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有沢正一のマーケット・ナビ

有沢正一

日々激しく変化する内外の経済。しっかりと押さえておきたいポイントをアナリストの視点で解説します。

2010年6月アーカイブ

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ちょうど1ヵ月ほど前「6月4日に発表される5月の雇用統計次第では、米国の出口戦略、利上げに対する関心が高まり、ドルが外為相場の主役になる可能性もある」と書いた。残念ながら期待は全く以って裏切られ、雇用統計は予想を下回り米国の利上げ観測は遠のいた。
 さて、今週(現地時間2日)に発表される6月の米雇用統計はどうであろうか?市場では、非農業部門雇用者数が前月比11万人減少すると予想されている。減少は主に、国勢調査のために臨時雇用した人員の契約解除に伴うものであるが、民間部門の雇用が前月に続いて冴えない数字となれば、このところ弱含みに推移しているドルに対する売り圧力が強まることになるだろう。この2ヵ月ほど「売られ役」を演じてきたユーロに代わって、ドルが悪役を引き受けることになるのだろうか?

本資料は情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。本資料の記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本資料の記載内容は、予告なしに変更することがあります。

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中国人民銀行(中央銀行)が人民元相場の弾力化を打ち出してから初めての取引となった21日の上海外国為替市場で、元が対ドルで1ドル=6.7976元まで上昇した。2005年7月の元相場切り上げ後の最高値を更新、先週末終値からの上昇率は0.42%に達した。
 中国当局による人民元の切り上げ容認というビッグニュース、マーケットの反応はどうだったかというと、円相場は軟調、ユーロはしっかり、日本やアジアの株式市場は上伸し、原油や金など商品市況も上昇した。短期間では消化するのが難しいと思われる材料だが、とりあえずマーケットは好意的に受け止めた。もちろん、今後は様々な「副作用」も見られるであろう。しかし、人民元相場の弾力化という材料そのものよりも、それを好意的に受け止めたという世界中のマーケットのムードの変化に注目しておきたい。ギリシャ・ショック以降はリスク回避の動きが支配的だったが、リスク選好の動きが目立ち始めたのではないだろうか。対円で5月以降の下げの半値戻しの水準に近づいてきた豪ドルなど、資源国・高金利通貨の反発トレンドが本格化してくるようにも思われる。

本資料は情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。本資料の記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本資料の記載内容は、予告なしに変更することがあります。

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 政策のスキを探って弱みを見せた通貨を売り叩いて利益を得るというのは、いまやヘッジファンドの常套手段でもある。だとすれば、通貨が1つで財政政策は各国でバラバラという矛盾、ギリシャの財政危機で浮かんだ不協和音、不良債権の開示を怠ってきた不作為といった失政を突かれて、ユーロが大きく売り込まれたのは決して不思議ではない。1990年代、財政破綻時のロシア・ルーブルや韓国・ウォンの下落幅を参考にするとユーロは対ドルで16%下落する水準までは思い切って売れるとの計算もあったらしい。
 そして、ユーロは対ドルで年初から15%下落した。さらに、ファンドのユーロ売りの後を追うようにギリシャ国債の格付けが「投機的な水準」にまで引き下げられた。格付け会社がファンドの見立てが正しかったことを改めて認めたようなものである。
 しかし、ここまできたらもう十分だろう。とりあえずは「材料出尽くし」ということでユーロ売りの圧力は一巡するのではないだろうか。

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 4-5日の両日、韓国のプサンでG20財務省・中央銀行総裁会議が開催された。世界経済が「重大な課題」に直面しており、それに対応した取り組みが注目された。しかし、その結果はやや期待はずれだったと言わざるを得ない。
 米国のガイトナー財務長官は、景気拡大に向けて世界が再び米国の消費者に頼るべきではないと発言し、米国の消費に依存した景気回復に警戒感を示したが、ほぼ時を同じくして発表された5月の米雇用統計は市場の失望を誘う弱い内容で、この雇用統計を見る限りでは他国に頼られるほど米国の消費拡大は期待できない。
 また、フランスのフィヨン首相は、1ユーロ=1.20ドルを下回るようなユーロ安について、「輸出企業にとっては良いニュース」と語った。ユーロ相場の動揺が落ち着くのを世界中が待っているような時に、ユーロ安歓迎とも取れるような発言がユーロ内部から出てきたのではたまったものではない。
 どうやら今回のG20では、現在の世界の金融市場の混乱について、認識を共有することはできなかったようだ。政権内部のごたごたで欠席した日本は、〝仲間はずれ〟にされずに済んだようだ。

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5月の外為相場の主役は間違いなくユーロだった。そして、今でも欧州の動向にマーケットが注目していることには変わりない。振り返ってみると3月から4月にかけての関心の的は中国・人民元ではなかっただろうか。切り上げがあるのか?その時期は?
 しかし、ギリシャの財政問題に端を発した欧州圏の動揺、ユーロの急落によって人民元切り上げは遠のいたと見てよいだろう。中国は欧州向けの輸出も多く、今回のユーロ安で欧州向けの輸出が打撃を受ける可能性も大きいからだ。さらに人民元を切り上げて自国の輸出産業にハンデを負わすようなことはしないだろう。
 人民元からユーロへと関心の的が移ってきた為替市場だが、では6月の主役はどうだろう?4日(現地時間)に発表される5月の雇用統計次第では、米国の出口戦略、利上げに対する関心が高まり、ドルが主役になる可能性もある。ちなみに直近のロイター予測によると非農業部門雇用者数が50万3,000人増、失業率は9.8%と、ともに前月より改善すると市場は見ている。

本資料は情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。本資料の記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本資料の記載内容は、予告なしに変更することがあります。

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