昨年の世界的な金融危機から徐々に落ち着きを取り戻してきた金融市場ですが、金融不安の後退を印象付ける出来事がありました。それは8月24日のロンドン銀行間取引金利(LIBOR)の3ヵ月物の円金利がドル金利をわずかながら上回ったのです。これは約16年ぶりとのことで新聞紙上などでも大きく報道されました。
振り返れば昨年のリーマン・ショック以降には、金融機関同士がお互いの破たんリスクを意識してドル金利が5%近くまで急騰しました。このときUSD/JPYのスワップポイントも銀行間取引金利の影響を受けて急騰しました。しかしその裏では、EUR/USDの通常受取であったスワップポイントが支払いに転じてしまうという現象も起きました。金融市場が大きな混乱状態であったことが容易に推測できるでしょう。
その後、米連邦準備理事会(FRB)が昨年12月に実質ゼロ金利に踏み切り、ドル資金の供給や米国債の買い取りなどの金融緩和を積極的に行った結果、徐々にドル金利は低下していきました。そして、今年5月に米金融機関を対象に実施したストレステスト(米金融機関の資産査定)の結果公表以降、ドル金利はさらに低下傾向を見せました。円金利も今年に入って以降は緩やかな低下傾向にあったのですが、ドル金利の低下スピードが速かったため金利の逆転現象が起きたようです。しかし、世界景気に底うち感が広がり、米連邦準備理事会(FRB)が先行して金融緩和からの出口戦略を探るのであれば、ドル短期金利上昇を促し再びドルと円の金利差が拡大するかもしれません。
今後の日米の金融政策に注目が集まりそうです。
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