知っておきたい「確定申告」とFXの利益にかかる税金の種類

知っておきたい「確定申告」とFXの利益にかかる税金の種類

レバレッジをかけた取引により、少ない資金で大きな利益を期待できることから人気の外国為替証拠金取引(FX)は、確定申告の手続きが面倒なことは意外と知られていません。

今回は、確定申告をするときには知っておきたい、FXの取引で生じた損益にかかる税金とその種類を見てみましょう。

前年1年間の所得税額を確定する「確定申告」

「(所得税及び復興特別所得税の確定申告)確定申告」とは、1月1日から12月31日までの1年間に生じた全ての所得と、所得に対して発生する所得税と復興特別所得税を計算した上で、すでに納めた税金との過不足を精算する手続きです。

給与所得者であれば源泉徴収や年末調整だけで十分ですが、給与所得以外にも一定以上の所得があれば、確定申告が必要となります。

確定申告をする必要があるのはこんな人

確定申告の対象となるのは、前年の1月1日から12月31日までに発生した利益から必要経費を差し引いた「所得金額」が所得控除の合計を超えて、超過した所得にかかる税額が配当控除と年末調整の住宅借入金等特別控除金額を超える人です。

ただし、この条件に当てはまるときに必ず確定申告が必要になるわけではなく、給与所得が一定金額以下で給与所得と退職所得が一定金額以下の場合は免除されるなど、いくつか免除される条件があります。

この他に確定申告が必要な場合として、「公的年金などの「雑所得」の金額から所得控除を除いて残額が残る」「外国企業などから受け取った「退職所得」がある」、「この他の所得があり、所得税額から配当控除額を除いて残額が出る」場合があります。

確定申告でのFXの扱いとは

差金決済による差益が生じた場合

他の所得と区分し、「先物取引に係る雑所得等」として、所得税15%(他に地方税5%)の税率で課税されます(申告分離課税)。

なお、「先物取引に係る雑所得等」とは、一定の先物取引による事業所得の金額、譲渡所得の金額および雑所得の金額の合計額をいいます(「先物取引に係る雑所得等」の制度の概要等については、コード1522を参照してください。)。

(注)平成25年から平成49年までの各年分の確定申告においては、所得税と復興特別所得税(原則として、その年分の基準納税金額の2.1%)を併せて申告・納付することになります。

差金決済による差損が生じた場合

他の「先物取引に係る雑所得等」の金額との損益通算は可能ですが、「先物取引に係る雑所得等」以外の所得の金額との損益通算はできません。

しかし、他の「先物取引に係る雑所得等」と損益通算をしてもなお引ききれない損失の金額は、一定の要件の下、翌年以後3年内の各年分の「先物取引に係る雑所得等」の金額から控除することができます(詳細はコード1522、コード1523を参照してください。)。

(注)1 平成23年12月31日以前に行われた店頭取引の場合の課税関係は次のとおりです。

イ・差金決済による差益が生じた場合:一般的には、雑所得として総合課税の対象となりますので、課税総所得金額に応じた税率(超過累進税率)で課税されます。

ロ・差金決済による差損が生じた場合:上記イのとおり、一般的には雑所得とされることから、雑所得の範囲内での損益の通算は可能ですが、他の各種所得の金額との損益通算はできません。

なお、取引所取引に係る「先物取引に係る雑所得等」の金額との損益の通算もできません。

(注)2 平成24年1月1日以後に行う店頭取引であっても、金融商品取引法に規定する店頭デリバティブ取引に該当しない取引は、申告分離課税ではなく、注1の取扱いとなります。

引用:No.1521 外国為替証拠金取引(FX)の課税関係|所得税|国税庁

確定申告では「申告分離課税」の対象になるFXの所得

所得税は全ての所得金額を合計した総所得金額を求めた上で、総所得金額にかかる税額を計算して確定申告でその税金を納める「総合課税」が原則です。しかし、一部の所得については、他の所得金額と合計せず、分離して税額を計算する「申告分離課税制度」を採用しています。

申告分離課税の対象となる所得はいくつかありますが、FXの取引で得た所得は「先物取引に係る雑所得等」として、雑所得として扱われます。

確定申告で申告する税金の内訳は「所得税」と「住民税」

所得に対してかかる「所得税」

所得税は個人の所得に対して課される税金であり、利子所得や配当所得、不動産所得など10種類の所得に分類した上でそれぞれの計算方法が定められています。FXで発生した所得は「雑所得」の扱いとなり、申告分離課税の対象です。

店頭FXは当初総合課税の対象でしたが、2012年(平成24年)分の確定申告から「先物取引に係る雑所得等」として申告分離課税の対象となり、店頭FXと各種先物取引の間で損益通算ができるようになりました。

前年の収入に対してかかる「住民税」

都道府県や市区町村などの地方自治体が行政サービスを実施するために徴収する税金を、「住民税」といいます。

所得税と一緒に納めたり、似たような控除制度があったりとさまざまな点で所得税と一体として扱われていますが、所得税は前年の所得に対してかかるのに対して、住民税は前年の収入に対してかかるという違いがあります。

知っておきたい「損益通算」と「繰越控除」とは

損失を他の所得から控除する「損益通算」

損益通算とは、損失のうち一定のものを一定の順序にしたがって、総所得金額や退職所得金額、山林所得金額等を計算するときに各種所得の金額から控除できる仕組みです。

FXであれば、FXサービス間だけではなく、商品や先物指数などの「先物取引」との損益通算が可能となっています。

損失を持ち越して利益と相殺する「繰越控除」

損益がマイナス(損失)であれば、翌年から3年間はくりっく365を含むFXで発生した利益から損失を控除することで見かけの利益を圧縮する「繰越控除」の対象になります。

繰越控除の適用を受けるためには、損失の金額が生じた年から対象となる年まで、取引の有無に関わらず継続して確定申告をする必要があります。

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おわりに

今回は確定申告の対象となる場合や、FXにかかる税金の種類やその内容を見てきました。今回見てきた内容は一般的な例なので、ほかの所得の有無によって確定申告の内容は違ってきます。

疑問点・不明点はそのままにせず、証券会社の特設ページや税務署の相談コーナーなどで解消して、間違いのない内容で申し込みができるようにしましょう。

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