先日、サッカーW杯の前哨戦ともいわれるコンフェデレーションズカップが南アフリカで開催され、ブラジルが大会2連覇を飾りました。来年に控えたサッカーW杯南アフリカ大会の影響もあり、現在、南アフリカに注目が集まっています。FX取引では、高金利通貨としてのイメージが強い南アフリカですが、一方では高い失業率や犯罪大国であることでも有名です。今回のお役立ちコラムではそんなに南アフリカにスポットを当ててみたいと思います。
駆け足で南アフリカの歴史を見ていくと、古くはヨーロッパ諸国の東方貿易の中継基地としてオランダの支配下にあった南アフリカですが、18世紀の終わり頃になると金やダイヤモンドの鉱脈を狙ってイギリスが入植し、19世紀にはイギリスの植民地となります。1910年に南アフリカ連邦(Union of South Africa)として独立しますが、白人労働者保護のための最初の人種差別法「鉱山・労働法」の制定以降、アパルトヘイト政策が本格的に進んでいきます。1994年にアパルトヘイト政策が撤廃されるまで黒人差別が横行し、1980年代後半には国際社会から激しい非難を浴びましたが、昨今では、資源価格の高騰を背景に急成長を期待される新興国のひとつとして注目を集めるまでになりました。
南アフリカは世界有数の資源国として広く知られています。世界一の金の産出国であり、またクロム・バナジウム・プラチナなどのレアメタル産出量も世界一を誇ります。ダイヤモンドなども有名で、南アフリカの総輸出額の約4分の1を、金をはじめとする貴金属類が占めています。このことから、南アフリカの通貨「ランド」は金価格の影響を強く受ける傾向にあります。政策金利は7.5%(09年6月時点)と取引通貨の中でも高金利通貨の代表格であり、スワップ金利を狙う投資家に人気がある通貨です。また、FXだけではなく南アフリカランド建て債券も高い人気があります。
南アフリカの政治・社会情勢はアフリカ諸国の中では比較的安定していますが、周辺諸国には政情が不安定な国が多く、周辺国で政情不安が起こった場合には、少なからず影響受けることになります。また、経済成長に伴う貧富の差の拡大や高い失業率が多数の犯罪を引き起こす要因となっていることも事実です。特に犯罪については、世界有数の犯罪多発国家であり、南アフリカでの殺人事件の発生率の日本の約50倍とも言われています。来年のサッカーW杯の開催に向けても、この治安問題は大きな課題となっており、南アフリカ政府も犯罪の抑制に躍起になっています。
雇用情勢の改善や犯罪の抑制は今後の大きな課題ですが、ここ数年南アフリカでは「ブラックダイヤモンド」と呼ばれる黒人中間層の拡大が目立っており、今後は彼らの所得水準向上が南アフリカ経済の成長を支える柱になるのではと期待されています。来年のサッカーW杯以降、経済成長が鈍化するのではとの見方もありますが、経済成長のポテンシャルを秘めた南アフリカは、アフリカの経済大国として、またBRICsに続くエマージングカントリーとして今後も目が離せません。
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