第2の基軸通貨として期待される「ユーロ(EUR)」

通貨_ユーロ_アイキャッチ

欧州連合(EU)統合のマイルストーンとして華々しく導入された欧州統一通貨「ユーロ(EUR)」ですが、近年ではギリシャの離脱騒動をはじめ、ネガティブなニュースばかりが注目されます。

そんなユーロですが外国為替市場では米ドルに次ぐ流通量があり、米ドル/ユーロ(USD/EUR)は世界でも最も取引量の多い通貨ペアであることは確かです。今回は、着実に実力をつけている通貨ユーロの特徴を見てみましょう。

欧州統一通貨「ユーロ」の特徴

事実上の欧州共通通貨として流通するユーロ

ユーロは、欧州連合(EU)の用いられている共通通貨であり、1999年1月1日に決済用仮想通貨として導入されました。現金通貨の発行・流通は3年後の2002年1月1日にはじまり、この時点から導入国の従来通貨に代わって法定通貨として流通がはじまります。

2018年時点での最新の加盟国はリトアニアであり、EU加盟28か国のうち、19か国がユーロを法定通貨として導入しています。また、欧州連合の経済通貨統合に参加していない6か国でも、ユーロを法定通貨として導入しています。

第2の基軸通貨と呼ばれるも低迷が続く

準備通貨として米ドルに次ぐ重要な通貨の地位を有していることから、ユーロは一時期「第2の基軸通貨」と呼ばれていましたが、2010年のギリシャの財政危機をきっかけとする欧州ソブリン危機により、足並みの乱れが表面化しています。

構想から導入まで50年ちかくかかったユーロ

ヨーロッパ域内の統合を目指した共通通貨構想

ユーロが誕生した直接の理由として、ブレトン・ウッズ体制の崩壊による外国為替市場の変動相場制への移行と、関税同盟の設立によるヨーロッパ圏の事実上の経済統合があげられます。

その後、実際の導入に向けた動きは停滞していましたが、1990年7月の欧州経済共同体(EEC)加盟国間での資本の自由な移動を皮切りに導入にむけた動きが進み、1995年12月に開催された欧州理事会の会合で統一通貨の名称を「ユーロ」とすることが決まりました。

決済通貨としての導入と完全移行

ユーロは、1999年1月1日に決済用仮想通貨として導入され、3年後の2002年1月1日に現金通貨の発行がはじまりました。この時に導入国の従来通貨に代わって法定通貨として流通がはじまります。

欧州中央銀行(ECB)を中心に実施されるユーロの金融政策

物価安定の確保を至上目標とする欧州中央銀行

通貨ユーロの金融政策は、欧州中央銀行(ECB)と加盟国の中央銀行が担当しています。ECBは物価安定の確保に努めることを目的に、金融政策の決定と実施や加盟国の公的外貨準備の管理、外国為替市場への介入、市場への資金供給、円滑な決済の促進を実施しています。

ECBの政策決定は、役員会とユーロ圏各国の中央銀行総裁で構成される政策理事会が担い、役員会を構成する総裁と副総裁、理事4人の任期はいずれも8年で、再任は認められていません。

物価安定のために金融政策をコントロールする

ECBが実施する金融政策は、ユーロ圏の民間銀行に貸し出す金利である政策金利のコントロールが中心です。ECBの最重要課題は物価安定であるため、景気拡大時の金融政策の自由度が高い反面、景気後退時の自由度はあまり高くありません。

ユーロの動向を左右する経済指標

ユーロに大きな影響を与える要素として、米ドルの為替レートの動向は無視できません。米ドルが売られると一時的な避難先としてユーロが買われやすく、為替レートはユーロ高に動く傾向があります。

また、ECBの財政・金融政策はもちろん、ユーロ導入国の中でも経済規模の大きいドイツ・フランスの景気動向や経済指標も、ユーロの値動きに大きな影響を与える要素の1つです。

おわりに

第2の基軸通貨として期待されているユーロは、リーマン・ショックをきっかけに抱えるリスクが表面化したことで、その先行きはあまり明るいとは言えません。

混乱を乗り越えて名実ともに基軸通貨として安定した地位を確立できるかは、注目したいポイントと言えそうです。

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