FXをはじめる前に。知っておきたい外国為替・FXの仕組み

はじめる前に知っておきたい!外国為替・FXの基礎知識

少ない資金で効率的に取引できることから、新たな外貨投資の方法として注目を集めている「外国為替証拠金取引(FX)」。少額の資金でも大きなリターンが期待できることで人気を集めていますが、同時に大きなリスクでもあります。リスクを避けてリターンを得るためには、正しい知識を知ることが欠かせません。

今回は、FXの取引の舞台である外国為替市場や通貨高・通貨安の仕組みをはじめ、取引の専門用語や注文方法、おすすめのFXサービスなど、FXを徹底解剖します。

目次

外国為替証拠金取引(FX)の仕組み

外国為替証拠金取引(FX)は、外国為替取引のうち、一定の証拠金(担保)を差し入れることでレバレッジをかけた取引ができるものをいいます。FXでは預けた資金は取引の売買代金に充てずに「証拠金」として別に取りあつかうため、実際にやり取りをするのは取引を決済することで発生した損益(差金)だけです。

外貨預金代わりから投機まで。さまざまな活用方法があるFX

FXではレバレッジに応じて、リスクとリターンの異なるさまざまな活用方法が考えられます。低レバレッジなら低い為替手数料を活用した外貨預金として、高レバレッジでは短期間でのまとまった為替差益を狙うハイリスク・ハイリターンな取引ができます。

どのような取引を中心とするかは、資金の余裕や外国為替市場の状況、何よりもどれだけの損失に耐えられるかのリスク許容度に応じて決定しましょう。

通貨の価値は動く。外国為替市場の通貨安・通貨高とは?

通貨の価値の値動きを利用するFX

お金の交換レートである為替レートは、さまざまな理由によりリアルタイムで動き、通貨安・通貨高の関係はその都度いれかわります。通貨を取引対象とするFXでは、この通貨安・通貨高について知る必要があります。

通貨の価値が低くなる「通貨安」

日本円から米ドルに両替するときに「1ドル=80円」から「1ドル=100円」に為替レートが変動する場合で見てみましょう。同じ1ドルをに両替するためにもより多くの日本円が必要となるため、円の価値が低くなり(円安)、ドルの価値が高くなった(ドル高)と言えます。

通貨の価値が高くなる「通貨高」

通過やすとは反対に、為替レートが「1ドル=100円」から「1ドル=80円」に変動すると、1ドルを両替するのに必要な日本円が少なくなるため、日本円の価値が高くなり(円高)ドルの価値が低くなった(ドル安)と言えます。

FXの最大の魅力「レバレッジ」とは?

資金効率の良い取引を実現する仕組み「レバレッジ」

FXの最大の魅力である「レバレッジ」は、担保となる手元の資金(取引保証金)の数倍から数十倍の金額を取引できる仕組みです。レバレッジをかけた取引では為替レートのわずかな値動きがレバレッジの倍率だけ増幅されるので、資金効率の良い取引が簡単に実現できるのが魅力です。

レバレッジはリターンもリスクも拡大する

資金効率の良い取引に欠かせないレバレッジですが、為替レートの値動きを倍率分だけ増幅するため、高レバレッジの取引では、わずかな値動きでも大きな損失をこうむるリスクがあります。

値動きの激しい通貨や為替レートの動向が読めないときは、無理をせず低いレバレッジでの取引にする勇気も必要です。

金利差から発生する「スワップポイント」とは?

金利差分を埋め合わせる「スワップポイント」

通貨の組み合わせ(通貨ペア)を取引するFXでは、通貨ペアによって金利差が生じることがあります。この金利差を埋め合わせるために付与されるのが、「スワップポイント」です。

スワップポイントは低金利通貨を売って高金利通貨を買う取引で発生しますが、歴史的な超低金利が続く日本円を中心とする取引では、FXの中でも比較的安定した利益が期待できるものとして期待されています。

取引によってはスワップポイントを支払うこともある

安定した利益が期待できるスワップポイントですが、高金利通貨を売って低金利通貨を買う取引では受け取りではなく支払いになるため、売り取引か買い取引かには注意が必要です。

