覚えておきたい「災害救助法」とFXサービスのサポート

覚えておきたい「災害救助法」とFXサービスのサポート

平成最後の年となる2018年は、豪雪・豪雨や地震などの自然災害が相次いでいます。ここ数年は大きな自然災害に見舞われていない首都圏も、遠くない将来には南海トラフ地震による大きな被害を受けることが予想されています。

そこで知っておきたいのが、災害に対する方針を定めた法律である「災害対策基本法」と「災害救助法」です。特に災害救助法は被災したあとの生活再建を大きく左右するため、使いこなせるかどうかでその後の生活再建の難易度は大きく変わります。

今回は、災害対策基本法と災害救助法の概要と、災害救助法で受けられる援助について見てみましょう。

災害に対する方針を定める2つの法律

災害に対する行動を定めた「災害対策基本法」

災害対策基本法は、「国民の生命、身体及び財産を災害から保護し、もって、社会の秩序の維持と公共の福祉の確保に資することを目的とする」ことを目的として、防災に関する責務の明確化や防災計画・組織、災害対策の推進を明確化した法律です。

国や地方自治体が計画・実施する防災計画は、基本的にこの災害対策基本法に定める範囲内で立案されています。

被災者に対する支援内容を定めた「災害救助法」

事前の防災計画や発生後の活動内容について定めている災害対策基本法に対して、「災害に際して、国が地方公共団体、日本赤十字社その他の団体及び国民の協力の下に、応急的に、必要な救助を行い、災害にかかった者の保護と社会の秩序の保全を図る」ことで、被災者の救助を目的とするのが「災害救助法」です。

その性格から災害救助法の適用対象となる災害は限られていて、災害により市町村の人口に応じて、一定数以上の住家に大きな被害(滅失)がある場合などに適用されることが定められています。

災害救助法で実施される金融機関の対応とは

幅広い救済が実施される災害救助法

災害救助法では被災者の生活再建をサポートするため、支援できること・できないことが定められていて、国や地方自治体、金融機関などはその範囲内でのさまざまなサポートが求められます。

特に生活再建に必要なお金を預かっている銀行や証券会社などの金融機関に求められる救援の範囲は広く、災害救助法の適用対象となる災害が起きると、日本銀行(日銀)から銀行や証券会社などの金融機関に対して、次のような通知が出されます。

銀行、信用金庫、信用組合などに求められる対応

  • 届出の印鑑のない場合には、拇印にて応ずること。
  • 事情によっては、定期預金、定期積金などの期限前払い戻しに応ずること。
  • また、当該預金などを担保とする貸付にも応ずること。
  • 今回の災害による障害のため、支払期日が経過した手形については関係金融機関と適宜話し合いのうえ取立ができることとすること。
  • 今回の災害のため支払いができない手形・小切手について、不渡報告への掲載及び取引停止処分に対する配慮をすること。また、電子記録債権の取引停止処分又は利用契約の解除などについても同様に配慮すること。
  • 損傷した紙幣や貨幣の引換えに応ずること。
  • 国債を紛失した場合の相談に応ずること。
  • 災害の状況、応急資金の需要などを勘案して、融資相談所の開設、融資審査に際して提出書類を必要最小限にするなどの手続きの簡便化、融資の迅速化、既存融資にかかる返済猶予などの貸付条件の変更など、災害の影響を受けている顧客の便宜を考慮した適時的確な措置を講ずること。
  • 「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」の手続き、利用による効果などの説明を含め、同ガイドラインの利用に係る相談に適切に応ずること。
  • 休日営業又は平常時間外の営業について適宜配慮すること。
  • 窓口における営業が出来ない場合であっても、顧客及び従業員の安全に十分配慮した上で、現金自動預払機などにおいて預金の払い戻しをするなど、災害被災者の便宜を考慮した措置を講ずること。
  • 実施店舗にて店頭掲示をするとともに、可能な限り顧客に対し広く周知するよう努めること。
  • 営業停止などの措置を講じた営業店舗名など、及び継続して現金自動預払機などを稼動させる営業店舗名などを、速やかにポスターの店頭掲示などの手段を用いて告示するとともに、その旨を新聞やインターネットのホームページに掲載し、顧客に周知徹底すること。

証券会社などに求められる対応

  • 届出の印鑑を紛失した場合でも、災害被災者の被災状況などを踏まえた確認方法をもって本人であることを確認して払い戻しに応ずること。
  • 有価証券紛失の場合の再発行手続きについての協力をすること。
  • 災害被災者から、預かり有価証券などの売却・解約代金の即日払いの申し出があった場合に、可能な限り払い戻しに応ずること。
  • 実施店舗にて店頭掲示などをするとともに、可能な限り顧客に対し広く周知するよう努めること。
  • 窓口営業停止などの措置を講じた場合、営業停止などをする営業店舗名などを、速やかにポスターの店舗掲示などの手段を用いて告示するとともに、その旨を新聞やインターネットのホームページに掲載し、顧客に周知徹底すること。
  • その他、顧客への対応について十分配意すること。

FXサービスでは電話対応が基本

災害救助法では基本的に金融機関に対して店頭での対応が求めていますが、FXサービスを含むインターネット専業証券会社(ネット証券)はコスト削減のために店舗を設置していないことが珍しくありません。そのため、FXサービスの対応はコールセンターやサポートセンターでの電話対応が基本となります。

おわりに

相次ぐ豪雪・豪雨や、間もなく起こると言われている南海トラフ地震など、先進諸国の中でも日本は自然災害の被害が多い国の1つです。

災害対策基本法と災害救助法はこのような状況に備えて用意されている法律であり、災害救助法が適用されるかどうかは、生活再建を速やかに進めるためにも注目したいポイントです。

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