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有沢正一のマーケット・ナビ

有沢正一

日々激しく変化する内外の経済。しっかりと押さえておきたいポイントをアナリストの視点で解説します。

2010年7月アーカイブ

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 注目されていた欧州銀行のストレステスト(資産査定)の結果が公表され、対象となった91行のうち7行が「不合格」となり、不足する資本の総額は35億ユーロ(約3,900億円)であった。内容は無難なもので市場に再びパニックをもたらすことはなく、ユーロ相場は落ち着きを取り戻しているように見える。対ドルでは1ユーロ=1.3ドル近辺まで値を戻し、もみ合っているが、これまで上値の節目になっていた1.3ドル近辺を抜けてくると、今度は1.3ドルが下値を支える壁になる可能性も大きい。
 ストレステストにおいては、ギリシャ国債の下落率(ヘアカット率)を23.1%に設定、しかも満期保有の場合はヘアカットなし、ということで「甘すぎる」との批判も強い。今回のユーロ動揺の発端はギリシャ国債への不安、つまりは「ソブリンリスク」。肝心のソブリンリスクを甘めに見積もってしまった以上、テスト結果への不満が残るのは仕方がない。今後、再びユーロの動揺を誘うような「何か」が起こった時には、このテストの不健全性が蒸し返されることになるだろう。
 しかし、一方で注意しておきたいのは、ドイツのIfo企業景況感指数やユーロ圏総合景気指数など、最近発表されたユーロ圏の景気指標が相次いで市場予想を上回っていることだ。ギリシャショックでマーケットが大騒ぎするほどには、実はユーロ圏の景気は悪くないのかもしれない。ここからは、ユーロ圏の景気指標をじっくり見極めるべきだろう。

本資料は情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。本資料の記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本資料の記載内容は、予告なしに変更することがあります。

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金相場が上昇、史上最高値圏での推移が続いている。これまで金は米ドルの信認が低下したときにドルの代替通貨として買われることが多かったのだが、今回の上昇はユーロやポンド、そして対円でも高値を更新しており、ほぼ全ての通貨に対して上昇している状況である。リーマン・ショックによる米ドルの信認低下に続いて、ギリシャ・ショックによるユーロに対する不信感で、どうやら世界中の通貨、「ペーパーマネー」そのものに対する不信が「現物通貨」とも言える金への人気につながっているようである。しかし、周知のように金には配当も利息もつかないので、いわば、その輝きだけが魅力の存在である。いつまでも金相場の上昇が続くようであれば、貨幣経済の根本が揺らぐことにもなりかねない。
そして、ちょっと気になることが一つある。日本ではこの数年間、金の輸出が輸入を上回る「出超」にあるのだが、昔から金は強い国に向かうとも言われている。ここ数年、金の動きは日本の国力低下を示唆しているのだろうか。

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 参院議員選挙で民主党が完敗、参議院で与党は過半数割れに追い込まれ、いわゆる「ねじれ国会」となり、政局の運営は困難さを増した。
 さて、今回の選挙結果をマーケットはどのように受け止めるだろうか。「政局不安は日本の景気回復を妨げるので円売り材料」「財政再建路線の後退で国債の需給悪化懸念から金利が上昇するので円高要因」あるいは「円安論者の菅総理大臣の発言力低下を招き円買いに安心感が出る」などの見方がある。
 今のところ、債券市場で目立った動きは見られず金利に変化はなく、株式市場もほぼ無反応、そして為替相場にも選挙の結果を反映するような動きは見られない。
 米国企業の四半期決算やEU圏銀行のストレスチェック(資産査定)など欧米で気になる材料があるだけに、選挙結果を受けた日本の政局混迷については、どうやら大した反応もないままに通り過ぎてしまいそうだ。

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 6月の米雇用統計は、〝予想通り〟悪かった。非農業部門の雇用者数(季節調整済み)は前月に比べ12万5000人の減少で、半年ぶりに減少に転じた。前月まで雇用者数を押し上げていた米政府の国勢調査に伴う臨時職員が22万5000人減ったことが主因であり、民間部門の雇用者数は8万3000人増加している。失業率は9.5%と前月から0.2ポイント改善し、昨年7月以来11ヵ月ぶりの低い水準になっている。
 雇用統計の内容については、その解釈が微妙になる。失業率の低下は、表面上は明るい材料に見えても、実態は求職をあきらめた人が増えた結果であって決して喜べない。民間部門の雇用者が8万3000人増加したことについては事前の予想(10万人増)を下回ったことを悲観すべきか、増加傾向が続いていることを評価すべきかで見方が分かれる。
 どちらにしても、これで年内の利上げはなくなったと考えるのが妥当だろう。そして、米国の景気回復について、ややピッチが鈍化したと考えるのか、あるいは回復自体が頓挫しかかっていると見るべきなのか、今後の米国景気指標が注目を集めることになりそうだ。

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