押さえておきたい。FXの取引の流れとは

買ってから売るまで。3つの行動が1つのサイクル

FXの取引の大まかな流れを見ると、

  1. 【1】外貨の取引を注文して
  2. 【2】為替レートの変動を見ながら外貨を持ち
  3. 【3】持った外貨を手放す

までが一連の流れとなります。これをFXの用語に置き替えると、【1】新規注文 →【2】ポジション保有 →【3】決済注文となり、一連の流れを終わらせた時点で取引が完了して損益が確定します。

決済注文が成立するまで取引は完了していない

すべては「新規注文」を出すことからはじまり、「ポジションを保有」して利益が出るタイミングを待ち、利益が出そうなタイミングで「決済注文」を出すと損益が確定し、取引は終了です。

スワップポイントなどでポジションを長く持つ仕組みも用意されていますが、やはりFXではポジションを決済するまでが取引の流れとなります。

取引で生じる最大のコスト「スプレッド」とは?

通貨の売値(Bid)と買値(Ask)の差である「スプレッド」

為替レートの値動きを利用して通貨の売り買いをするFXでは、通貨を売るときの値段(Bid)と買うときの値段(Ask)にわずかなズレがあり、この差額を「スプレッド」と言います。

一般的に外国為替市場での取引量の多い(人気)の通貨との通貨ペアのスプレッドは狭く、取引量の少ない(不人気)通貨との通貨ペアのスプレッドは広くなる傾向があります。

スプレッドは変動する。その理由とは?

ほとんどの国内FXサービスではスプレッドは原則固定で提供されていますが、為替レートの値動きが激しいときにはその限りではありません。特に各国の中央銀行の金融政策の発表前後や、重要な経済指標の内容によって為替レートの値動きは大きくなるため、これらの発表前後はスプレッドが広がりやすい傾向があります。

損失の拡大を防ぐ「ロスカット」とは?

一定レベルの損失でポジションを手放す「ロスカット」

ロスカットとは、ポジションの損失が一定レベルに達したときに、それ以上の損失の拡大を防ぐために、対象ポジションを強制決済する仕組みです。

取引を強制的に打ち切るロスカットはあまり好まれない仕組みですが、ロスカットがないと証拠金を全額うしなうだけにとどまらず、追加証拠金(追証)を求められるリスクが大きくなります。

ロスカットは絶対ではない

投資家保護の仕組みとして導入されたロスカットですが、2015年1月のスイスフラン・ショックのように、あまりに急激な値動きには対応しきれないことがあります。相場があまりにも急激に予想と反対方向へ進んだ場合は、証拠金以上の損失が発生するリスクもあるため、余裕のある証拠金と低いレバレッジの取引によるリスク管理は欠かせません。

取引する通貨の違い。「メジャー」と「マイナー」

FXまとめの中間アイキャッチ

流動性と信用で決まる「メジャー」と「マイナー」

外国為替市場で取引される通貨には「メジャーカレンシー」と「マイナーカレンシー」という区分があります。その区分の判断の元になるのは、リクイディティ(流動性)の高さであり、基本的に米ドルやユーロ、日本円、英ポンド、スイスフランなどのメジャーカレンシー以外は、全てマイナーカレンシーとなります。

メジャーカレンシーでは値動き以外のリスクが注目されることはまずありませんが、マイナーカレンシーでは、流動性に限らず制度面や信用面で問題が発生するリスクがあるため、取引には十分な注意が必要です。

取引の基本は、取引の基準となる基軸通貨のドルかユーロ

メジャーカレンシー・マイナーカレンシーとは違う通貨の括りとして、「基軸通貨」があります。これは、国際決済や金融取引などで基準となる特定通貨であり、世界の貿易決済や金融取引などで幅広く利用されることから、世界の価値基準として認められる通貨です。

第二次世界大戦前までは大英帝国(イギリス)の繁栄を背景にイギリスポンドが基軸通貨の座にありましたが、第二次世界大戦終結後にアメリカが西側世界の主役となったことで、米ドルに交代しました。

