資源国通貨として注目される主要通貨の「カナダドル(CAD)」

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カナダはその地理的環境からアメリカと密接な関係を保ち、政治的・経済的に安定していることから先進国に数えられ、通貨であるカナダドル(CAD)もメジャーカレンシーに近いマイナーカレンシーとして知られています。

今回は、アメリカ経済と関わりの深いカナダの経済と、資源国通貨とメジャーカレンシーに近い性格を持つ通貨であるカナダドルについて見てみましょう。

アメリカと密接に結びつくカナダの経済

カナダは国境を接するアメリカとの活発な貿易により経済的に発展している国の1つです。

主要国として経済協力開発機構(Organisation for Economic Co-operation and Development = OECD)や主要国首脳会議(G8)などに参加・加盟しています。

他の主要国と同様の経済構造であるカナダの経済

カナダ経済の中心となるのは他の先進国と同様にサービス業を中心とする第三次産業であり、国民の総人口の約75%がサービス業に従事し、GDPに占める割合は75%にもなります。

 

サービス業以外に注目される産業としてはリージョナルジェットで知られる航空機メーカー「ボンバルディア」をはじめとする航空機産業などの製造業があげられます。

製造業は太平洋岸のオンタリオ州・ケベック州付近でもっとも盛んであり、GDPに占める割合こそ10%程度とそれほど高くないものの、カナダ経済の中でも大きな存在感を発揮しています。

 

存在感を発揮する製造業と反対に徐々に衰退しつつあるのが、大西洋岸のブリティッシュコロンビア州の林業やアルバータ州の石油工業、オンタリオ州北部の鉱業などに代表される天然資源産業です。

カナダの天然資源産業として代表的なものは漁業ですが、乱獲による漁獲量の激減と1990年代からはじまった漁業規制によりその勢いは急速に衰退することとなりました。

代替として育成された天然資源産業についても、主要国特有の高コストから新興国との価格競争の面で不利であり、ゆるやかに衰退しつつあります。

 

このように様々な面で衰退産業である天然資源産業に従事している就労者は人口の4%とごくわずかであり、GDPに占める割合も6%に過ぎません。

しかし豊富な埋蔵量を誇るオイルサンドやウランなどの一部の天然資源採掘は現在でも活発であり、衰えつつある現在でも天然資源産業はカナダの産業構造で重要な地位を占めています。

主要国の中でも安定成長を続けるカナダ経済

2008年の世界金融危機ではカナダも例外なく大きな影響を受け、翌2009年はマイナス成長を記録しましたが、安定した国内金融市場などを背景にその回復は比較的早く、安定した経済運営を続けています。

 

財政面からカナダを見ると、2008年度には赤字に転落したものの、そのあとに進められた歳出削減策によって2014年度に財政均衡を達成するバランスのとれた収支を実現しています。

2015年11月に発足したトルドー自由党政権は、2016年度から3年間は財政赤字を許容してインフラなどの公共投資を増強する方針を打ち出しています。

様々な要素に為替レートが左右されるカナダドル

このようにアメリカと国境を接して密な関係を持ち、先進国の1国でありながら資源国通貨として注目されるカナダドルは、アメリカの経済指標や天然資源の取引動向、カナダの経済指標に左右されます。

アメリカ経済やWTI、政策金利に強く影響されるカナダドル

アメリカとは政治的にも経済的にも密接な関係にあるため、世界一であるアメリカ経済の動向はカナダ経済とカナダドルの動向にも影響を与えるため、カナダドルを取引するFXトレーダーであっても、カナダの経済指標よりもアメリカの経済指標に注目していることも珍しくありません。

アメリカ経済の動向影響されやすいカナダドルですが、カナダの経済指標や資源価格もカナダドルの為替レートの決定に大きく影響する要素の1つです。

 

カナダの経済指標の中でも特に注目されるのが、カナダの中央銀行であるカナダ銀行(Bank of Canada = BOC)の発表する政策金利と声明です。

また、豊富なオイルサンドの埋蔵量を誇るカナダはエネルギー純輸出国の1国であり、世界の原油・エネルギー価格を左右するウェスト・テキサス・インターミディエイト(West Texas Intermediate = WTI)も大きな影響を与える経済指標の1つとして注目されています。

新たな安全資産として注目を集めるカナダドル

カナダドルは他の資源国通貨と比べて値動きに乏しく政策金利も低いので、為替差益(キャピタルゲイン)と金利差益(インカムゲイン)のどちらも狙いにくく、取引の主流になる通貨とは言えません。

 

しかし資源国通貨の中でも政治的・経済的に安定しているだけではなく、経済規模でも主要国に数えられる規模を持つカナダドルは、比較的値動きが安定しているため、資源国通貨でありながら安全資産の1つに数えられる点は魅力的な通貨と言えます。

 
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おわりに

カナダドルは資源国通貨でありながら値動きに乏しく、政策金利の主要国並みと高くないため、投資先として見ると魅力的とは言いにくい通貨です。

しかし安全資産として見ると、資源国通貨でありながら安定しているという他にない特徴から、中々魅力的な避難先と言えそうです。

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