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有沢正一のマーケット・ナビ

有沢正一

日々激しく変化する内外の経済。しっかりと押さえておきたいポイントをアナリストの視点で解説します。

2010年5月アーカイブ

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 ギリシャに端を発した欧州の財政不安が依然として世界中のマネーの流れを強く支配している。その影響は様々な金融マーケットに現れてくる。例えば、高金利通貨が売られる、株式が売られる、商品相場に売りが膨らむ…など。 そして、最近ではそんな市場の動きを解説するのに必ずといっていいほど「リスク回避の動きが強まって」という〝枕詞〟が付くようだ。ただ、何でもかんでも欧州の財政不安を背景とするマネーのリスク回避だと決めつけてしまってはいけない。中には、他の理由もあるはずだ。そこで、忘れてはならないことの一つが、5月末に多くのヘッジファンドの決算が集中することである。つまり、決算を意識したポジション調整の動きが少なからず出てくるということだ。株式市場における換金売りには決算対策の意味もあるだろう。
 そして、現在、ヘッジファンドの中にはユーロ売りのポジションを膨らませているものも多い。決算を前にユーロ売りのポジションをいったん整理して利益を確定する。5月末に向けてこのような動きが出ても不思議ではないだろう。5月の季節要因がユーロの反転を促すようなケースも頭の隅に入れておきたい。

本資料は情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。本資料の記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本資料の記載内容は、予告なしに変更することがあります。

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欧州中央銀行(ECB)が今月10日から始めたユーロ圏での国債購入額が165億ユーロ(約1兆8,000億円)になったという。域内の各国中央銀行を通じて欧州系銀行が保有する南欧諸国の国債などを買い取ったようである。今後も債券市場の動向を見極めながら、欧州圏の国債価格安定化のために市場介入を続ける構えである。
一方、為替市場ではユーロ売りが止まらない。ギリシャを始め南欧諸国の国債に対する不安がユーロ売りのきっかけであったが、最近では、欧州統一通貨であるユーロそのものに対する信認の低下がユーロ売りを招いている面が強まってきたようだ。もちろん、そこには弱みにつけ込む投機マネーの存在がある。為替市場における投機は、強い通貨を見つけて買うか、弱い通貨を見つけて売るかの2通り。今のユーロは格好の売り対象となっているようだ。
だとすると、ECBがこれから守らなければならないのは南欧諸国の国債ではなくユーロそのものになる。そろそろECBが為替市場に介入してくる可能性も考えておくべきだろう。国債を中央銀行が買い取るという、いわば「禁じ手」を既に犯しているECBにとって、ユーロを守るために「してはならない政策」など無いはずだ。

本資料は情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。本資料の記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本資料の記載内容は、予告なしに変更することがあります。

 

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ギリシャの財政不安に端を発する「ユーロ危機」がピークに達する中で、米国4月の雇用統計が発表された。本来ならば市場の関心をひきつけるはずのイベントが、ユーロの動向に目を奪われてすっかり影が薄くなってしまった。しかも、その前日には米株式市場でダウ平均が約20分間で600ドル超も下落するという不可解な動きもあったため、雇用統計に関しては「それどころじゃない」とのムードすら漂ったようである。
しかしその内容は決して見過ごすべきではない。4月の雇用統計では、米国の非農業部門就業者数は前月比29万人増となり、2月と3月の数字も相当に上方修正された。失業率は9.7%から9.9%に上昇したが、これは職探しを諦めていた人が労働市場に戻ったせいであり、労働人口が80万5000人増加したからである。これまで諦めていた人たちが職を求める気になったということ自体、明るい兆候と言えるだろう。
本来であれば、この雇用統計は為替相場にかなりのインパクトを与えるはずであったが、欧州問題に紛れて反応はごく限られたものになった。今後、この雇用統計を材料視した動きが遅れて出てくる可能性には注意しておきたい。

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