2009年10月に、豪準備銀行(以下、RBA)は先の9月のG20の首脳声明での出口戦略について「回復が十分に確保された時点で実施する」との方針を採択したばかりに関わらず、予想外の利上げを実施した。その後、RBAは2010年1月の金融政策決定会合において利上げを見送っているものの、2009年11月、12月には各々0.25BPの利上げを実施している。こうした中、2010年2月のRBAの政策金利の発表は今後の出口戦略を占う上でも注目されていた。そこで今回はこのRBA政策金利発表時の値動きを検証すべくデモトレードを行ってみた。
まず、2010年2月2日 12:30(日本時間)にRBAの政策金利が発表されたわけだが、発表される前にポジションを作っておこうということで戦略をたててみた。配信されているニュースやここ最近のチャートを確認してみた。一部の著名レポートやアナリストが「今回の利上げはない」と予想をしているようだ。また、2010年1月以降はAUD/JPYは順調に値を下げており、利上げがあった際にはサプライズとしてとらえられ上昇に転じるであろうと判断し、AUD/JPYの買いから入ることとした。(参考:チャートA)
■チャートA![]()
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発表前の12:00ごろから当日の高安でフィボナッチを引き、押し目買いに徹していたわけだがなかなか約定にいたらず、にわかにAUDが上昇してきた。ここで買いから入る戦略が正解だと確信した。
12:20 発注していた指値を取消し、成行(マーケット)でAUD/JPY 50万通貨の買い注文を発注(@81.01で約定)。
12:29 発表を前にしてややAUD買いで反応し、評価益がでてきた。
12:30 一部レポートやアナリストの予想通り、「金利据え置き」を発表。しかしながらAUD/JPYは売りで反応、急落となった。この時点で完全な負けと判断し、仕方なく成行(マーケット)で一旦、売り決済を決行(@80.20で約定)。
当日10:53配信のニュース「10:45現在の【個人投資家オーダー状況】」を予め確認しておいたところ、AUD/JPYにおいては80.70~80.50はストップロスの売りが並んでいたことから、「この水準より下であれば押し目買いの好機となるのでは?」との判断をし、再度、買いから入ることとし、成行(ダイレクト)で50万通貨 買い注文を発注(@80.34で約定)。
12:33 売り一巡の判断をし、さらに買い追加。成行(マーケット)注文で50万通貨の買い注文を発注したつもりが、誤ってUSD/JPYの買い注文を発注してしまった。
12:34 改めて、AUD/JPYの買い注文を成行(マーケット)で50万通貨 発注(@80.32で約定)。誤って約定してしまったUSD/JPYの決済注文を発注・約定。
12:53 一段の下落となった上、依然として反発力なく、豪経済に相関関係が強い中国株式が軟調に推移していたことも考慮し、手仕舞いを決断し、AUD/JPYの決済注文を成行(マーケット)で発注(@79.83で約定)。(参考:ユーザーレポート)
■ユーザーレポート![]()
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結局、今回のトレードでは短時間にもかかわらず、一回目のAUD/JPYの買いポジションと2回目の買いポジションの手仕舞いで合計905,000円の損失という悲しい結果に終わってしまった。(誤って約定して手仕舞ったUSD/JPYだけが利益となったことがかえってむなしい・・・。)(参考:取引履歴報告書)
■取引履歴報告書![]()
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さて、なぜ負けてしまったのか?答えは明白だった。
そもそもの過ちは、事前予想(一般的にはこれがマーケットのコンセンサスとなろう)を完全に無視していたことである。一部レポートやアナリストの見解では確かにその予想通り「利上げなし」となったわけだが、あくまでこれは特異な予想であり、一般的なマーケットの事前予想では「0.25BPの利上げ」とされていた(これはGI24のニュースでも12:15に配信されている)。当然、「金利据え置き(利上げなし)」のニュースが伝われば、その結果は想像できる。
もう一つ過ちを犯していた。「金利据え置き」発表後、その声明の内容をも無視したこと。12:33のGI24で次のニュースが配信されている。「【RBA声明】しばらくの間、現行の水準で据え置くことが適切であると判断した」。今回の「金利据え置き」のみならず今後の利上げにも疑問符がつく内容だ。にもかかわらず、2度目の買いからのチャレンジを行っている。このニュースを確認していれば、2度目の損失は回避できていたかもしれない。
マーケットの動き(値動き)は米国雇用統計の発表時を彷彿させる速さで推移した。(参考:チャートB)この値動きに対応するべく正確に発注することは当然のことであるが、今回のトレードでは、それ以前に、事前予想を把握しておくこと(勿論、マーケットの動向次第では例え、予想通りの発表となっても「材料出尽くし」と判断されることも珍しくないが・・・)、発表された内容までを吟味すること、また配信されているニュースを正確に分析することの重要性を改めて知らされる結果となった。投資される方々が、事前に納得できる判断を行い、取引の意思決定や取引プランをたてることが肝要である。
■チャートB![]()
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