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有沢正一のマーケット・ナビ

有沢正一

日々激しく変化する内外の経済。しっかりと押さえておきたいポイントをアナリストの視点で解説します。

どさくさに紛れて

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ギリシャの財政不安に端を発する「ユーロ危機」がピークに達する中で、米国4月の雇用統計が発表された。本来ならば市場の関心をひきつけるはずのイベントが、ユーロの動向に目を奪われてすっかり影が薄くなってしまった。しかも、その前日には米株式市場でダウ平均が約20分間で600ドル超も下落するという不可解な動きもあったため、雇用統計に関しては「それどころじゃない」とのムードすら漂ったようである。
しかしその内容は決して見過ごすべきではない。4月の雇用統計では、米国の非農業部門就業者数は前月比29万人増となり、2月と3月の数字も相当に上方修正された。失業率は9.7%から9.9%に上昇したが、これは職探しを諦めていた人が労働市場に戻ったせいであり、労働人口が80万5000人増加したからである。これまで諦めていた人たちが職を求める気になったということ自体、明るい兆候と言えるだろう。
本来であれば、この雇用統計は為替相場にかなりのインパクトを与えるはずであったが、欧州問題に紛れて反応はごく限られたものになった。今後、この雇用統計を材料視した動きが遅れて出てくる可能性には注意しておきたい。

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