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2010年7月アーカイブ

昨年、14年ぶりとなる1ドル=85円台をつけた円相場だが、今年はそれ以上に円高に振れる可能性がある。ここにきて円相場はのぼり調子であり、7月13日付けの英国フィナンシャル・タイムズ紙は「日本円への愛は終わりそうにない」として、ヘッジファンドや各国の中央銀行が円保有を増やしているとの記事を掲載している。また、CFTC(米国商品先物取引委員会)が公表するIMM(International Monetary of Chicago Mercantile Exchange)の「NON-COMMERCIAL(投機筋)」のポジションのデータを確認すると、7月6日時点で3.7万枚の円ロング(買い持ち)が、7月13日時点では4.7万枚と大きく膨らんでいる。過去の経験則では、ロング(買い持ち)が5~6万枚で円買いは一巡、つまり買われ過ぎとなるようだが、円ロング(買い持ち)はすでにその水準に限りなく近い状況だ。しかし日本は低金利、財政赤字、公的債務の増加など様々な問題を抱えており、魅力ある通貨とは決して言い切ることはできない。それでも円が買われるのはどのようなシナリオがあるのだろうか。

要因のひとつは金融市場の混乱を逃れる逃避先としての魅力だ。ギリシャ・ショックに端を発したユーロ圏での債務危機やそれに伴う世界経済への景気後退懸念から、比較的安全とされる円が見直されているようだ。また、日本と他国との金利差が縮小したことも要因のひとつだ。世界的な低金利政策で日本と他国の金利差は縮小し、円相場を支える一因となっている。最近では米国の長期金利(10年物国債)が3%を切り2%台へ入った。これは長期的に低金利が続くことを示唆しているようにも映る。また、ドルやユーロへの不安材料が多い中、保有資産の多様化を強いられた各国の中央銀行の存在も円相場を支える一因だ。特にアジア諸国を中心に円が準備通貨として一段と台頭しているとの声もある。

要因はひとつではなく多くの要因が絡み合い、最近の円高を支えている。この流れが続くようであれば、自然と注目は1995年4月19日に記録した市場最高値である79円75銭を試す動きになるのかということだろう。果たして本当に「日本円への愛は終わりそうにない」のだろうか。円が独歩高となる中、世界中で通貨「円」の存在感が大きくなっている。


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