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有沢正一のマーケット・ナビ

有沢正一

日々激しく変化する内外の経済。しっかりと押さえておきたいポイントをアナリストの視点で解説します。

戻りを試すユーロ

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 注目されていた欧州銀行のストレステスト(資産査定)の結果が公表され、対象となった91行のうち7行が「不合格」となり、不足する資本の総額は35億ユーロ(約3,900億円)であった。内容は無難なもので市場に再びパニックをもたらすことはなく、ユーロ相場は落ち着きを取り戻しているように見える。対ドルでは1ユーロ=1.3ドル近辺まで値を戻し、もみ合っているが、これまで上値の節目になっていた1.3ドル近辺を抜けてくると、今度は1.3ドルが下値を支える壁になる可能性も大きい。
 ストレステストにおいては、ギリシャ国債の下落率(ヘアカット率)を23.1%に設定、しかも満期保有の場合はヘアカットなし、ということで「甘すぎる」との批判も強い。今回のユーロ動揺の発端はギリシャ国債への不安、つまりは「ソブリンリスク」。肝心のソブリンリスクを甘めに見積もってしまった以上、テスト結果への不満が残るのは仕方がない。今後、再びユーロの動揺を誘うような「何か」が起こった時には、このテストの不健全性が蒸し返されることになるだろう。
 しかし、一方で注意しておきたいのは、ドイツのIfo企業景況感指数やユーロ圏総合景気指数など、最近発表されたユーロ圏の景気指標が相次いで市場予想を上回っていることだ。ギリシャショックでマーケットが大騒ぎするほどには、実はユーロ圏の景気は悪くないのかもしれない。ここからは、ユーロ圏の景気指標をじっくり見極めるべきだろう。

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