第2の基軸通貨として期待される「ユーロ(EUR)」

通貨_ユーロ_アイキャッチ

欧州連合(EU)統合のマイルストーンとして華々しく導入された欧州統一通貨「ユーロ(EUR)」ですが、近年ではギリシャの離脱騒動をはじめ、ネガティブなニュースばかりが注目されます。

そんなユーロですが外国為替市場では米ドルに次ぐ流通量があり、米ドル/ユーロ(USD/EUR)は世界でも最も取引量の多い通貨ペアであることは確かです。今回は、着実に実力をつけている通貨ユーロの特徴を見てみましょう。

課題が多いながらも成長を続けるEU経済

各種条約に基づいた経済活動は活発

欧州連合(EU)加盟国は、ローマ条約や単一欧州議定書、シェンゲン協定などで非関税障壁を排除した上で、域内での労働力と資本、財産の移動の自由が保証することで、活発な経済活動の基盤を構築しています。

ローマ条約を根拠に競争法体系が整備され、EUをコントロールする欧州委員会は整備された法体系に基づいて消費者利益の保護や共通農業政策、経済施策を実施しています。

重工業を中心とする、域外各国との活発な貿易

貿易面では、域外への輸出額は2005年で1兆3,300億米ドル、主な輸出品目としては自動車や航空機、各種機械などであり、輸出先としてはアメリカ、スイス、ロシア、中国があげられます。反対に域内への輸入額は1兆4,660億米ドルで、主な輸入元はアメリカや中国、ロシア、日本です。

このように世界経済と密接なつながりがあるEUは、2008年のリーマン・ショックの大きな影響を受けたため、失業率の悪化による社会保障負担の増大や直接的な社会不安を招いています。

新たな基軸通貨として期待される「ユーロ(EUR)」

欧州統一通貨「ユーロ」の金融政策

1999年には導入された共通通貨ユーロは、2017年現在では19カ国で導入されている有数の規模を持つ通貨として知られています。

ユーロ圏の金融政策は、欧州中央銀行(ECB)と各国中央銀行で構成される「欧州中央銀行制度(ESCB)」を通じて、単一の金融政策として決定・実施され、各国中央銀行は決定された金融政策にしたがって金融政策を実施することを任務としています。

ECBの金融政策の第一義的な目的は、物価安定を維持ですが、この目的に反しない限り、経済成長や雇用の増大など、欧州共同体(EC)の全般的な経済政策をサポートすることが求められています。

加盟国の足並みの乱れが目立つユーロ

欧州統一通貨として導入され、順調に導入国を増やしてきたユーロですが、近年では加盟国の間で足並みの乱れが目立つようになっています。

きっかけとなったのは、2008年のリーマン・ショックと、その後の世界金融危機です。経済規模が大きかったドイツ・フランスは比較的早期に痛手から回復したものの、影響の大きかった南欧諸国は財政支援と引き換えに緊縮財政を求められたことに反発、ギリシャはユーロ離脱の是非を問う国民投票を実施するまでに分断が申告になりました。

このほかにも、資源価格の高騰によるロシア経済の復調による周辺国との領土問題、ユーロ加盟国間での経済格差によるあつれきなど、EU・ユーロの存続にも関わるリスク要因はいくつもあります。

ユーロの動向を左右する経済指標

ユーロに大きな影響を与える要素として、米ドルの為替レートの動向は無視できません。米ドルが売られると一時的な避難先としてユーロが買われやすく、為替レートはユーロ高に動く傾向があります。

また、ECBの財政・金融政策はもちろん、ユーロ導入国の中でも経済規模の大きいドイツ・フランスの景気動向や経済指標も、ユーロの値動きに大きな影響を与える傾向があります。

おわりに

第2の基軸通貨として期待されているユーロは、リーマン・ショックをきっかけに抱えるリスクが表面化したことで、その先行きはあまり明るいとは言えません。

混乱を乗り越えて名実ともに基軸通貨として安定した地位を確立できるかは、注目したいポイントと言えそうです。

このコラムに関連する記事

チェックリスト: 0 件
開く
全クリア
TOP