米FRBが先週、金融機関への貸出金利である公定歩合の0.25%引き上げを決定した。リーマン・ショックから約1年半、金融市場の安定化に伴って金融機関に対する貸し出しは急減し、公定歩合融資の残高はFRBの総資産の0.6%に過ぎない。したがって、今回の公定歩合の引き上げが実体経済に与える影響は極めて限定的だろう。FRBは発表文で、今回の決定は金融機関への異例の資金繰り支援を正常化する技術的なステップであり、金融政策の変更を意味するものではない点を強調した。FOMCの日程を外して実行したのも、金融政策とは無関係であることをアピールする狙いがあるという。
決定直後は一気にドル買いが膨らんだが、やがてその勢いは失われ、今のところドルの上値トライは迫力に欠けている。しかし、FRBの発表を額面通りに受け取るわけにはいかないだろう。やはり、これは遠からず機が訪れる金融政策変更に向けての「地ならし」に違いない。FRBが地ならしに動き出したということで、今後、雇用統計を始めとする米国の経済指標に強い数字が出てきた時のマーケットの反応は今まで以上にビビッドになる可能性がある。注意が必要になるだろう。
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