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有沢正一のマーケット・ナビ

有沢正一

日々激しく変化する内外の経済。しっかりと押さえておきたいポイントをアナリストの視点で解説します。

2010年4月アーカイブ

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外為市場で未だに燻っているギリシャの財政不安。で、ギリシャの公的債務はどれくらいなのかというと、対GDP比で約113%、つまりGDPを1割強上回る水準ということになる。国全体が1年かけて稼ぎ出す経済価値を上回る借金は確かに尋常ではないだろう。しかし、では日本はどうなのかというと、日本の債務残高は対GDPで197%。つまり、GDPの2倍弱の借金を背負っているわけだ。では、なぜ日本の国債が安全でギリシャ国債が不安視されるのかというと、最も大きな違いは外国人保有債務の比率であろう。ギリシャの国債は外国人が8割近くを引き受けているのに対し、日本国債の外国人保有比率は6%程度に過ぎないという。外国から借金しているギリシャと国内で借金を賄っている日本との違いである。大雑把に言ってしまえば、ギリシャの国債が債務不履行に陥れば他の国に大きな混乱が及ぶけれど、日本の国債が債務不履行になっても困るのは日本の投資家ということか。ちなみに日本の国債の主な引き受け手は郵便貯金と銀行。そして、その原資は個人の預貯金。日本の個人投資家にとっては、ギリシャの財政不安問題はまんざら他人事ではないような気もする。

本資料は情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。本資料の記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本資料の記載内容は、予告なしに変更することがあります。

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米証券取引委員会が金融大手ゴールドマン・サックスを証券詐欺の疑いで訴追したことで、米国で金融機関に対する規制強化の動きが強まるとの見方が浮上している。そして、その結果として、これまで自己資金の何倍ものお金を運用することによって投資効率を高める「レバレッジ(梃子の作用)」は縮小せざるを得ないと言う。そこで、レバレッジの巻き戻し、縮小をさす言葉として「リレバレッジ(releverage)」という用語が出てきた。また、覚えておかなければならない単語が増えたのだろうか?
 リレバレッジに伴うリスク資産圧縮の動きは、短期的には低金利の安全資産である円資産への資金流入につながり、円高を招くかもしれない。しかし、それは短期的なものにとどまるはずだ。仮に金融規制が強化され、リレバレッジの動きが活発化したとしても、基本的に「より金利の高い通貨へ」「よりパフォーマンスの良い資産へ」という資金の流れを止めることはできない。リレバレッジによって、複雑化された資産運用がよりシンプルになれば、為替相場の基本である「マネーは金利の高い通貨に向かう」との原理が改めて意識されるのではないだろうか。現在のところ、円に運用マネーが向かうような中長期的な魅力は見当たらない。

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 ギリシャの財政問題は、ユーロ圏が最大3.8兆円の支援策で合意したことで、いったん落ち着いた。そして、今度は中国・人民元の切り上げ問題を巡る米中の交渉が注目を集めている。ギリシャから中国へ為替相場の関心が移行しつつあるわけだが、ここで少し注意しておきたいのが商品市況の動きである。
 NY金の先物相場が4ヵ月ぶりの高値を更新し、上昇を続けるNY原油先物相場は1バレル100ドルが再び視界に入ってきた。背景には世界的な景気回復による実需の高まりがあるのだが、それだけではないだろう。動きが良くなってきた商品市況を眺めて投機資金が流入し始めているものと思われる。金や原油の先物相場はドル建てなので、金や原油を買うことはドルを売ることになる。つまり、金・原油と米ドルはトレード・オフの関係にあるわけで、金・原油に投機資金が向かうことは、投機資金がドルを売るという意味を持つのである。
 金や原油の力強い動きが、ドルの上値を抑える伏兵となるかもしれない。

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米国3月の雇用統計は、非農業部門の雇用者数(季節調整済み)が前月比で16万2,000人増加、その増加幅は2007年3月以来3年ぶりの大きさとなった。米景気の緩やかな回復で新規失業者発生に歯止めがかかってきたことに加え、米国勢調査のため連邦政府が4万8,000人を一時的に雇用したことも背景にあるようだ。
この雇用統計は、ほぼ予想の範囲内ではあったもののドル買いに安心感を与えるものとなった。新たな金融緩和策さえ模索する日本に対し、米国では利上げのスケジュールに対する関心が高まってくる。日米の金利差を意識した円売り・ドル買いがしばらくは円ドル相場を支配するのではないだろうか。
円ドルのチャートを見ると、昨年11月末のドバイショック時につけたドルの安値が84.8円辺り。そして、そこからのドルの戻りは1月初旬の93.7円で頭を打った。その時の戻り幅を直近のドルの安値88.1円に当てはめてみると、97円辺りが目先の上値の節目として意識されるのではないだろうか。そして、100円が視野に入るのも、そう遠くはないように思われる。

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