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有沢正一のマーケット・ナビ

有沢正一

日々激しく変化する内外の経済。しっかりと押さえておきたいポイントをアナリストの視点で解説します。

2010年2月アーカイブ

米FRBが先週、金融機関への貸出金利である公定歩合の0.25%引き上げを決定した。リーマン・ショックから約1年半、金融市場の安定化に伴って金融機関に対する貸し出しは急減し、公定歩合融資の残高はFRBの総資産の0.6%に過ぎない。したがって、今回の公定歩合の引き上げが実体経済に与える影響は極めて限定的だろう。FRBは発表文で、今回の決定は金融機関への異例の資金繰り支援を正常化する技術的なステップであり、金融政策の変更を意味するものではない点を強調した。FOMCの日程を外して実行したのも、金融政策とは無関係であることをアピールする狙いがあるという。
決定直後は一気にドル買いが膨らんだが、やがてその勢いは失われ、今のところドルの上値トライは迫力に欠けている。しかし、FRBの発表を額面通りに受け取るわけにはいかないだろう。やはり、これは遠からず機が訪れる金融政策変更に向けての「地ならし」に違いない。FRBが地ならしに動き出したということで、今後、雇用統計を始めとする米国の経済指標に強い数字が出てきた時のマーケットの反応は今まで以上にビビッドになる可能性がある。注意が必要になるだろう。

本資料は情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。本資料の記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本資料の記載内容は、予告なしに変更することがあります。

 

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中国人民銀行が12日、市中銀行から強制的に預かる資金の比率を示す預金準備率を25日から0.5%引き上げると発表した。同準備率の引き上げは1月に続いて2ヵ月連続となる。1月の引き上げの際には中国のみならず世界の株式、商品市場などに大きな影響を与えただけに、今回の措置に対する市場の反応が気になるところだが、今のところ1月に比べると動きはおとなしいように見える。
中国の引き締め策については中国経済の減速を招き、リスクマネーの収縮を懸念する見方があるが、私はそれほど極端な影響はないと考える。確かに過熱気味の中国不動産市況の熱を冷ますことにはなるだろうが、それと中国の景気全体との話は別物である。企業の投資意欲を大幅に後退させるものではないだろうし、ましてや個人消費に与える影響はほとんどないと考える。リスクマネーの動きについても中国の金融緩和政策によって生じたリスクマネーはさほど大きいものではなく、今回の預金準備率の引き上げが世界中のリスクマネーを収縮させてしまうというのは大げさだろう。
それにしても、自国市場の旧正月休み前の政策発表、なかなかのテクニックではないだろうか。政策が与えるサプライズはとりあえず海外の市場である程度吸収してもらうことで、休み明けの自国市場における市場の混乱や乱高下を和らげることができる…。
さて、中国金融当局の狙い通りに事が運ぶかどうか、来週の中国株式市場の動向に注目だ。

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BRICsという単語は、経済発展が著しいブラジル、ロシア、インド、中国の頭文字を取ったもので、ゴールドマン・サックスの20代の女性元社員が2003年10月に書いた投資家向けのレポートに初めて登場したという。今ではすっかり定着しており、同様の意味でVISTA(ベトナム、インドネシア、南アフリカ、トルコ、アルゼンチン)やMENA(中東と北アフリカ)という言葉もあるし、さらに最近ではメキシコの大統領がBRICsにメキシコの「M」を加えた「BRIMC(ブリンク)」という概念を提唱したりしている。

で、先週あたりから金融市場をにぎわせているのが「PIIGS」である。もっともこれは今後の世界経済の成長を担うような育ち盛りの国の話ではなく、欧州経済、さらには世界経済の足を引っ張りかねないとされる財政不健全国の総称で、ポルトガル、アイルランド、イタリア、ギリシャ、スペインの頭文字を取ったものだ。この「PIIGS」と言う新しい言葉、一過性のもので終わるのか、あるいはBRICs並みに経済用語としての市民権を得るのか、たとえば半年後にPIIGSという言葉をどれくらいの人々が認知しているか・・・。誰もが知ってるような言葉になっていたら大変だ。

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一進一退を示す米国の景気指標。「2010年は米国にとって景気回復の年になる」との期待を背景に、年末から年明けにかけて堅調に推移していたドルの上値も重くなりがちだ。発表が一巡した2009年の企業決算も、全体的には業績の回復を示してはいるのだが、市場の期待を上回るほどではなかった。また、先行きの見通しに対する企業側の慎重な見方も市場の失望を誘うケースが多かった。米景気の先行きに、いまひとつ強気になりきれないムードの中で、今週末には1月の雇用統計が発表される。失業率は前月比横ばいの10.0%との予想が大半だが、注目されるのは非農業部門雇用者数であろう。先月に発表された09年12月は8万5,000人の減少であったが、1月に関しては、ロイターのアナリスト調査では5,000人の増加が見込まれている。果たして、増加に転じるのであろうか。数字の大小に関わらず、マイナスからプラスへの転換は、市場に与えるインパクトが大きいものと思われる。大いなる関心を持って雇用統計の発表を待ちたい。

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