危険な取引?「塩漬け」と「ナンピン」とはなにか

危険な取引?「塩漬け」と「ナンピン」とはなにか

外国為替証拠金取引(FX)の取引で「やってはいけない」と言われている取引方法の代表格が「塩漬け」と「難平(ナンピン)」です。しかし、実際の取引では塩漬けとナンピンは避けることが難しい取引方法でもあります。

今回は、塩漬けとナンピンの考えかたと、実際に取引で利用したときに考えられるメリットとデメリットを見てみましょう。

「塩漬け」と「難平(ナンピン)」とはなにか

損失を抱えたままポジションを持つ「塩漬け」

そもそも塩漬けと難平(ナンピン)とは、どのような取引方法なのでしょうか。1ドル=100円の為替レートのときに、買い注文で米ドル/日本円(USD/JPY)の通貨ペアをレバレッジ1倍で1万通貨単位(100万円)を保有したと仮定して、塩漬けとナンピンがどのようなものかを見てみましょう。

1ドル=100円での買い注文なので、為替レートが円安方向に推移することを期待した取引でしたが、為替レートは円高方向に推移して、1ドル=95円となりました。

この時点で損切り注文を出せば、この取引の損失は、

  • 5(円)×1万(通貨単位)=5(万円)

となりますが、このときに損切り注文を発注せず、トレンドが円高方向に転換することを期待して、そのままポジションを持ちつづけることにしました。

このように事前の期待と違ったり事前に決めた以上の損失が生じたりしたときに、含み損を抱えたままポジションを持ちつづけることを「塩漬け」と言います。

含み損を抱えたタイミングで買い増しする「難平(ナンピン)」

塩漬けしたポジションは、外国為替市場のトレンドによってその扱いは大きく変わります。

塩漬けしたときの期待通りにトレンドが円高から円安になれば、含み損が解消されていつでもポジションを処分できます。しかしトレンドがそのまま続き、塩漬けしたときよりもさらに円高が続けば、含み損はさらに大きくなるだけではなく、ロスカットの可能性が見えてきます。

ここで「ポジションの買い増しによって、含み損が解消される為替レートを引き下げる」ことを「難平(ナンピン)」と言います。含み損の解消が早まることが期待できるナンピンですが、証拠金残高が減少するため、ロスカットの対象となる危険性が高まる諸刃の剣でもあります。

塩漬けとナンピンは取引にどう影響する?

「インカムゲイン」が期待できる

このようにポジションを持ち続ける「塩漬け」と、ポジションを買い増す「ナンピン」は、それぞれ取引にどのように影響するのでしょうか。

塩漬けもナンピンもポジションを持ち続けるため、金利差の大きい通貨ペアであれば、スワップポイントによる利益(インカムゲイン)が期待できます。極端なことを言えば、損切りに失敗して塩漬けになっても、インカムゲインで利益が出るまで持ち続けていれば、損益を見ればプラスと言えます。

資金管理に大きなリスクを抱える

塩漬けとナンピンはメリットよりもデメリットが大きい注文方法として知られていますが、その中でももっとも大きいのが、資金管理に大きなリスクを抱えることです。

塩漬けやナンピンにしているポジションの分だけ証拠金はその取引に拘束されるため、取引の自由度は低下します。それだけにとどまらず、証拠金維持率が落ち込むのでロスカット対象となる可能性も大きくなるのです。

損失が大きくなる可能性が大きい

塩漬けやナンピンは、ポジションを持ち続けたり買い増すことで為替レートの好転を待つ取引方法ですが、ポジションに不利なトレンドが続く可能性は否定できません。こうなるとさらに大きな含み損が生じるだけではなく、ロスカットの対象となる可能性も高くなります。

また、損失を抱えたまま取引を続けていると、心理的・金銭的な負担は無視できるものではありません。最終的な利益を狙う取引方法である塩漬け・ナンピンですが、メリットは大きいものの、デメリットも無視できないことがわかります。

塩漬けとナンピンをしないためには?

このようにデメリットが無視できない塩漬けとナンピンですが、システムとして予防する仕組みは導入されていません。塩漬けやナンピンをしないためには、投資家自身が決めたルールを設定して、そのルールを守れるかが重要です。

ルールを守って取引をするためには取引を全て自分でおこなう「裁量取引」だけではなく、事前に設定した条件にしたがって取引をする「自動売買(システムトレード)」の導入を検討したいところです。

おわりに

成功すれば大きなリターンが期待できる塩漬けとナンピンですが、成功したときを上回るデメリットがある注文方法です。

取引に取り入れるのであれば、そのメリットとデメリットを理解した上で、システムトレードの導入などの対策により、できるだけリスクを小さくする必要があるといえるでしょう。

このコラムに関連する記事

チェックリスト: 0 件
開く
全クリア
TOP