日本の金融政策を決める「金融政策決定会合」とはどのようなものか

金融政策決定会合_アイキャッチ

 

日本銀行(日銀)やECB(European Central Bank = 欧州中央銀行)、FRB(Federal Reserve Board = 連邦準備制度理事会)に代表される各国中央銀行やその役割を担っている組織は、定期的に現在の経済動向と今後の金融政策について話しあう会合を行なっています。

その内容は外国為替市場だけではなく、株式市場や債券市場をはじめとする金融市場に対して大きな影響を与えるため、その内容は注目を集めています。

今回はこれらの中央銀行の定例会合の中でも、日銀がおこなう「金融政策決定会合」について見てみましょう。

 

日本銀行の「金融政策決定会合」とはなにか

日本の金融政策を決定する様々な会合のうち、もっとも重視されている日本銀行(日銀)の「金融政策決定会合」とは、どのような会合でしょうか。

金融政策決定会合とは、日銀の最高意思決定機関である政策委員会の会合のうち、年8回の頻度で開催される金融政策の運営に関する事項を審議・決定する会合のことを言います。

 

金融政策決定会合では、諸外国の中央銀行やそれに相当する組織と同様に、

  • 経済・金融情勢に関する基本的見解
  • 金融市場調節方針
  • 基準割引率、基準貸付利率および預金準備率
  • 金融政策手段(オペレーションにかかる手形や債券の種類や条件、担保の種類等)

などについて議論されます。

 

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この会合では現在の経済動向と、それを踏まえた今後の金融政策が決定・公表されるため、市場関係者から今後の金融市場の動向を予測するために欠かせない材料として大きな注目を集めます。

バブル崩壊後の長引く不況とデフレ経済から抜け出すために、日銀は量的緩和政策や世界に先駆けたゼロ金利政策の導入などをはじめ、様々な金融政策を採用・実施してきました。

しかし金融政策に続く財政政策の失敗や、世界経済の失速をはじめとする様々な要因により、その効果は思わしくないまま終わります。

 

現在の日銀総裁である黒田東彦(くろだ・はるひこ)氏は、安倍晋三首相が進める経済政策である「アベノミクス」と歩調を合わせて、デフレ経済を抜けだすために年間2%のインフレ目標を掲げ、その達成のために「異次元の金融緩和」を強力にすすめています。

その政策は文字通り異次元の内容であるため、黒田総裁は歴代の日銀総裁の中でも注目度の高い1人と言えます。

 

金融政策決定会合はどのような形でおこなわれるのか

金融政策決定会合のメンバーは日銀総裁1名と副総裁2名、審議委員6名の計9名で構成され、会合で決定された金融政策は速やかに公表されます。

日銀総裁・副総裁を含めた会合に参加する委員は、衆議院・参議院両院の同意を経て内閣が任命します。

 

政府を代表して財務大臣および経済財政政策担当大臣(経済財政政策担当大臣が置かれていないときは、内閣総理大臣)や、それぞれの指名する職員が参加することもありますが、大臣や職員には議決権はありません。

 

大臣や指名された職員は、必要に応じて会合に出席することで、

  • 意見を述べること
  • 議案を提出すること
  • 次回会合まで議決を延期することを求めること

ができます。大臣や職員から議決延期の求めがあれば、政策委員会は議決延期について採否を決定します。

 

金融政策決定会合は、政令の定めるところにより、政策委員会議長(現在の議長は総裁)が定期的に招集します。

しかし議長が必要と認めたときや、政策委員会のメンバーの3分の1以上が議長に招集を求めれば、日本銀行法第17条に基づいて臨時に開催することも可能です。

 

金融政策決定会合では何が決定されるのか

このような形で定期的に開催される金融政策決定会合ですが、実際にこれまでどのような金融政策が決定・実施されてきたのでしょうか。

 

バブル崩壊から現在までの主な金融政策を見てみると、

  • 大蔵省(当時)の「総量規制」通達と連動した公定歩合の急激な引き上げ(1990年)
  • 金利を限りなくゼロに近づける「ゼロ金利政策」の導入(1998年)
  • 資産(国債)を直接買い上げる「量的金融緩和」の導入(2001年)
  • アベノミクスと歩調を合わせた「異次元の金融緩和」の開始(2013年)
  • スイスに続く2例目の「マイナス金利政策」の導入(2016年)

などが大きな注目点としてあげられます。

 

日銀が実施したこれらの金融政策は、実施が遅く、金額が少なかったために期待通りの効果をあげることはほとんどありませんでした。

しかしその後のリーマンショックと、それに続く世界金融危機に対処するべくFRBが実施した3回に渡るQE(Quantitative Easing = 量的緩和政策)では、日銀がおこなってきたこれらの政策が極めて大規模に実施されるなど、その先見性については一定の評価が下されているようです。

 

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おわりに

長引くバブル崩壊後の低迷とデフレ経済から抜けだすべく、日本の金融政策の司令塔である金融政策決定会合はこれまで様々な金融政策を採用・実施してきました。

しかしどの金融政策も、その効果は思ったほどのものではなく、現在の黒田総裁が進めている「異次元の金融緩和」にしても、世界経済の減速に影響されてその効果を失いつつあります。

既に禁じ手とも言える「マイナス金利政策」など、なりふり構わない日銀がとる金融政策は、注目したい材料の1つです。

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