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有沢正一のマーケット・ナビ

有沢正一

日々激しく変化する内外の経済。しっかりと押さえておきたいポイントをアナリストの視点で解説します。

2010年3月アーカイブ

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2日(米時間)に発表される米国3月の雇用統計。非農業部門の雇用者数が増加に転じるとの見方が強まっている。主な調査機関の予想の中央値は19万人増で、強気なところでは40万人増との予想もある。大雪の影響で2月の雇用が実勢ほど伸びなかった反動もあるということだが、雇用者数が増加に転じることは米国景気の回復振りを強くアピールすることになるだろう。ギリシャ問題でユーロの信頼が揺らぎ、日本は新たな金融緩和策を探り出す中で、久しぶりに「強いドル」に戻るきっかけになるかもしれない。
いずれにしても、新年度の為替相場のトレンドを占う意味では非常に大きな意味を持つ雇用統計になりそうだ。なお、2日はグッド・フライデーの祝日で米国の株式市場は休場だが、為替相場は通常通り取引が行われる予定である。

本資料は情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。本資料の記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本資料の記載内容は、予告なしに変更することがあります。

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財政難に陥っているギリシャへの支援をめぐり、ユーロ圏諸国の足並みが揃わないことから、22日には欧州株価が大きく売り込まれるような場面があった。為替市場では、これをきっかけに円買い・ドル売りが進んで円は対ドルでほぼ2週間ぶりに89円台に突入した。25~26日の欧州連合(EU)首脳会議を前に、国際通貨基金(IMF)による介入観測も浮上する中で、アジア通貨危機を連想させて漠然とした不安感が市場を覆ったという。
しかし、欧州市場の「揺れ」にもかかわらず、米国の株式市場は堅調に推移した。確かに、ギリシャ問題はいまだに欧州を動揺させている。しかし、その揺れは徐々に欧州内部に収まりつつあるようだ。再び欧州発の動揺が世界の金融市場に波及するのかどうか、とりあえずは欧州連合の首脳会議に注目したい。これが、ギリシャ問題のひとつの区切りになることを期待して…。

本資料は情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。本資料の記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本資料の記載内容は、予告なしに変更することがあります。

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中国の第11期全国人民代表大会(全人代、国会に相当)が、14日に終了した。今や世界で2番目の経済大国になろうとしている中国の動向を見るうえで世界中の関心を集めた全人代。いくつかの注目点があったのだが、その1つは間違いなく人民元の切り上げ問題だろう。そして、アメリカを始め各国から切り上げの圧力が強まる人民元に関して温家宝首相は、「金融危機に際し、人民元相場が安定を保ったことは、世界経済の回復を促進した」と相場固定を正当化した上で、「合理的な水準で、相場の基本的な安定を保つ」と、圧力に屈せず自主的に相場を決定する考えを強調した。切り上げや変動相場への移行に関して将来に含みを持たせるような、あるいは多少の柔軟性をうかがわせるような発言があるかとも思われたのだが、周囲の圧力を封印してしまった。
とりあえず、人民元の切り上げに関しては「進展なし」と判断すべきだろう。ちなみに中国の動きが為替相場に与える影響としては、人民元の切り上げ観測が浮上すれば「周辺のアジア通貨も上昇する」との見方が強く、円高要因になるだろう。また、中国が順調に成長路線を維持することは、資源需要の拡大、商品市況の上昇、マネーのリスク選好などにつながるため、豪ドルやカナダドルなど資源国の高金利通貨にとって買い材料になると思われる。

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海外子会社からの配当を実質非課税とする税制改正が昨年4月に実施されており、初めての年度末を迎える今年の3月は国内企業による資金還流のための円買いが増えるとの見方が強かった。もともと、年度末は決算を意識した国内機関投資家の海外資産売却や輸出企業の為替予約に伴う円買いが出やすいとされており、毎年3月になると日本企業のリパトリ、年度末の円買いが材料視されてきた。2008年は年度末に円が急伸したのだが、昨年は逆に円安が進むなど、3月の円相場の動きは必ずしも一様ではない。
税制改正を受けて今年の3月は例年にも増して日本企業のリパトリに伴う円高への警戒が強いようなのだが、今回の税制改正は時限立法でもなく、為替相場が円高に振れている様なときに資産の目減りを伴うリパトリを急ぐ企業は少ないだろう。したがって、期末のリパトリは円の上値追いの材料にはならないと考える。ただ、逆に円が売られたときには下値を支える要因になるだろう。1ドル91円からさらに円安に振れるような局面ではリパトリの動きが円の下値を支えそうだ。

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ギリシャの財政悪化に揺れる欧州圏。最近では英国の財政問題も意識され始めて英ポンドが売りの標的になりだした。そんな中、ギリシャ首相府は、パパンドレウ首相が3日に「経済に関する重要決議」を行うために閣議を召集したことを明らかにした。どのような重要決議がなされるのかは全く不明だが、財政問題が一気に解決することは考えにくく、今後も「欧州の火種」として燻り続けることになるだろう。
今回のギリシャのように、どこかの国や地域で財政リスクが浮上すると、資金の逃避先として円が買われる傾向があるが、果たして円は本当に安全なのか。政府発表によると、2010年度末の地方分を含んだ債務残高は約862兆円と、前年度末から90兆円以上膨らみ、国内総生産(GDP)の1.81倍となる。一方、経済協力開発機構(OECD)の最新の経済見通しでは、10年末の債務残高(暦年ベース)は大規模な景気対策を実施した米国がGDP比92%と、リーマンショック前の07年(62%)から悪化するが、日本ほど深刻な状況ではない。一方、加盟国に財政赤字抑制を求める欧州連合(EU)のG7諸国では、イタリアがGDP比1.27倍とやや高めとなるが、その他は82~93%にとどまるという。「財政問題」をフォーカスすれば決して円は買われるべき通貨ではないはずなのだが…。

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