外国為替証拠金取引(FX)に欠かせない「証拠金」と「証拠金維持率」とはなにか

FXの証拠金とは

外国為替証拠金取引(FX)をはじめるために欠かせないものはいくつかありますが、取引に直接関わってくるものとして「証拠金」があります。

一口に証拠金と言ってもその用途は実に様々であり、その内容を正しく把握しておくことは取引を続けるためにも欠かせません。今回は、知っているようで意外と知らない証拠金について、詳しく見てみましょう。

外国為替証拠金取引(FX)とはなにか

証拠金の目的と仕組み

外国為替証拠金取引(FX)とは、証拠金(保証金)を預託して、主に差金決済による通貨の売買をおこなう、差金決済取引(CFD)の一種です。

外貨を扱う取引としては銀行が提供している外貨預金が一般的ですが、FXはレバレッジをかけた取引ができるため比較的少額の資金でも取引ができることと、為替差益(キャピタルゲイン)と金利差益(インカムゲイン)による利益を期待することが外貨預金と異なります。

 

1998年の外為法(外国為替および外国貿易法)改正によって、それまで為替銀行に限られていた為替業務が一般企業にも解放されたため、比較的少額の資金でもはじめられて大きなリターンを期待できるFXに注目が集まることとなりました。

FXで取引をはじめるために欠かせない「証拠金」とはなにか

証拠金の種類

FXをはじめるためには口座開設が必要ですが、このときに一定額を担保として預けます。口座開設のときに預けるお金のことを保証金(証拠金)と呼びます。

証拠金とは本来、商品先物取引などで主に使われている「差金決済」と呼ばれる取引方法の仕組みとして知られています。

 

差金決済とは、証拠金を取引代金とは別にあつかうことで、取引のときには取引代金の全額をやりとりするのではなく、取引で生じた損益部分の代金をやりとりする仕組みです。

取引代金のうち、損益部分の代金だけをやりとりするので極めて資金効率がよく、証拠金として預けた金額の数倍から数十倍の金額が取引できるのが差金決済の魅力であり、この仕組みは一般に「てこ(レバレッジ)」と呼ばれています。

「必要証拠金」と「有効証拠金」の違いはなにか

必要証拠金・有効証拠金と証拠金維持率の関係性
 

差金決済取引(CFD)の一種であり、証拠金に対してレバレッジをかけた取引をおこなうFXでは、証拠金は特に重要な要素の1つです。

そんな証拠金ですが、実は一口に証拠金と言っても、取引をはじめるために必要な「必要証拠金」と取引を続けるために欠かせない「有効証拠金」に分けられます。

必要証拠金と有効証拠金について、それぞれ概要を見てみましょう。

取引に必要となる「必要証拠金」

FX口座を開設するときに預けた証拠金は「取引証拠金」としてあつかわれますが、実際の取引に必要となる証拠金の金額は取引する通貨ペアや取引通貨単位によって異なります。

FX業者によって任意に決められる、取引に必要となる証拠金のことを「必要証拠金」と呼びます。

取引の結果で変動する「有効証拠金」

実際に取引をはじめてポジションを持つと、その時点の為替レートで決済したときにどの程度の損益が生じるかを予測する「評価損益」が求められます。

この評価損益を反映した必要証拠金のことを「有効証拠金」、有効証拠金から必要証拠金を差し引いた残りの金額を「余剰金額」と呼び、余剰金額の範囲内で新規注文を発注することができます。

証拠金と「証拠金維持率」の関係

>証拠金維持率が低下した場合
 

CFDの一種であるFXは、はじめるときに取引代金の全額を用意する必要がないことがメリットの1つです。しかし取引はレバレッジをかけておこなうので、取引内容によってはごく小さな為替レートの変動が何倍、何十倍にもなってポジションに影響を与え、場合によっては「ロスカット」の対象となりこともあります。

そこで重要なのが、取引金額に対する証拠金残高の割合を表して、取引を続ける目安となる「証拠金維持率」です。

 

FXの取引は注文の発注から決済までが1つのサイクルですが、決済するまでのポジションを持っている間にも、為替レートの変動によって損益が生じます。

仮にその時点の為替レートで決済したときにどの程度の損益が生じるかを予測することを「評価損益」と言い、証拠金の残高に評価損益を当てはめることで求められる必要証拠金に対する証拠金残高の割合を「証拠金維持率」と呼びます。

証拠金維持率は取引を安定的に続けるために欠かせない目安の1つであり、FXサービスも証拠金維持率を取引を継続するための目安として、一定の割合を下回ると全てのポジションに対してロスカットが執行されます。

 

FXサービスによってロスカットの執行対象となる証拠金維持率の割合は異なりますが、おおむね50%から100%の間に設定されています。

ロスカットの執行対象となる証拠金維持率の割合が低いほど、より大きな含み損を抱えた取引ができます。しかし仮にロスカットが執行されると、1回で取引が継続できなくなるほどの損失をこうむりかねません。

安定した取引を続けるためには、少なくとも証拠金維持率が安定して100%を上回る必要証拠金を確保した取引をおこなうように心がけたいものです。

 
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おわりに

FXサービスを比較するときの基準は様々なものがありますが、その重要さと反比例するようかのように軽視されているのが、証拠金に関する様々な基準です。特にロスカットの執行対象となる「証拠金維持率」は、取引を続けるためには特に注目したい数字です。

口座開設を検討するときには、取り扱い通貨ペアや取引通貨単位、取引上限のほかにも、リスク管理と資金管理に欠かせない証拠金維持率にも注目するようにしましょう。

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