経済大国として基軸通貨入りを目指す中国の「人民元(CNY)」

経済大国として基軸通貨入りを目指す中国の「人民元(CNY)」

世界第2位の経済大国であり、その動向が世界に影響を与えるなど、中華人民共和国(中国)が世界経済に占めるウエートは年々重くなっています。

今回は中国経済の概要と、通貨「中国人民元」の特徴を見てみましょう。

改革開放と経済特区制度で大躍進を遂げた中国

先進国型の経済構造に変化した中国

1980年代に導入された「改革開放」路線により、中国はこれまで労働集約・外需主導型産業がけん引する「世界の工場」として、第二次産業を中心に発展してきました。

しかし、2012年には第三次産業の比率が第二次産業を逆転し、現在では第三次産業が名目GDPの51.6%を占める典型的な先進国型の経済構造に変化しています。

下振れリスクをはらみながら拡大する中国経済

2008年のリーマン・ショックやその後の世界金融危機を強引ともいえる経済政策で乗り切った中国ですが、皮肉にもその経済政策の効果によって地域や産業によって好況・不況が入り混じるまだら模様となっています。

自動車減税やインフラ関連投資などの各種政策効果によって全体的には拡大の動きが続くものと見られていますが、内包する問題の処理によっては景気が下振れするリスクを抱えています。

「新常態(ニューノーマル)」で安定成長を目指す

中国共産党は中国経済の現状を「新常態(ニューノーマル)」と位置付け、中長期的には投資・輸出主導の高度成長から消費・内需主導の安定成長に経済発展モデルの転換を図りながら、短期的には社会や雇用の安定に欠かせない一定の成長を目指しています。

2017年3月に開催された全国人民代表大会(全人代)では、2017年に重点的に取り組む分野として、「3つの解消,1つの低減,1つの補強」と「改革深化」、「内需の発掘」を掲げています。

米ドルと並ぶ基軸通貨を目指す中国人民元

管理変動相場制を採用する中国人民元

2005年まで米ドルに対して固定相場制を導入していた人民元は、通貨制度改革の一環として通貨バスケットによる管理フロート制を導入、固定相場制から限定的な変動相場制(管理変動相場制)に移行しました。

管理変動相場制は「通貨バスケットを参考に調整する」管理相場制であり、為替レートは当局の判断で調整される為替制度です。実際に2015年8月に人民元の切り下げを突然発表、対米ドルレートで3%の下落を招くなど、外国為替市場での取引量が増加に合わせて不透明さがあらわになりつつあります。

外国為替市場での普及は進むもマイナーカレンシー

メジャーカレンシーとの直接取引をはじめ、2015年には国際通貨基金(IMF)の特別引出権(SDR)への組み込みなど、中国人民元は外国為替市場での存在感を徐々に増しつつあります。しかしメジャーカレンシーと比べるとまだまだ信頼感に乏しいマイナーカレンシーの1つであり、取引高は大きいとは言えません。

おわりに

世界最大の人口を抱える大消費地としての中国は魅力的な未開拓の市場であり、大きな注目を集めています。

現時点では中国人民元を取引するメリットは大きいとは言えないものの、今後の経済成長を考えれば、決して無視できない通貨といえるでしょう。

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