を主目標
  • 「純債務残高対GDP比を2015年度までに減少」を補完目標

として掲げました。その後の金融危機によりこの目標はそれぞれ下方修正され、現在でも進行中となっています。

2013年7月にイングランド銀行(Bank of England:BOE)総裁に就任したカーニー氏は、失業率が7.0%を上回る間は現在の政策金利(0.5%)および量的緩和の規模(3750億ポンド)を維持するという指針を明示(フォワードガイダンス)、2014年4月に失業率が7.0%を下回ったことを受けて、失業率を含めた複数の指標から総合的に利上げの判断・実施時期をうかがっています。

イギリス政府は財政健全化を達成するために緊縮財政を進める一方、経済成長には投資と輸出の促進が必要不可欠との認識に基づき、法人税の引き下げや経済インフラへの公共投資(クリーン・エネルギー、交通など)を進め、経済特区の新設・拡大や各種優遇策により、欧州一のビジネス環境整備を進めています。

「日の沈まない国」としての意地を見せる英ポンド(GBP)

19世紀には「日の沈まない国」と呼ばれ、米ドルの前の基軸通貨であった英ポンドは、現在でも外国為替市場では強い存在感を誇ります。

取引量は米ドル、ユーロ、日本円に次ぐ4番手である英ポンドですが、他のメジャーカレンシーと比べると取引量が少ないため投機目的の取引の対象となりやすく、値動き(ボラティリティ)の大きい通貨として知られています。

また、イギリスはその歴史的・地理的な経緯からアメリカやヨーロッパ連合(EU)との結びつきが強く、アメリカやEUの経済動向に影響を受けやすい通貨でもあります。

特にアメリカとの結びつきはかつてなく強く、アメリカの経済指標に影響を受けやすい通貨となっています。

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おわりに

かつての基軸通貨である英ポンドは、現在の外国為替市場では投機対象となることが多い通貨ですが、外国為替市場の中でももっとも取引量の多いロンドン・シティーの金融街を抱えるなど、金融立国としての生き残りを図っています。

適切なリスク管理と資金管理をした上で取引をおこなうのであれば、英ポンドは大きな利益を期待できる通貨と言えるでしょう。

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