トレーダー保護のための仕組み「ロスカット」を徹底解説

FXの強制ロスカットルールとは?ロスカットの計算方法

原則24時間取引ができる外国為替証拠金取引(FX)は、ファンダメンタルな情報を価格に織り込むまでの時間が極めて短く、ポジションによっては一晩で利益が損失に転じることもあります。

急激な為替レートの変動に対してトレーダー保護の仕組みとして設定されているのが、「マージンコール」と「ロスカット」です。今回このうち、実際に取引に影響する「ロスカット」について見てみましょう。

FXトレーダー保護のための仕組み「ロスカット」

FXトレーダー保護のための仕組み「ロスカット」

「ロスカット」とは、FXの取引でポジションに対して含み損が大きくなりすぎたときに自動的におこなわれる強制決済のことをいいます。

相対取引が基本のFXには、市場取引が基本の株式のように「ストップ高」「ストップ安」といった値幅制限の仕組みがありません。

高いレバレッジをかけた取引により大きな利益を期待ができる反面、思惑通りに動かなければ預けている証拠金では足りないくらい大きな損失をこうむる可能性もあります。

FXトレーダーの保護のためにこのようなリスクを回避する仕組みとして設定されているのがロスカットです。

ロスカットに至るまでの大まかな流れ

ロスカットに至るまでの大まかな流れ

ロスカットの対象となるのは、必要証拠金が設定されている証拠金維持率(ロスカットレベル)を下回ったときですが、ロスカットまでにはいくつかの段階があります。その流れを見てみましょう。

証拠金維持率100%

証拠金維持率100%の状態は必要証拠金と証拠金残高が一致している状態であり、既に保有しているポジションに影響はないものの、新たにポジションを持つことはできません。

また、一部のFXサービスでは証拠金維持率が100%を下回った時点でロスカット対象としていることもあります。

証拠金維持率100%から50%…マージンコールの対象

証拠金維持率が100%を下回ると、一部のFXサービスでは証拠金維持率が低下しているトレーダーに対して、証拠金の不足を警告する「マージンコール」を発します。

マージンコールを受け取った場合、トレーダーは指定の期日までに追加の証拠金を入金するか、保有しているポジションの一部を決済して証拠金維持率を回復させる必要があります。

証拠金維持率50%から25%…ロスカットの執行

証拠金維持率が50%を下回ると、ほとんどのFXサービスではそのポジションに対してロスカットを執行します。ロスカットが執行された取引は損失が確定しますが、しかし証拠金以上の損失が発生することを防いでくれます。

ロスカットを適用されないための3つのポイント

ロスカットを適用されないためのポイント

FXトレーダー保護のための仕組みとは言っても、ポジションの強制決済だけではなく証拠金も失うことにもなるロスカットはできれば避けたいところ。ロスカットの対象とならない取引のためには、どのようなポイントに注意すれば良いのかを見てみましょう。

むやみに高いレバレッジで取引をしない

ロスカットを適用されない取引のためにもっとも効果的なのは、むやみに高いレバレッジをかけた取引をしないことです。

現在のFX取引は度重なる規制によりレバレッジ25倍が上限となっていますが、他の金融商品と比べてはるかにリスクが高い取引をおこなっているため、大きな利益を期待できる反面、大きな損失が生じる可能性もあります。

むやみに高いレバレッジをかけた取引にこだわらず、取引する通貨ペアや為替レートのトレンドなどを吟味して適切なレバレッジを選ぶことが安定した取引のポイントとなります。

証拠金全額を取引に使わない

適切なレバレッジをかけた取引とあわせて注意したいのが、預けた証拠金を全て取引に使わないことです。

証拠金維持率は取引に利用していない証拠金の金額に左右されるため、取引金額が増えるほど証拠金維持率は低くなります。たしかに預けたお金は効率よく使いたくなりますが、安定した取引のためにはある程度の余裕を見ておくことが重要です。

「損切り注文」を忘れない

適切なレバレッジ管理や過剰な取引をしないことと並んで有効なのが、ポジションの保有と同時に逆指値注文などであらかじめ「損切り注文」を発注しておくことです。

逆指値注文は指定した為替レートに達したらポジションを決済する指値注文を応用した注文方法であり、利益確定・損切りのための基本とも言える注文方法です。

おわりに

ここまで見てきたように、ロスカットの仕組みは、FXトレーダーに好まれていないもののFXトレーダーを保護するために設けられている仕組みです。

適切なレバレッジによる取引や損切り注文の活用などで、ロスカット対象とならない取引を続けることが、結果的に安定した利益につながると言えるでしょう。

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