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有沢正一のマーケット・ナビ

有沢正一

日々激しく変化する内外の経済。しっかりと押さえておきたいポイントをアナリストの視点で解説します。

2010年1月アーカイブ

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オバマ大統領が打ち出した新たな金融規制案が世界のマーケットに大きな波紋を投げかけた。その内容は、金融機関の規模や事業に一定の制限を設けるもので、銀行にヘッジファンドの保有・出資などを禁止、大手金融機関の負債の規模に上限を設定する。これまでの業務拡大や事業統合を促す金融自由化の方針を180度転換することになる。「われわれはあなたたちのお金を取り戻す。わずか10セントでもだ」挑発的な言葉で大手金融機関を対象にした「金融危機責任税」打ち上げたのが1月14日。そして今回の規制案でも「彼ら(金融界)が戦う気ならこちらにも戦う用意がある」と挑発している。
ただ、米国の景気回復期待を織り込みながら堅調に推移していた米株やドル相場の動きに変調をきたしたことを考えれば、大統領は金融界だけでなく、マーケットを敵に回した感もある。英紙フィナンシャル・タイムズのように、「大衆迎合主義(ポピュリズム)的で危険だ」との批判も少なくない。景気が回復に向かうのか、二番底があるのか、かなり微妙なこの時期にマーケットを混乱させるべきではないだろう。
過激な言葉とともに発表された金融規制案ではあるが、実際にはじっくりと時間をかけて進められることになるのではないだろうか、まずは冷静に事の成り行きを見守るべきだろう。

本資料は情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。本資料の記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本資料の記載内容は、予告なしに変更することがあります。

昨年12月は、決算を意識した米国企業のリパトリ(Repatriation:本国への資金還流)がドル高を加速させた局面があったようだが、ここから3月に向けては、日本企業のリパトリを考慮しておく必要があるだろう。2009年度の税制改正で配当金への課税が免除されたこともあり、3月の本決算に向けて、海外に置いていた資金を国内に送金する動きは既に出ていると言う。米国の同様の法律にちなんで「日本版HIA(Homeland Investment Act)」とも呼ばれる海外収益や配当金への非課税措置は、昨年の春、一時的に日本企業の本国送金を誘った。その後は円高などの影響で、やや下火になっていたのだが、09年11月の国際収支統計では、海外子会社からの配当金の送金額は前年同月の約2.2倍となっている。この動きが続くようならば3月末に向けての円高を誘う要因となる。昨年に比べて日本企業の海外での利益も増えているので、多少の注意が必要になりそうだ。

本資料は情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。本資料の記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本資料の記載内容は、予告なしに変更することがあります。

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7日、就任早々の菅財務相の「円安誘導」発言が円相場に波紋を投げかけた。発言の直後から円を売る動きが活発化し、対米ドルでは4ヵ月ぶりの円安水準である93円70銭台まで円が下落した。その後、鳩山首相を始め他の閣僚たちが口をそろえてこの発言を批判したことや、注目されていた12月の米雇用統計が予想よりも弱い内容となったことで、円を買い戻す動きが広がり、結局、わずか数日で円相場は発言前の水準に戻ってしまった。ただ、今後、仮に円が上値を試し始めるようなことがあったときに、この発言がどのように影響を及ぼすのか注意しておく必要があるだろう。

もうひとつ、注目しておきたいのは豪ドル相場の動きである。既に利上げに動いている豪ドルは高金利通貨としての魅力が見直されて上昇基調にあるが、直近の動きを見ると、対円では昨年来の高値を更新、一方、対米ドルでは高値更新まであと一歩の水準にある。チャートの節目を対円で抜けてきたのには、菅財務相の発言が微妙に影響したようにも思われる。円売り・豪ドル買いにはチャート上での妙味も大きくなってきたように思われる。

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昨年12月以降、ドル・円相場ではドルの戻りを試す展開が続いている。12月4日に発表された11月の雇用統計から市場予想を上回る米国経済指標の発表が相次ぎ、米国の景気回復期待が高まってきたことが、その背景にある。一気に93円台までドルが上昇したのは、年末年始の休暇で日本の輸出企業のドル売りが出にくかったという要因もあるだろう。ここからは日本の輸出企業のドル売りも本格化してくる。それをこなしながらドルがどの辺りで下値を固めるのか注目されるところである。92円台の半ばで下値を固めることができれば、ドル・円相場は95円を挟んで推移していた昨年夏の水準までレンジを切り上げることもありうるだろう。ただ、米国景気の回復はマネーのリスク選好を強め、相対的にドルの魅力を低下させる面もある。ドルの下値不安は後退しつつあるものの、一本調子で上値を試す状況でもなさそうだ。
とりあえずは週末に発表される12月の米雇用統計。ドルが堅調な地合いを維持できるかどうか、2010年最初の注目イベントになるだろう。

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