何が問題だった?金融庁、仮想通貨登録業者6社を一斉処分

何が問題だった?金融庁、仮想通貨登録業者6社を一斉処分

金融庁は2018年(平成30年)6月22日に、仮想通貨交換業者6社に対して改正資金決済法に基づいて業務改善命令の一斉処分を出したと発表しました。

仮想通貨交換業者は2018年に入ってから、度重なる行政処分が下されるなど、コンプライアンスの弱さが浮き彫りとなっています。これまでの業務改善命令・業務停止命令と、今回の業務改善命令の内容を見てみましょう。

業務にどう影響する?「業務改善命令」と「業務停止命令」

金融庁が出す行政処分「業務改善命令」の強制力

「業務改善命令」とは、金融庁が金融機関の健全な経営を確保するため、法令違反やシステム障害、財務内容の悪化が見られたときに発動する行政処分の一種です。金融取引に関わる各種法律を根拠法としていて、どの法律が適用されるかは、対象となる金融機関によって決まります。

命令内容の公開・非公開は、公表をすることで期待できるメリットとデメリットを比較して決まりますが、原則としてコンプライアンスに関わるものは公表、財務に関わるもの非公表と言われています。

金融庁には「監督上必要な措置を命じることができる」権限が与えられています。業務改善命令を受けた金融機関は、速やかに業務改善計画を提出して、金融庁の監督下で計画通り遂行しなければならないとされています。また、計画書以外にも報告や資料の提出や業務や財務状況の聴取、帳簿書類や物件を検査する「立ち入り検査」が実施されることもあります。

より重い行政処分である「業務停止命令」と「免許取り消し」

一定の強制力がある業務改善命令ですが、命令内容に違反があったときや、改善が認められずより重い処分が必要である判断されると、より重い処分である「業務停止命令」や「免許取り消し」の対象となります。

一定の期間だけ業務の一部または全部を停止する業務停止命令や、事業免許自体を取り消す免許取り消しはより重い処分であり、その後の業務継続ができなくなる処分です。

3度目となった仮想通貨交換業者への業務改善命令

3月:7社に対して行政処分。うち2社は業務停止

今回の業務改善命令の前にも、金融庁は2018年に入ってから2回の業務改善命令を実施しています。

3月には7社に対して行政処分が実施され、そのうちビットステーションには1カ月の業務停止命令、テックビューロ、GMOコイン、バイクリメンツ、ミスターエクスチェンジ、コインチェック、FSHOの6社は業務改善命令の対象となりました。このうちコインチェックは2018年1月の流出事故が原因の業務改善命令に続いて、2回目の行政処分の対象となっています。

4月:仮想通貨のみなし業者3社を一斉処分

3月の行政処分から1カ月も立たない4月に、金融庁は再び行政処分をおこない、3月の行政処分の対象となった2社を含む3社に対して再度行政処分を下しています。

登録制導入前から事業を展開しているものの登録を得ていない「みなし業者」や、一部の登録業者に順次立ち入り検査を実施した結果、基準に満たないみなし業者が後を絶たなかったことから再び一斉処分に踏み切ったものです。

このうち3月の一斉処分の対象となっていたFSHOでは、1カ月の業務停止命令を受けていたにも関わらず、資金洗浄(マネーロンダリング)防止の是正措置が図られていなかったことから、更なる業務停止期間の延長という重い処分の対象となりました。

3度目の行政処分と各社の対応は

業務改善命令を受けたのは国内6社

3度目となる今回の行政処分の対象となったのは、ビットフライヤー、QUOINE、ビットバンク、BTCボックス、ビットポイントジャパン、テックビューロの6社です。このうちテックビューロは、3月に続いて2度目の業務改善命令の対象となっています。

各社に出された業務改善命令の内容

業務改善命令の内容は仮想通貨交換業者によって微妙に異なりますが、共通する主な内容をまとめると、以下のようになります。

(1)適正かつ確実な業務運営を確保するための以下の対応
ⅰ.経営管理態勢の構築(内部管理部門及び内部監査部門の機能が十分に発揮できる態勢等の構築を含む)
ⅱ.法令遵守態勢の構築
ⅲ.マネー・ローンダリング及びテロ資金供与に係るリスク管理態勢の構築
ⅳ.利用者財産の分別管理態勢の構築
ⅴ.利用者保護措置に係る管理態勢の構築
ⅵ.仮想通貨の新規取扱等に係るリスク管理態勢の構築

(2)上記(1)に関する業務改善計画を、平成30年7月23日までに書面で提出

(3)業務改善計画の実施完了までの間、1ヶ月毎の進捗・実施状況を翌月10日までに、書面で報告

最大手のビットフライヤーはアカウント作成を一時停止

一連の業務改善命令を受けて、対象となった6社のうちビットフライヤーは22日に新規顧客のアカウント作成を一時停止することを発表しました。ビットフライヤーを除く5社は、プレスリリースや投資家向け情報提供(IR)などで行政処分の対象となったことを公表していますが、口座開設などは通常通り受け付けています。

おわりに

大きなリターンが期待できることから人気を集めている仮想通貨ですが、法律面での整備が追い付いていないことや交換業者の登録がほかの金融機関と比べると簡単にできることから、株式取引や外国為替証拠金取引(FX)と比べてもリスクの高い取引と言えます。

リスク回避には金融庁の行政処分や交換業者のプレスリリースやIRをこまめにチェックして、自衛をすることが欠かせないようです。

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