超短期から長期まで、さまざまな投資方法があるFX

超短期の取引となる「スキャルピングトレード」

スキャルピングは、為替相場(為替レート)の上下の動きに注目した、素早い売買で薄く利鞘を抜くトレードスタイルです。重要指標などの為替レートが大きく動く時間帯を狙い、損切りはすばやく実行するのが取引のポイントです。

数日程度で取引を完結させる「デイトレード」

デイトレードはスキャルピングトレードよりも長い数時間から数日程度の時間軸を持ち、短い期間の為替差益を狙うトレードスタイルです。スキャルピングトレードほどではありませんが、やはりハイリスク・ハイリターンな取引となるため、損切りをすばやく判断することが取引のポイントとなります。

スワップポイントも視野に入る「スイングトレード」

スイングトレードは、最長で一か月程度の為替レートのトレンドに注目して、トレンドにのっとった売買により確実に為替差益を狙うトレードスタイルです。損切りには多少の余裕を持たせた上で、為替レートの値動きを追いかけるトレーリング注文の活用も視野に入ります。

一度の取引で大きな利益を狙う「ポジショントレード」

ポジショントレードは、数か月から年単位でポジションをキープすることで、一度の取引で大きな為替差益狙うのと同時に、ポジションの保有中にスワップポイントも狙うトレードスタイルです。

いくつかある取引スタイルの中でも、もっとも長い時間軸での取引となるので、豊富な資金と低いレバレッジ、時間分散によるリスク管理が重要なポイントとなります。

投資方法ごとのまとめ

投資期間 目安のレバレッジ リターンの狙いかた 取引のポイント
スキャルピングトレード 超短期(数秒~数分) きわめて高い 為替差益 利確・損切りを徹底する
デイトレード 短期(数分~数日) 高い~きわめて高い 為替差益 利確・損切りを徹底する
スイングトレード 中期(数日~数か月) 低い~高い 為替差益+スワップポイント(買い取引の場合) 為替レートのトレンドを追いかける。トレーリング注文の活用なども検討
ポジショントレード 長期(数か月~年単位) きわめて低い~低い 為替差益+スワップポイント(買い取引の場合) 資金やレバレッジ、時間分散によるリスク管理が重要

裁量取引と自動売買。FXの取引方法の違い

全て自分で判断する「裁量取引」とは?

裁量取引とは、「その人の判断にしたがって取引する」ことをいいます。具体的には、チャートやニュースなどを判断材料に買いから入るか売りから入るか、ポジションがあるなら手放す(決済する)かを考えます。

裁量取引では相場のトレンドに合わせた柔軟な取引が期待できる反面、ポジションを決済するべき場面でも欲をかいて持ちつづけることで損失が生じるリスクがあるなど、良くも悪くも人間の思惑に左右される取引といえます。

取引を自動化できる?「自動売買」

このような裁量売買に対して、そうした感情的・主観的なことを一切排除した、例え上で過去のデータなど一定のルールに基づいて取引をするのが「自動売買」です。この自動売買をプログラムに任せる取引を「アルゴリズムトレード(システムトレード)」と言います。

メンタルに起因するミスをあらかじめ排除できたり、「レンジ相場」や「ボックス相場」と呼ばれる一定の値幅で行き来する相場に強いというメリットがありますが、事前の想定から外れる値動きをしたときには弱いのがデメリットです。

一長一短の裁量取引と自動売買

このように裁量取引と自動売買、自動売買をコンピュータ化したアルゴリズムトレード(システムトレード)にはそれぞれ一長一短があります。そのため、ボックス相場では自動売買やアルゴリズムトレードを使い、指標発表前後や重要なニュースの発表に合わせて裁量取引を使うといった使い分けが有効です。

どちらの取引でも、為替の動きを監視しながら取引をすることはもちろん、「どれだけの損失まで許容できるか」をよく検討した上で、その範囲内で取引をするなどのリスク管理が重要です。

おわりに

為替取引の仕組みやその仕組みを利用する外貨取引である外国為替証拠金取引(FX)がどのようなものかをさまざまな面から見てきました。実際の取引では、為替レートの動向の分析や取引をサポートするアノマリーなど、より奥深い要素が無数にあります。

ここまで見てきた内容を参考に、新しい資産運用であるFXの取引をはじめてみませんか。

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